検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

西=三角のいなり寿司、ばら寿司好き 東=俵のいなり

あのお寿司(4)

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

高知の恒石さんから「高知を代表する寿司はサバの姿寿司」であるというメールをいただいた。海岸部、山間部を問わず冠婚葬祭の皿鉢料理には欠かせないのだそうである。寿司飯には柚酢を使うが、徳島に比べて酸味が強い。そして各家の主婦はできるだけ大きなサバを求め、詰められるだけの寿司飯を詰めて大きさを競い合ったという。

それと高知県赤岡町の「にっちゅう」は「日中」と書く。「和風(?)のスープに中華麺が入っているからこのように名付けられたようです」とある。食べ物の名前としては極めて珍しい。

さて本題。今回は短い。あっというまに終わる。

ご意見 私の両親はともに1945年久留米生まれ、さらにはともに明善高校出身なので、野瀬さんの「久留米ネタ」は毎週我が家の話題になっております。
 で、今週は母に「運動会に寿司を持っていったか、および足袋を履いたか?」を尋ねたところ、「秋の運動会といえばカマス寿司であり、家から裸足で出場した」との答え。屋外行事に魚の寿司は危ない気もしますが、久留米では一般的だったのでしょうか? あ、もちろん普通の巻き寿司やいなり寿司もあったそうです。
 ところで、私自身は名古屋生まれ名古屋育ちなのですが、確かにこちらではいなり・ちらし寿司にあまりこだわりがないように思います。食べないことはないんですけどね。
 理由は不明ですが、勝手な推理をすれば「味噌煮込みうどんにもカレーうどんにも、白いご飯が一番合う」からではないかと。「みそにことめし(味噌煮込みうどんとご飯)」はホント美味しいです(さっきの匿名希望さん)

毎週我が家の話題にしていただいてありがたいことです。ばってん、ちょっと恥ずかしか。

で、カマス寿司です。昔、博多辺りから筑後の方にカマスが運ばれるルートがあったそうです。その終点が久留米。というか久留米辺りでカマスがへたりそうになるので、おっといけないと酢で締めてカマスの姿寿司にしたという話をお年寄りにうかがいました。今でも久留米の魚屋さんの店頭でカマス寿司を見かけます。

和歌山ラーメンがサバの早寿司とコンビなので久留米ラーメンはカマス寿司とコンビを組ませ、高菜は本当は熊本なので久留米古来の漬物「やましお菜」を採用すべきだと提案しているのですが、誰も耳を傾けてくれません。悔しかー。

ご意見 そーたい、うちも子供んころはそーだったたい。寿司ていえば巻き寿司といなり寿司だったたい、ということを思い出しました。いなり寿司は三角。具はシイタケやニンジンや紅ショウガやなんか。
 ただ「いなり寿司」と言っていたかははっきりしません。「おいなりさん」と言っていたような気もします。でも、これは女子供語だったような…。つまり父は「おいなりさん」とは言っていなかったと思います。(熊本出身の姫路の月さん)

そうそう、寿司といえばいなりと巻き寿司の時代が確かにあったのです。そしてリレーの選手は足袋または裸足なのです。

和歌山からメール。

ご意見 和歌山には「じゃこ寿司」というのがあります。「寿司」というのは、少なくとも「寿司飯」の上に何かがのっていたり、「寿司飯」が何かに巻かれているものと思ってましたが、初めて食べた「じゃこ寿司」は、ただの白いご飯に甘辛く煮た小魚(「じゃこ」)がのったものでした。ご飯はニギリのように横長の長方体の形状をしています。「柿の葉寿司」と同じような形で柿の葉に巻かれてないのを想像してください。
 と思ったら、ホームページに「柿の葉に巻かれたじゃこ寿司」を見つけました。こっちが伝統的な「寿司」なのかも知れません。で、よそ者としてはにぎり寿司の格好をしたおにぎりと、どこが違うのだろうかと思った次第です(和歌山県在住あきたけんじんさん)

寿司飯ではなく普通の白いご飯なら、名前がどうであろうとおにぎりです。寿司ではありません。

あれあれ、フィジーからも発作的なメール。

ご意見 ばらちらし・ばら寿司ですが、岡山では通称祭り寿司と呼ばれ、庶民ではばら寿司と言ってます。明日から行ってくれといわれ、突然の出張でなにも持たずに来たので日本の食べ物が恋しいこのごろです。1カ月が過ぎました(Fijiからですさん)

岡山の祭り寿司は駅弁の定番です。でもあれはのっかり型で大阪のばら寿司のように混ぜ混ぜ型ではありません。同じ呼び方でも土地によって中身が違いますので注意したいものです。

フィジーに明日から行ってくれって言われたんですか。すごいですね。

「いなり寿司」は「おいなりさんであって寿司ではない」と主張するデスクに反論する機会が思いの外早くやってきた。

ご意見 我が石川県での子供時代、秋祭りといえば「柿の葉寿し」と「いなり寿司」でした。我が家は「S太郎」愛好家庭でしたが、親類の家は自分で調合していて、でもなんか酢が強い味で、持ってきてくれるけど全然うれしくなかったり……。
 石川といえばキオスクなどに必ずある「芝寿し」の「笹寿し」です。横浜に住む今も、なんと「横浜そごう」に売られているのをたまに買います!!(あ~明日買いに行こーかなー)でも関東は押し寿し劣勢で悲しい。あと、その「芝寿し」にはちゃんと「いなり寿司」あったもんね~!(ヒルビリーさん)

ねっ、いなり寿司ですよね。

デスクいいわけ 芝寿司って石川県のお寿司やさんですよね。先々週も申しましたように、あくまで「東京」ということで。

さらに決定的な証拠。

ご意見 東京の下町、浅草の北にある清川という町でいなり寿司の専門店を見つけました。看板にも堂々と「稲荷寿し」と書いてあります。この店のおばあさんに聞くと、創業したのは60年以上前で、そのときから「稲荷寿し」という名前で売っていたとのこと。
 見るからにおいしそうだったので、一人前を買って帰り家で食べたのですが、しっとりとしてひとつひとつが大きく、ちょっと濃いめの甘辛い味がとてもおいしくて、すぐに平らげてしまいました……。その後、調べてみたのですが、東京の下町には数多くのいなり寿司の専門店があるようです。東京出身の方で「おいなりさん」としか呼ばないという方々がいらっしゃいましたが、それは単に味噌汁のことを「おみおつけ」と呼ぶようなもので、家庭内で丁寧に呼んでいるだけではないでしょうか。
 また、いなり寿司を寿司とは認めないと言う方がいるのも、東京の場合、いなり寿司や巻き物は和菓子の店でも売っているからではないでしょうか。和菓子の店で太巻きやいなり寿司を一緒に扱うのは東京周辺だけで、ほかの地域では見られないような気がします。
 私自身も福岡から東京に出てきたとき、和菓子の店のショーケースにいなり寿司が鎮座しているのを見てびっくりしたことがあります。ですから、同じものであっても、
● 寿司屋で売っている = いなり寿司
● 和菓子屋で売っている = いなり
という暗黙の区別があるのかもしれません(みんみん♂さん)

どうだ、参ったか。和菓子屋さん系いなり寿司は東京の食の方言の可能性があります。気がつきませんでした。みなさんも注意して店頭をご覧になってください。

デスクふむふむ 和菓子屋さん系は「いなり寿司」じゃなくて「いなり」でしょ! 言葉じりはさておき、稲荷寿司専門店というのは新発見です。行ってみたいですね。

勝ち誇っている野瀬さんに対抗するつもりはないのですが、みんみん(♂)さんのご指摘の通り、東京の「おいなりさん」はお寿司屋さんではなく、専門店や甘味処で売られているのが一般的と言うことですよね(冷静に)。「いなり寿司」と呼ぶかどうかはさておき、少なくとも一般に言うお寿司屋さんのメニューとは異質の食べ物であるということは確かなようです。ちなみに、東京以外のお寿司やさんでは「稲荷寿司」は定番メニューなのでしょうか?

出前をしない比較的高級な店にはない。出前をする店にはある…かな?

ところで大阪ではなぜ「ばら寿司」と呼ぶのか。こんなご意見が届いた。

ご意見 大阪寿司は押し寿司ですよね。押していないからばら寿司って言うんじゃないでしょうか? 子供のころ、そんな風に理解していたような記憶があります。五目寿司を桶に入れて押してあるのはばら寿司とは言わない!?(関東在住30年の浪速っ子さん)

これは当たっているかもしれません。押さずにばらしてあるからばら寿司。なるほどねえ。

麺関係。

ご意見 先日、会社の社員食堂で「あんかけ皿うどん」なるメニューがでていました。ん、と思ってのぞき込むと、白くて太い普通のうどんに野菜と肉を炒めてとろみを付けたアンがのっていました。
 あーあ、やっちゃたよ。と思いつつ、私は別のメニューを食べたのでした……。ゴールデンウイークは高知に行ってきます。柚酢を使う塩味のお寿司、食べるつもりです。サバの姿寿司、ばら寿司(私はちらし寿司と呼びますけど)、楽しみだー。(沼津のチャリンコさん)

このあんかけ皿うどんは、私が過去に紹介した名古屋のあんかけうどんシリーズと同じものです。栄のビルで出食わした専門店にはこのような各種あんがかかったうどんメニューがたくさんありました。「あーあ、やっちゃたよ」と名古屋で言ってはいけません。あんかけスパ以来、ずっとやっちゃっているのです。

それとこのサイトに登場した食べ物を実際に食べ歩いていらっしゃる読者も大勢おられるようです。うれしい限りです。

それでは米国の韓国レストランで働いている日本の「あのお寿司」に似た物件。写真付きでどうぞ。

ご意見 「五目刺身飯(Hwe Dubap)」です。これを注文すると、大きなボールに入った刺身入りのサラダに、ご飯とコチュジャンベースのソースがどーんとテーブルにやってきます。サラダにはサニーレタス(韓国レストランでは定番)、カイワレ、タマネギ、リンゴ、赤ピーマン、緑ピーマン、海苔、そして、マグロ、タイ、タコの刺身ととびこが入っています。食するときは刺身サラダにご飯を入れ、ソースと一緒に混ぜ混ぜして食べます。このソースには若干の酸味があり、リンゴの味とあいまってこのメニューを寿司の一種に仲間入りさせています。店員さんに聞いたところ、これは伝統的な韓国料理ではなく和食との融合によって生まれたもののようですが、韓国でも一般的に食べられているとか(ミシガンの松本さん)

英国在住のゴンタさんからも「先日、面白半分で隣街の日本料理屋さんをのぞいて見ました。勇気とお金がないので入りはしませんでしたが、入口のメニューに"chirashi(-zushi) -- assorted raw fish and vegetables over rice"とちらし寿司の説明がありました。ここイギリスでは(海外ほとんど)『ちらし派』でこの説明からすると『のっけ型』のようです」というメールをいただいている。海外勢は野菜がポイントのようである。

VOTE結果が出た。

まず「あのお寿司」の好き度分布。「よく食べる」と「たまに食べる」の合計が100%になったのは鳥取、香川、徳島。香川はうどんの友?

逆に「よく食べる」がゼロだったところが3県ある。秋田、山形、新潟である。雪深い土地では人気がない。わかるような気もするが、たまには食べてくださいよ。

「いなり」をお寿司と認めるか。「認める」が100%だったのは宮崎、大分、沖縄、佐賀、滋賀、島根、鳥取、富山、山形、山口。山形を除くとすべて西日本である。福岡がなぜ100%ではないのかという個人的な疑問が残るが、一応「認める」が95%なので無用な騒ぎは起こさないことにする。

「認めない」が20%を超えたのは青森、栃木、秋田、山梨、東京、埼玉、宮城、千葉、神奈川、岩手。見事に東日本勢ばかりである。神奈川と岩手は「認めない」が40%超になっている。東京の場合は4人に1人が「認めない」と回答しているものの、あくまで少数派よ、デスクさん。でもどうして認めないの? 認めて。

デスク感涙 いやいや、私の暴論に4人に1人という高率で賛同者がいらっしゃったことに感銘を受けております。とくに東京というか首都圏4県、自分も東京祖先の千葉県人ですから、「認めない」が高率だったことにますます意を強くしました。「認めない」にVOTEしてくれた皆さんのためにも、私は断じて「おいなりさん」を「寿司」とは呼びません!!

その「いなり」の形。「三角形」が100%だった地域は宮崎、沖縄、徳島、鳥取の西日本勢4県。

「四角形」が100%なのが青森、北海道、岩手、新潟、栃木、山梨。東日本勢で独占されている。

「あのお寿司」にしろ「三角のいなり」にしろ、最初は西日本型の食べ物という意識がなかった。私自身が内なる「食の方言」として「あのお寿司」も「三角のいなり」も大大大好きだから、日本人はみんなそうだと無意識に考えていたところがある。そういえば、西では大阪の「かやくご飯」、愛媛の「醤油飯」、福岡や佐賀の「かしわ飯」のように炊き込みご飯が強いが、東では各種「おこわ」が勢力を張っている。やっぱりご飯ものでもこんなに違うのか。いやいや大変勉強になった。

来週のテーマは「ミルクセーキとプリンアラモード」。私の子供のころは黄金の喫茶店コンビだったが、最近はあまり見かけなくなった。特にミルクセーキは絶滅危惧種に属するであろう。

生存情報を中心に日本地図を作りたい。

(特別編集委員 野瀬泰申)

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_