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甘い赤飯、かき氷のぜんざい…全国各地の甘いもの

焼き飯vsチャーハン(4)

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NIKKEI STYLE

詳細版地図が完成した(「関連情報」からアクセス)。全体の傾向については前回触れたので、個々の都道府県の結果を知りたい方は地図をいじくりまわしてほしい。お気づきと思うが、福井と鳥取は真っ白け。

今、私はメールの束を繰っている。なるほど、焼き飯チャーハン問題への関心は去り、別のテーマに焦点が散っているようだ。中でも、ホットコーラと「日本の甘味処」への言及が目立つ。

ご意見 天然のコーラは黄色いのです。あの黒いコーラは成分表示がないのですが、何でできているのですか? 本当は黄色い物をなぜ黒くしてあるのか? 謎が多いです……マッカーサーの陰謀とも、戦後の七不思議とも言われているそうで……調査してみてください(女優の三林京子さん)

ご自分のHPのコラム「ああ書けば、こう食う」から飛び出しての投稿です。暫くお目にかかっていませんが、お元気そうですね。作曲家F村徹さんと一緒にメシ食ってから会ってないんでしたっけ? S社のK村さんのが最後? どっちにしろお芝居の準備で忙しそうです。お暇ができたら神田の立ち飲みにでも行きましょう。というような個人的な話をしている場合ではないのです。黄色いコーラです。

最近ちょくちょく話題になっていますね、黄色いコーラ。ペルーの国民的飲み物「インカコーラ(INCA KOLA)」が有名です。

COLAではなくKOLAと表記するのが特徴。南米商品専門商社「リーデル」のHPには「ペルーのインカコーラ(Lindley社)誕生は1935年と歴史があり、ペルーの人々になくてはならない飲み物になっています。しかし近年このインカコーラもコカコーラ社に買収されてしまいました。それから、色、形がインカコーラそっくりの別ブランドのコーラが市場には出てきました」と書かれています。これもマッカーサーの陰謀でしょうか。

現在日本でも手に入る「インカコーラ」は「アメリカ・ニューヨークでエキスを輸入し『ゴールデンコーラ』の名称で製造され日本に輸出されている。味は本場ペルーのインカコーラに比べ炭酸が強く甘さがおさえられている」そうです。確か上野の「アメ横」の輸入食材専門店で缶入りのゴールデンコーラを見かけた記憶があります。

といいうわけで、三林さんの「あの黒いコーラは何でできているのか」という質問にも、「調査してください」というご要望にも答えていない。だってわかんないんだもん、なのである。聞いても教えてくんないだもん、なのである。No Reason.

ご意見ホットコーラがカゼに効果があるのか是非調べて頂きたく思います(札幌の古家さん)

調べ方がわかりません。どうしましょう。そうだ、このコラムを読んでいる人でいま風邪をひいている方はホットコーラを試してください。これからひく予定の方も試してください。それから家族の誰か、知り合いの誰かが風邪をひいている方は、その人に試すよう勧めてください。その結果を報告してください。本当に効いたら、このコラムから香港式カゼ治療法を広めましょう。とりあえずこんなところでどうでしょう、古家さん。

ご意見 そうですか、野瀬さんは昭和26年生まれですか。アカと聞くと共産主義者やら信号機の色やら、身体から出る細胞老廃物の垢やらではなく「銅線」を思い浮かべる世代ですね。よく拾いましたよね、たくましく(立川の鈴木さん)

勝手に決めつけないでください。何を根拠に私が「アカといえば銅線を連想する」なんて言うんですか。まるで、私が銅線が落ちていないか道端をきょろきょろ眺め回しながらほっつき歩いていたみたいじゃないですか。

はい、やってました。

でも、どうして知ってるんですか? 不思議だなあ。なんでわかっちゃったのかなあ。

でも、それより馬てい形の磁石にひもを結んで地べたをずって歩いた記憶の方が鮮明です。道に落ちている釘とかその他の鉄製品を集めて、回収業者に持ち込むとあめ玉1個くらいは買えましたね。若い人には何のことだかわからないでしょう。

「戦災孤児?」とか思われるかもしれませんが、昭和30年代の初めくらいまで、路上の金属製品回収っていうかリサイクルっていうか、そういうのは子供のささやかな小遣いかせぎだったのです。中でも「銅」はその色からアカと呼ばれ、高収入を約束するものだったのです。

食べ物と何の関係もない話になってしまった。鈴木さんのメールは延々と続きます。高校2年のころ、浜松郊外に突如としてできた喫茶店に、ちょっとアンニュイなウエイトレスがいて、何だか胸がときめいて(おやじギャグでは「ドキがムネムネして」と表現される)……という話が青春小説風に書かれているのです。で、結論はその喫茶店では「ホットコーラを『アラスカ』と呼んでいた」ということなのです。

だったら「昔浜松郊外の喫茶店で『アラスカ』という名前のホットコーラを飲んだことがある」とだけ書いたらいいじゃないですか。1行で済むでしょ? どうして「アカ拾い」から入るんですか。細かーい字で65行も書くもんだから、答えるほうもついつい長くなってしまったじゃないですか。

ご意見 妻は名古屋出身。小倉トーストは我が家の朝食の定番。小倉に飽きたときには、シュガートースト! トーストした食パンにマーガリンをぬり、スティックシュガーをパラパラではなく1本全部かけて食べる。子供の好物となってしまいました。聞いた話ですが、名古屋には小倉スパゲッティがあるとか?(前回も登場の桶川の小林さん)

名古屋周辺の喫茶店では小倉トーストと並んで「シナモン」も定番のようです。メニューに頻出しておりました。シナモンの粉末に砂糖を混ぜたものですか? これをマーガリンをぬったトーストに振りかけて食べるのです。正確に言うと私はそうやって食べている人を何度も見掛けました。

モーニングサービスと言えば知多半島のある街の喫茶店に入ったときのこと。ホテルで朝食を済ましていたのでモーニングサービスを断り、コーヒーだけを注文しました。なのにコーヒーにゆで卵が付いてきました。ということはゆで卵は砂糖やミルクと同様にコーヒーを頼むともれなく付いてくるものらしいのです。モーニングサービスの一部ですらない。私のほかにもモーニングサービスを断っている人がいたのですが、彼らはゆで卵をどうしたか。ある人は上着のポケットに、またある人はバッグの中にゆで卵を潜ませて店を出ていったのです。勤め先やなんかで小腹がすいたときに食べるんでしょうね。

小倉スパゲッティはチョコレートパフェがのったパスタとともに雑誌やテレビで紹介されていました。でもこれも前回紹介した「みそ汁フロート」と同じく冗談メニューです。本気で食べる人はいない……と信じたい。

「偏食アカデミー」時代に随分名古屋系物件を取り上げましたが、単に面白がったのではなく、私を突き動かしたのは独自の食の方言を守り抜く名古屋という風土への畏敬以外の何物でもありませんでした。本当です。まあ、ちょっとは面白がったところはありましたが。

例えば、モーニングサービスの取材をしたときに大須の喫茶店でみた「パスタライス」とか。ケチャップのみ具なしの真っ赤っかパスタにライス付き。朝からこれ食うの? 栄養偏ってない? などと余計な心配をしながら眺めたことがあります。あと、マヨネーズがかかった鉄火丼にも引いてしまいましたね。でも、名古屋ではなくとも「ちょっと待ってくれメニュー」は驚くほど多いので、別に名古屋がヘンというわけではありません。

ご意見 聞くところによるとホッカイドー風赤飯の発祥はラジオ番組だそうです。私が生まれるはるか前、確か昭和20年代後半だったと思いますが、TBS系列のローカル局で、前回書いたようなレシピ(食紅で炊いたもち米に甘納豆をぶちまける)の赤飯というのを開発・紹介した人がいて、それが伝播し現在に至っていると記憶しています。保証の限りではありませんが(デフレ系盛り上がりの旗手、久保さん)
ご意見 沖縄では「ぜんざい」とは、小豆ではなくちょっと色の薄い豆の煮たものの上にかき氷をのせたもののことを言います。豆はアメリカ統治だったときに放出品として手に入ったものを使ったらしいですよ(沖縄の風 マーさん)
ご意見 けっこう茨城県にはおもしろい味覚があります。まず麦茶に砂糖をいれます。友達の家で飲ませてもらったときにはびっくりしました。でもおいしかった(奈良の高木さん)
ご意見 お赤飯の甘納豆で思い出しました。実家では納豆を食べるとき、砂糖とお醤油をかけます(MIYATAさん)

昭和20年代後半に生まれた私はこう思います。当時の北海道は小豆の産地ではあったが、まだ占領下にあり小豆が簡単には手に入らなかった。でも加工品の甘納豆は多少買うことができた。そこで「甘納豆赤飯ならできるぞー」という人がいてラジオで放送され、広がっていった。戦時中、代用食の作り方が大々的に宣伝されたのに似ているようです。

もし、この説が正しいなら、物資不足時代の簡便料理法が郷土料理にまで育ってしまった数少ない例に数えることができるでしょう。

その意味では沖縄ぜんざいも同様の歴史的位置づけになります。韓国に「部隊(プデッ)チゲ」というのがあります。米軍基地近くの食堂から始まったもので、米軍放出のソーセージやなんかの缶詰めを使った鍋物です(NHKの塩田さん、この説明であってます?)。食べ物の歴史は一面、戦争とつながっています。なぜなら軍隊の移動とともに食文化も伝播するからです。GHQ占領下の日本に米国の食文化がなだれ込んできた一事をみても明らかです。おっと、真面目な話になってしまいました。柄ではありませんね。

今回、カツ丼についての調査依頼が何件か届いている。福井の食べ物のすばらしさを書いたものもある。でも、ちょっと時間がほしい。いろいろと予定があって大変世戦争(昔、週刊誌にこんなタイトルの連載漫画があった……ような気がする)。

さて、次回である。みなさんの予感どおり「日本の甘味処」調査を決行する。

私はこの連載をするまで北海道式赤飯なんて全然知らなかったし、甘い茶わん蒸しの存在も想像のほかであった。九州に生まれ東京以東に住んだことのない西日本型人間の悲しい定めであろうか。作曲家F村徹さんからは「野瀬ちゃんは弥生人。(栃木うまれの)おれは縄文人」と半ば新参者扱いされるのも無理はない。でもそんな昔のこと言われてもなあと思いつつ、東日本型食文化を身をもって体験していないのも事実である。

VOTEのやり方をどうしようかと考えている。赤飯と茶わん蒸しに絞るか、それとももっと広げるか。

では、これから某バーに行くので失礼する。多分、ある歌手とカラオケをやることになるだろう。自慢ではないが私は昔ウィーン不良少年合唱団に所属していたので小節がきかない。なにを歌っても50男のボーイソプラノになる。たまに家で歌ったりすると家族全員が「トリハダトリハダ」などとわけのわからない言葉を発しながら部屋の中を走り回るのである。でも、「トリハダ」ってなんだろう。ひょっとして「鳥肌」のこと?

(特別編集委員 野瀬泰申)

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

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