男ならガツンと「さつまいもグルメ」 川越食べ尽くせ
まだまだ残暑といえども、朝晩は風が涼しくなってきた。そろそろ秋の到来だ。
秋の味覚といえば、サンマに栗に、さつまいも。さつまいもっていったら甘いものだろう?と思ったら大間違い。さつまいもが有名な川越には、男性にこそ食べてほしいガツンとさつまいもグルメがあるのだ。
川越は江戸に物資を運ぶ舟運の集積場として栄えた街。今も蔵造りの街並みが残るレトロな街だが、ここは江戸時代から川越いもと呼ばれるさつまいもの一大産地だった。
当時、江戸では焼きいもが大ブレイク。というのも庶民が食べられるもののなかでも、数少ない甘みが強いものだったからだ。さつまいもは重いため、舟で江戸まで運ぶことができる川越に利があった。
蔵の街を歩けば、そこいらじゅうに芋、いも、イモののぼりがはためき、さつまいも食べ歩きメニューが待ちかまえている。饅頭、プリン、アイス…なんだ、やっぱり甘いものばっかりじゃないかとガッカリするなかれ。時の鐘にほど近い中華料理店「大八勝山」にそのメニューはある。それがこちら「紫いも餃子」だ。
紫いもを練り込んだ大きなギョーザ、その皮はエキゾチックな紫色。かぶりつくと、なかには野菜をたっぷり使った餡の中に、ほくほくのさつまいも(紅東)がひょっこり顔をのぞかせる。こっちは紫ではなく黄色い芋。味は意外にあっさり系だが、ラーメンと一緒に食べるとちょうどいい。
ギョーザを食べればビールが恋しい。いものビールはないのだろうか。ご安心あれ、さつまいもタウン川越にはちゃんといもビールもある。
川越産の金時さつまいもを原料に使った長期熟成ラガー「COEDOビール 紅赤」だ。グラスにそそぐと赤みがかった琥珀色。さつまいもを使うため、酒税法の区分では「発泡酒」になるが、味わいはしっかりビール。香ばしい甘みがうまい。
さつまいもを女子ご用達にしてしまうのはもったいない。これを食べれば、さつまいも観が変わること間違いなし。男は黙ってギョーザとビール、秋の味覚・さつまいもはギョーザにインで味わおうではないか。
(日本の旅ライター 吉野りり花)
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