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丸の内キャリア塾

自分を変える「成長思考」で好循環引き寄せる 「明日の自分」を変えるためのアクション

赤羽雄二さん(ブレークスルーパートナーズ マネージングディレクター) 

2017/1/11

本来の頭のよさ引き出す「A4メモ書き」で成長加速

 仕事であれ趣味であれ、人は誰でも自分自身の成長を願うものだ。しかし、それを強く意識して成長への階段を上り続けられる人ばかりではない。長年マッキンゼーなどで活躍してきた赤羽雄二さん。豊富なコンサルティング経験から、「A4メモ書き」などの独創的なアイデアを編み出した。自分を変え、成長し続けるための方法論を披露した。

浮かぶ言葉吐き出す 3週間で自分に変化

 私は、人は本来、誰もが頭がいいと思っています。その本来の頭のよさを発揮できるようになる方法として「A4メモ書き」をお勧めしています。A4の紙を横にして左上にタイトル、右上に日付を入れ、1ページに4~6行、1行に20~30字書きます。1分間に80~90字書いてください。言葉は選ばず、頭に浮かんだフレーズをそのまま吐き出します。これを毎日10~20ページ書いていると、驚くほど頭がすっきりして頭の回転が速くなります。

 仕事や人間関係の悩み、疑問点など何でも書き出します。嫌なこと、ストレスになっていることはぼかさず、相手の名前も入れて全て書き出します。メモに負の感情を出すのは決して悪いことではありません。愚痴は堂々巡りになりがちですが、メモではあまりなく、目の前にはっきり書かれていると次が自然に見えてきます。書き留めることで考えが整理され、自分が何に悩んでいるのか、はっきりと見え、悩みが大幅に減ります。

 これを3週間くらい続けると、自分に大きな変化を感じ始めます。人の言うことが1回で理解でき、優先順位が明確になるので行動が変わります。発言や提案が通ることが増え、周囲からコミュニケーションが取りやすく、リーダーシップが高まったと言われるようになります。

 書いたメモは、仕事や趣味、悩み、ビジネスアイデア、将来ビジョンといったテーマ別に、7~10のクリアホルダーに分けて保管します。基本的に読み返しませんが、3カ月後に読めば「こんなことで悩んでいたのか」と思い、6カ月後にはほとんどが身に付いています。

他者との会話に発見 企業研修にも効果的

 こうして成長への加速が始まりますが、次に紹介するのは「A4メモ書き」の進化形である「アイデアメモ」と「ロールプレイング」です。

 「アイデアメモ」は1ページを4小間に分けます。例えば、「ネガティブな見方をした経験は○○○○」というテーマで、1)どういう経験か、2)その理由は、3)どのように行動を変えたか、4)周囲の反応は――といった4項目に3分で書き込み、そのあと2分でもう1人と交互に説明し合います。さらに「ポジティブな見方をした経験は○○○○」「今後、ポジティブな見方をいつもし続けるには?」の2テーマでも同じことを繰り返します。合計3セット、15分でできます。

 これも頭の中を全て吐き出す感じで書きますが、1、2行しか書けない人もいます。でも、そういう人でも雄弁に説明するものです。それは、もう1人に説明しながら、「そういえば」と自分の中で気になっていたことに気づくのですね。他者とやりとりする中で分かる、色々な発見があります。

 この「アイデアメモ」は大勢いても15分間フルに頭を使うので、企業研修などにも向いています。「新入社員の育成」「客先での会話」など、様々なテーマが浮かぶでしょう。あることが自分にできない理由、できない人の理由などが分かるようになり、自分をコントロールすることにつながります。

 いま例として、「ネガティブな見方……」を挙げましたが、これは事前の質問で多かったものです。ポジティブに見るか、ネガティブに見るかは本人がそう決めているだけで、9割方は気持ちの持ちようです。女性の中には、立派なキャリアを持ち、賢くて仕事もできるのに、自信のない方が多いように見えます。自分を成長させるには、あまりネガティブになりすぎないことも大事です。

7つのアクション 意識して追い風を

 次に「ロールプレイング」は3人1グループで行います。本人・友人・オブザーバー役に分かれてミーティングをし、役割を交代して一巡します。本人が課題への取り組みを説明し、友人はアクティブリスニングします。アクティブリスニングとは積極的に質問して相手を導き、助言、励ますことです。この間の2分、オブザーバーは黙ってメモを取り、あとの2分で両者にフィードバックします。本人の話し方や考えのまとめ方、それに対する友人の反応の仕方などについて感想を述べます。

 合計12分ですが、自分が見落としていたことなど色々な発見があります。これも「営業成績の向上」「顧客との接点作り」などをテーマに、様々なシチュエーションを考えてロールプレイしてみることをお勧めします。350人で一斉にやったこともありますし、いまインドの企業でも実施していて、非常にうまくいっている方法です。

 私は、人が成長するためには7つのアクションが必要と考えています。すなわち、1)思い切ってハードルを下げる、2)つらくない努力、楽しくなる努力をする、3)自信を持つための工夫をする、4)好循環を生み出す、5)ポジティブ思考を身に付ける、6)コンディションを維持する特別な工夫をする、7)人の力を借り、仲間と一緒に成長する――。

 4)の「好循環」とは、自分の実現したいことが追い風を受けて、より簡単、確実に実現できるようになることです。そのためには先手を打って準備し、意識的に追い風を吹かせることが大事です。自分自身の成長も、それを強く意識して継続して取り組むことが大切です。

赤羽雄二(あかば・ゆうじ)
ブレークスルーパートナーズ マネージングディレクター
1978年東京大学工学部卒、小松製作所入社。85年スタンフォード大学大学院修了。86年マッキンゼー入社、90年同社ソウルオフィス。2002年ブレークスルーパートナーズ共同創業。近著「成長思考 心の壁を打ち破る7つのアクション」(日本経済新聞出版社)。

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