検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

大好き、大嫌い? 東西日本の納豆好き嫌いが鮮明に

納豆(4)

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

私は納豆というテーマに皆さんがこんなに興味を持っておられるとは思っていなかった。VOTEの数が急増した。過去最高である。

手元にあるのは地図になる前の数字だけが並んだデータなので目がチカチカする。でもこうやって眺めていると、日本人て納豆が好きなんだなあ。すべての都道府県で「大好き」と「まあ好き」を合わせた「好き」派が半数を超えているのである。中でも大分県と秋田県は「大好き」と「まあ好き」の合計が100%。つまりVOTEをした人の全員が「好き」派だった。秋田県はわかる気がするが九州の大分が名前を連ねているのは意外だった。

では「大好き」の比率が高かった上位10県を紹介しよう(単位は%)。

宮城77 宮崎75 山形67 新潟67 鳥取67 大分67 埼玉64 福島64 長野63 青森61

逆に「大嫌い」が多かった県は、

福井35 徳島25 滋賀21 佐賀17 愛媛・石川15 高知14 鹿児島13 京都11 和歌山・兵庫10

想像した通り関西勢が顔をそろえている。ちなみに「納豆は食べ物と思っていない」というメールがきた大阪の数字だけはいきがかり上、全部紹介する(小数点以下四捨五入)。大好き37 まあ好き34 どちらでもない9 嫌いな方7 大嫌い7 食べたことがない6であった。

「納豆を食べるくらいなら死んでやる」というメールを送ってくださった方がお住まいの奈良県も全データ開示。大好き48 まあ好き30 どちらでもない4 嫌いな方4 大嫌い13 食べたことがない0 

特にコメントはしない。怖いから。

「大嫌い」が「大好き」を上回ったか同数になった県がみっつある。徳島大好き8対大嫌い25。福井大好き12対大嫌い35。高知大好き14対大嫌い14。この西日本の3県こそが納豆嫌い県のトップ3である。

「大好き」が50%以下だった府県は28あるが、そのうち東日本に属するのは岩手、群馬、山梨、静岡の4県だけで、あとはすべて西日本。ということは「大好き」50%超の道県は東日本勢中心ということになる。

今回のVOTEでは、納豆が普及した現在では昔ほど鮮明ではなくなっているかもしれないが、いまだに「東日本には納豆好きの人が多く、納豆嫌いな人は西日本に多い」という傾向は残っているようだ。

ご意見 地域偏差の問題が話題になっているようですね。納豆がもともと「季節商品」だったことと関係していないでしょうか。納豆が季節商品だったのは二次発酵の問題とも関係しています。暖かい地方では納豆を作っても二次発酵でアンモニアが濃くなります。この問題を解決してくれたのが冷蔵庫の普及。これで納豆の地域偏差は急速に解消していったように思います(いちぜん会さん)
ご意見 京都生まれのダンナはいまだかつて納豆を食べたことがない。「足の裏のにおいがする」(そらアンタの足の裏やろ~)、「腐ってるねんで~」と言います。(もちろん鮒寿司も食べられません)。だから、結婚当初は買ったことがありませんでした。ところが、滋賀県産の2人の娘たちは、学校の給食で食べてきたので、ご飯に納豆をかけて食べられるんです(うずらさん)

確かに地域偏差がなくなってきた背景に冷蔵庫の普及ということがあるのかもしれませんが、たくさんのメールを読んでいて気がついたことがあります。学校給食です。従来、納豆が好まれていなかった地域でも健康や栄養の観点から給食に納豆が出るようになると納豆アレルギーを持たない世代が育ち、その次の世代は納豆人間になるというようなことが起きている、あるいはこれから起きるのではないかと思います。

うちの子どもの給食メニューにはメインが和であろうと洋であろうと中華であろうと必ず牛乳が出ます。ちらし寿司に牛乳、牛丼に牛乳、中華麺に牛乳というような食事の風景です。

別にいいではないかと言われれば、別にいいんですけど、よその子が寿司屋で「あがり」が運ばれてきたとき「牛乳はないんですか」と聞いている場面に出くわし「給食じゃないぞ」と心の中でつぶやいたことを思い出しました。健康も栄養も大切ですが、同時に食事のスタイルや様式も簡単に捨ててはいけないような気がします。

正直に言うと私は納豆の好き嫌いが平準化することに危惧(きぐ)を抱いています。日本全国納豆好きになる必要はないのではないでしょうか。

大好き地帯と大嫌い地帯があってこそ文化の多様性が生まれるのであって、味噌煮込みうどんやあんかけスパや鉄板ナポリタンや台湾ラーメンや小倉サンドや納豆コーヒーゼリーサンドがない名古屋なんて嫌いだー。自分が好きでない食べ物に対して「気持ち悪い」とか「おかしい」というような拒絶の態度さえとらなければいいのです。

「そちらはそうなの? こっちはこう」と心安らかに受け止めればいいのではないかと思っています。言葉の方言と同様に食の方言も消えてほしくありません。

ご意見 秋田―山形―福島が納豆銀座だったとは。うちの女房は山形生まれなので確かに思い当たるフシがあります。納豆の食い方のバリエーションがやたら多いことです。例えば山形には青菜(せいさい)という高菜に似た漬物がありますが、通常その芯の部分を食い、葉っぱの部分は細かく刻んで納豆と混ぜて食べます。また大根おろしとも混ぜます。正月にこれにつきたての餅を入れて食ったときは、かつて東北に独自の文化が栄えていたという学説は信ずるに値するとさえ思いました。(中略)思い起こせば女房のこの納豆を混ぜているときの幸せそうな顔にひかれ結婚を決意してしまったような記憶もあります。ただしその後すぐに、納豆に卵を入れる私(浜松出身)は「そんな食べ方をするやつは人間じゃない!」とののしられ(理由不明)、この結婚は間違いであったことに簡単に気づくのですが(本名で送られきたメールですが、独断で掲載しません。できません)

本題に戻ろう。「納豆に砂糖」はどうか。

10%以上の人が「入れる」と答えた県は新潟26 北海道22 山形17 沖縄17 秋田13 宮城10。トップは予想した秋田ではなく新潟だった。寒いところばかりの中に、熱い沖縄がひょいと顔を出している。これはどんな理由によるものだろうか。なにか特別な食べ方があるのだろうか。

納豆に砂糖を入れるのは甘みを加えるのではなく糸がよく引くようにするためだ、というメールを前回紹介した。こんなメールも届いた。

ご意見  山形県の祖父の家では納豆に塩を入れて食べていました。それまでは全力でかきまぜ、できるだけ糸を引かせてから醤油で味を付け食べるのが当たり前と思っていたのですが、塩を入れてかきまぜ始めたときの驚きは今でも忘れません。箸が折れそうなくらい大量の糸が何の苦もなくできるのでした(札幌の土門さん)

やはり砂糖や塩は糸引き力を高める作用があるみたいですね。それにしても「箸が折れるくらいの大量の糸」というのは凄い。まるで冬の水あめですね。

もし甘い塩辛いの味覚の問題でなかったら納豆に砂糖や塩を入れる地域は「大量糸引き納豆が好きな地域」ということになって、それはそれでとても面白い。

ここでデスク乱入 皆さんのメールは、いつもホントに面白い。でも、いつも教えてもらうだけでは面目ないかも――。ということで、やってみました。大実験「納豆は砂糖で粘るのか」。

◇ ◇ ◇

被験者:某有名メーカー製の「小粒」を使用。1パック約45グラム入り。付属のタレは、砂糖、植物性たん白加水分解物、食塩、しょうゆ、などなど色々入り。

実験の手順:(1)軽くほぐす。(2)砂糖ないし塩を各小さじ1杯投入する。タレだけのものには何も加えない。(3)右に30回かき混ぜる。(4)タレを投入する。(5)右に20回かき混ぜる。(6)はしで持ち上げる。

写真を見れば、説明はいらないような気もしますが、砂糖を入れた時の粘りはすごい!かき回すたびに、全体がはしと一緒に回ってしまう感じです。糸を引くという生やさしいものでなく「固まりになった」と言いたいほど。時間がたっても、しっかり粘ります。

塩を入れた時も、明らかに粘りが増します。でも、その「粘着度」は砂糖に遠く及びません。粘りの本体が、砂糖より細かい気泡を含む形になるので、見た目が白くなります。でも、砂糖よりはサラサラです。

で、食べてみました、砂糖入り。普通の納豆は口に入れると粘りがとけて豆が残りますが、砂糖の助けを借りた粘りからは「とけるものか」という気概を感じますね。何か別の固体を口に入れたかのようです。

味は…、案外いけます。ごはんに合うかどうかは別にして。加える水分の量を普通の納豆と一緒にするため、今回はタレを入れましたが、実際はしょうゆを少し加えるだけでもいいでしょう。砂糖を入れると「納豆のにおいが、いつまでも口の中に残る」というおまけもついてきます。

◇ ◇ ◇

野瀬感想 す、すっげー!

このメールの発想の斬新さにはびっくりした。

ご意見  私が幼いころ、昔話かなんかで知った知識ですが、納豆を世に広めたのは卑弥呼であるという説がおぼろげに記憶にあるのです。邪馬台国は近畿説と九州説のふたつがありますが、今現在このふたつの地域は納豆があまり食べられていない。ということは、邪馬台国は別のところにあったのでなかろうかと思うのです。納豆をよく食べている地域に邪馬台国があったのではないかと……(お名前ありません)

邪馬台国が出てくるとは思ってもみませんでした。卑弥呼の時代に近畿や九州でどのくらい納豆が食べられていたかのデータがないので、私にはわかりません。

沖縄関連。福島県のテレジアさんはGWを沖縄の伊良部島で過ごした。そして「念願の名物菓子パン、まるそうの『うずまきサンド』を口にすることができ」たのだった。

宮古島で平良市の製パン会社の「うずまきパン」、沖縄本島では3社から出ている「うず巻き」や「うず巻きサンド」などという似たパンをスーパーで見つけて買って食べた。でも私は「うずまきサンド」を知らない。どんなパンなのだろう。

「ふんわりした甘めのパン生地で、グラニュー糖のジャリジャリした食感のあるバタークリームを渦巻き状に巻いてありまして、とってもおいしい」ものだそうだ。

ご意見  私は沖縄で生まれ育ち、去年こちらに来ましたが、私の家のすきやきはそんなにへんなものではなかったですよ。目玉焼きなんてのってません! 具は牛肉、しらたき、春菊、白菜などでした。沖縄出身ではない配偶者に私が「すきやきである」と信じているものを出したら、ちゃんと「すきやきだ!」と喜んでくれましたよ。目玉焼きのせはごく一部の人が個人の嗜好でやっているものではないでしょうか(お名前出していいかどうかわかりません)

その通りかもしれません。手元にある「琉球料理」という本にはすきやきはでてきませんので、今度沖縄料理の専門家にきいてみます。

九州の焼き鳥についてのメールも届いた。

まず、佐賀県生まれで現在米国勤務の方からのメール。

ご意見  以前、東京にいたころ、焼き鳥屋に入り違和感を感じました。それは「豚バラ」がないということです。おそらく九州から出張などで上京し初めて焼き鳥屋に行かれたほとんどの方は、オーダーした焼酎のお湯割りに梅干しが入って出てくるのに疑問を覚えるとともに、豚バラがないことに気づき、直後に「ばってん、焼き鳥屋に豚があるとは、九州がおかしいっちゃろか」と自問自答することになると思うのですが、いかがでしょうか(サガ・ケンさん)

九州はおかしなかと。東京でん、豚のモツしかなかとに「焼きとん」ち言わんで「焼き鳥」ち言いいよる店がいっぱいあるとよ。おあいこたい。焼酎のお湯割りに自動的に梅干しが入るとはむしろ良心的な店たい。普通は別に梅干しば頼まんと入ってこんよ。そん梅干しが高かと。1個100円ちゅう店もあっとよ。「お湯割り」ちなんとなし言よるばってん、大阪じゃあ「湯割り」ち言うと。「東京はお湯割りですが」ち言うたら「ほんなら東京のお人はウイスキーのお水割り言わはるんですか。えらい丁寧なこっちゃな」と笑われたと。うなだれたと。

ご意見 焼き鳥に関してですが、私の住んでいる宮崎では「焼き鳥=地鶏もも焼き」です。串に刺さった鶏肉のイメージは恐らくないものと思います。真っ黒に仕上がる地鶏には、串のこぎれいな感じはないです。同じ九州の久留米が焼き鳥天国とは知りませんでした。九州は「鶏天国なのでしょうか」(香@宮崎さん)

私は新聞の連載の一環で宮崎の焼き鳥の取材をしたことがあります。そうです。炭火で豪快に焼くもも肉でした。焼けた部分をかじり、中の生焼けの部分だけになるとまた焼いてもらって食べました。

「小」を頼んだのですが食べきれないほどでした。

キュウリがついてきましたね。店の人は「宮崎の人間はこのもも焼きとキュウリだけで宴会ができる」と笑っていました。

焼酎の抹茶割りというほんとうにうまい飲み方があるのを知ったのも宮崎でした。もう7、8年も前の話ですが、当時博多ラーメンだとか串に刺す焼き鳥がぼつぼつ進出し始めている印象を受けましたが、まだ宮崎のもも焼きが健在であると知って安心しました。

九州は鶏王国かもしれません。

確か大分県中津市は鶏の空揚げ天国、大分市は鳥てん(鶏のてんぷら)王国、宮崎市はもも焼きに加えてチキン南蛮天国です。

瀬戸内海に目を転じれば「せんざんき」および鉄板焼き鳥天国の今治市があり、丸亀・高松市周辺には「骨付き鳥」が存在します。

対岸の広島市は砂ずり(肝)メニューが豊富な街。九州東岸を縦軸、瀬戸内海を横軸にすると左に倒れたT字が浮かんできませんか? 私は「瀬戸内は鶏肉の海であり鶏肉のT字回廊である」という説を打ち立てのですが、誰も相手にしてくれませんでした。

そろそろ、そうめんが恋しい季節になってきた。そうめんネタを1発。

ご意見  そうめんは何で食べますか? (中略)ここ浜松では酢味噌人口がとても多い。それも田舎(どこまでが田舎だかは不明ですが)の方に多いのです。夏バテした体に酢はいいといいますが、実際とてもおいしく感じられて、私も3日間昼ご飯に食べ続けました(瀬下さん)

このメール、嵐を呼ぶかも。

前回、名古屋の斬新な人気サンドのリポートを紹介したら、震源地の日野さんからは「ぜひ食べに来い」というメールは届くは、三林京子さんはHPで「野瀬ー、名古屋に行けー」と言うわで、ほんとに困っている。行くべきか行かざるべきか、ハムサンドのようなオムレットのような気分になっているのである。

花びら占いで決めよっと。

次回からのテーマは「あなたが『肉』という場合は、ふつうどんな肉を指すか」と「あなたは『天かす』というか『揚げ玉』というか」である。

(特別編集委員 野瀬泰申)

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_