くじら食べよう 訪日外国人も「興味あり」恵比寿鯨祭
日本人の舌に根付いてきた食文化・くじら。その魅力を発信すべく、全国各地の捕鯨のまちとくじら料理が一堂に会するイベント「恵比寿鯨祭2016」が、来週の18日(火)から22日(土)までの5日間、東京・恵比寿周辺の飲食店で開催される。
地名の元になった「恵比寿様」は、釣り竿を持ち、鯛を抱える姿から、漁業や鯨漁との縁が深いという。
そこで、全国6道県の7都市が協力、恵比寿の人気店とコラボしてオリジナルメニューでくじら料理を提供しようというのが今回のイベントだ。
関西おでんの定番、ころやさえずりもくじらだ。先日も新潟の居酒屋でくじら汁に出合い、こりこりした食感に舌鼓を打った。水菜の食感を生かしたはりはり鍋もおいしい。
最近では高級食材となったくじら肉だが、かつては給食に使われたり、幼いころに親しんだ人も多いだろう。鯨肉の塩漬け・塩鯨も内陸部などでは重宝されたはず。
そんな世代も含め、幅広くくじらのおいしさをアピールすべく、数多くのメニューが登場する。
北海道網走市×「まぜそば三つ星」の「新くじら」、北海道釧路×「たこえびす」の「鯨の焼きカツ」、宮城県石巻市×「魚BAR一歩」の「鯨肉の味噌ステーキ」、千葉県南房総市×「Noodle BAR es」の「KUJIRAのクリームヌードル」、和歌山県太地町×「世界のソーセージレストランhayari」の「鯨と高野豆腐のサラミ」、山口県下関市×「恵比寿横丁だるまてんぐ」の「クジラのスパイスたたき」、長崎市×「どんく」の「四川鯨(よだれ鶏風)」など。
昨年の同イベントで行ったアンケート調査によれば、訪日外国人の半数以上が鯨食に興味を持ち、肯定的だったという。今年は英語版のポスター、メニューなどを製作、インバウンド対応にも取り組んでいるという。
外国人だけでなく、若い人の中にも「くじらを食べたことがない」人はいるだろう。おいしい日本の伝統を知るには、いい入門ベントになるだろう。
(渡辺智哉)
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