半世紀の京王百「駅弁大会」 今年の対決は4ジャンル
1966年以来、52年にわたる歴史を誇る京王百貨店新宿店の名物催事「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」が、今年も12日(木)から24日(火)まで、同店7階大催場で開催される。
会場内で調理する「実演販売」と、北海道から鹿児島まで現地から運ばれてくる「輸送駅弁」合わせて300種類以上の人気駅弁が一堂に会する。品ぞろえだけでなく、毎年趣向を凝らした企画も人気で、昨年は、スイーツや総菜などの「うまいもの」と合わせて、13日間で6億1300万円を売り上げ、約30万個もの駅弁が売れた人気催事だ。
人気の対決シリーズ、今年は4本立て。
まずは、平成29年にちなみ、肉駅弁に注目した「牛肉駅弁 頂上対決」。駅弁大会の常連ながら常に進化を続ける肉系の人気駅弁と新作駅弁が対決する。
常連はまず、奥羽本線米沢駅の「牛肉どまん中」。その進化形として、定番のしょうゆベースの特製だれに加え、塩味、味噌味も同時に味わえる「三味(さんみ)牛肉どまん中」が登場。
そして、高山本線高山駅の「飛騨牛ローストビーフ使用 牛しぐれ寿司」。ローストビーフとしぐれ煮、2つの味を同時に楽しめる人気の駅弁だ。
対する新作は、昨年開業したばかり、北海道新幹線新函館北斗駅の「肉敷きローストビーフ弁当」。北海道産牛の焼肉をご飯の上に敷き詰め、その上にさらにローストビーフがのる。
佐世保線武雄温泉駅の「佐賀牛ロースステーキ&カルビ弁当」は、きめの細かい霜降りが特徴の佐賀牛を使ったロースステーキとカルビ焼きをぜいたくに盛り合わせた。
山陰本線松江駅の「島根牛すき焼き煮切り丼」は、地元の老舗調製元が開発した新作駅弁。しょうゆや砂糖などを水分がなくなるまで煮詰め、食材にうまみをとじ込めた「煮切り」と呼ばれる調理法で味付けした島根牛をご飯にのせている。
海鮮系の駅弁は、容器が金色だったり、食用の金箔を使った弁当を集めた「海の幸 黄金の弁当対決」。
北陸本線福井駅の「黄金のウニ・かに合戦」は、金色の容器に入った塩ウニの炊き込みご飯に紅ズワイガニとズワイガニ、蒸しウニ、イクラをちりばめたぜいたくな弁当。
東海道新幹線京都駅の「黄金のはもめし」は、京都ではおなじみの高級食材・はもを使った駅弁。食用金箔付き。
山陽本線西明石駅の「金色のひっぱりだこ飯」は金色のたこつぼ型容器にたこのうま煮、穴子のしぐれ煮、たこ天などが詰まった弁当だ。
同じく山陽本線姫路駅の「黄金の穴子一本寿司」は、肉厚の煮穴子をさらにあぶって香ばしさを出し、その上に金粉をあしらったもの。
海鮮系ではもうひとつ「海鮮陶器駅弁対決」も実施する。容器を旅の思い出とともに持ち帰れる駅弁は人気が根強い。そんな容器が魅力的な駅弁の対決だ。
宗谷本線稚内駅の「うに御膳」は、他のウニを使った駅弁との差別化を図るためにつぼに入れられた人気の駅弁「うに壺」をベースに新たに開発。味噌、塩、しょうゆに味付けされた3種のウニに加え、塩漬けのウニもついて、ウニを存分に堪能できる。
中央本線小淵沢駅の看板駅弁「元気甲斐」の名前を模し、地元の名物・アワビの煮貝を前面に押し出したのは「元気鮑(げんきかい)」。さまざまな貝が入った炊き込みご飯にアワビの煮貝やイクラのしょうゆ漬け、野菜などをトッピング。容器の形はアワビを海から馬の背に乗せて運ぶ際に使ったたるをイメージしたもの。
最後、4つ目の対決は「トントン対決」。豚肉を使った駅弁の対決だ。
釧網本線摩周駅の「摩周の豚丼ミックス」は、しょうゆベースの甘辛だれにからめた北海道産ロース肉を乗せた定番の「摩周の豚丼」に甘辛味噌とボイルしたウニを混ぜたたれにからめて焼いた同バラ肉も合わせてのせたもの。
九州新幹線出水駅の「かごんま黒豚角煮とみそ焼き弁当」は、豚肉を使った駅弁に定評のある老舗調製元が作った新作。地しょうゆと焼酎で作ったたれに2日間漬け込んだあと3時間煮込んだ鹿児島産黒豚バラ肉の角煮と赤麦味噌ベースのたれに漬け込んで焼いた同もも肉をのせた。
対決のほかにも、昨年4月の地震で大きな被害を受けた熊本からは南阿蘇鉄道立野駅の「南鉄とり飯弁当」も出品する。いまだ一部運休が続き、販売が中断したままだが、今回特別に個数限定で復活する。
ドラマ「あまちゃん」で注目を集めた、三陸鉄道久慈駅の駅弁も登場する。人気の「うに弁当」にイクラとアワビを加えた新作「磯の宝弁当」(販売は18日まで)だ。
ほかにも函館本線森駅の「いかめし」、信越本線横川駅の「峠の釜めし」など定番の人気駅弁もそろう。
営業時間は午前10時から午後8時まで(18日は午後5時まで、24日は午後6時まで)。混雑は必至で、京王百貨店でもホームページやブログで、攻略法や最新情報を随時発信している。お出かけの際は、事前の情報収集を忘れずに。
(渡辺智哉)
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