変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

素の自分さらけ出す

日立工機の電動工具は大工など職人向けが中心だが、住宅など国内の建設市場は中長期的に縮小傾向で、通販拡大を重要項目に挙げる。東京都大田区で営業する日立工機販売の芳賀飛鳥さん(32)は、通販向けの売上高を1年前と比べ12倍伸ばし、通販会社に商品を卸す商社向けの販売を6割増やした。他の営業マンを寄せ付けない圧倒的な成績だ。

「昨日ご提案した新製品の企画書ですが、こういうキャッチフレーズを入れませんか?」。芳賀さんは毎日夕方必ず通販向けの会議のため、大田区の城南地区の商社に顔を出す。前の会議で話した内容について提案し直し、通販会社から来る要望を相談する。芳賀さんは通販向けだけでなく町の販売店などを何十社も担当しているが、忙しい中でもコンタクトをとるよう心がけている。

その商社には担当になった3年前から毎日顔を出している。従業員が多いためいろいろ聞いて回る。そんな中、その商社と取引がある通販会社が商品を増やすために新たに電動工具をラインアップしたいという話を知った。日立工機の電動工具を取り扱ってもらうチャンスだ。商社と通販会社の会議に参加させてもらった。

職人だけでなく一般ユーザーもターゲットにできるということが分かったが、電動工具は種類が多く、具体的にどういう作業に使えるかイメージしにくいものも多い。「この工具とこの工具を組み合わせればネジが回せる」「使用シーンの写真をつけてこういう作業ができる」といった、分かりやすさを重視した企画書をいくつも作成した。

日立工機の電動工具が採用されることになったが、通販では納期を短くすることが求められる。芳賀は商品の在庫を商社の倉庫に置くことにしたが、倉庫は商社が普段販売する商品でいっぱい。保管場所を確保するために倉庫番の社員を何とか口説き落とさなければならなかった。その倉庫番は、いつも怒鳴っているこわもての男性だ。

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック