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その昔、寒さで凍りかけたミカンを温めて食べていた

焼きミカン(3)

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NIKKEI STYLE

少しこげめがついた焼きミカン。皮をむくと実もこげていた…。この焼きミカンは甘いのか、それとも香ばしいのか

野瀬がいなくなった。「出張します。後は頼む」のメモとプリントアウトしたメールの束を残して。出張といっても、京都で某落語家と密会し、その足で福井まで作曲家のF村徹氏のステージ「演歌巡礼」について行ったことぐらい、調べはついている。きっと今ごろは越前ガニを肴に酩酊しているに違いない。オトウサン、終点ですよ。

しかしながら、数年前に小紙日曜版で「食べ物 新日本奇行」の前身ともいえるヘンなコラム「偏食アカデミー」を連載した時、「ノセ隊長」の下で「ヨシダ隊員」として執筆した縁もあって、代打を引き受けた(実はちょっとうれしい)。どうぞよろしく。

野瀬あてに多くのメールをいただいている。

「ソースでてんぷら論議、調査結果ほんとーに笑いました。真面目な記事なのでしょうが、だからよけいに笑えたのです。続けてくださいね、このコーナー」(浜松市在住のMartinさん)といった激励文もある。野瀬は幸せ者である。私もガード下の立ち飲み屋で野瀬と一杯やると、つい「アメリカンドッグとフレンチドッグの違いは何か。アメリカンの中身はウインナーで、フレンチは魚肉ソーセージではないか」などと新日本奇行ダマシイを爆発させてしまうタイプなので、シミジミとうらやましい。

さて、本題の「焼きミカン」に関するメールをご紹介しよう。

ご意見 父が福岡県出身で、私の幼少のころは福岡でも犬小屋に雪が積もり、雪だるまなどを作って遊んだものです。当時、土間から取ってきたミカンはとても冷たく、凍るようで、ばあちゃんが火鉢の灰に埋め、炭火で熱くなったミカンを食べさせてくれました(岡山在住の三宅さん)

49歳の男性なので、40年以上前の話ですね。私は今年で不惑で、幼少時は長崎、福岡、熊本で育ち、小学生から高校生までは神奈川で過ごしましたが、やはり子供のころは雪もよく降ったし、寒かった気がします。

「昔は寒かった」「ミカンが冷たかった」「火で温めた」は焼きミカンの一つの典型的なパターンかもしれません。

ご意見 リンゴは凍ると食べられませんが、ミカンは凍りついてもとかして食べられる。北国や山国でミカンを凍らせて流通、保存し、囲炉裏やストーブ、火鉢でとかしたのが起源ではないかと東北、北海道に住んで感じました。北海道北部の町の何でも屋では、ミカンは零下20度以下でも店の外に放置していて、それを我々はストーブにのせてとかして食べました。子供のころは名古屋でも台所でミカンが凍りつき、火鉢でとかして食べた記憶もあります。とかすことが自然に焼くことでした。(台湾在住の匿名希望さん)

名古屋、東北、北海道、そして台湾とずいぶん引っ越しされたのですね。凍らせたミカンをとかすために焼いたというのは、北国の事情がよく分かります。匿名希望さんの年齢は分かりませんが、やはり「子供のころは寒かった」が出てきますね。確かに台所は凍えるように寒い場所でした。

石油ストーブは茶の間にしかなく、そこでは常にお湯を沸かしていて、芋やスルメなど何でも焼いて食べたという光景が懐かしく思い出されます(ミカンは焼かなかったけど)。今の我が家の台所は、LDKと名を変え、エアコンでホッカホカ。置いてあるミカンも生ぬるい。これではミカンを焼こうという風流心もわいてきません。

ご意見 昔、よくやっていました。ミカンを食べようと部屋の外まで取りにいってみると冷た過ぎておいしくない。そこでストーブの上において温めようとしたところ、忘れて焼きミカンになってしまった。しかし、食べてみると少しなかなかいけるのでやみつきになった。しかし、今はストーブはなく、その味が懐かしく思います。(sinさん)

どちらにお住まいかは分かりませんが、私と同世代、40歳の男性。きっかけはやはり「ミカンが冷たかった」、そして「ストーブ」。やみつきになる味って、どんな味なんでしょうか。冷たいミカンといえば、夏は「冷凍ミカン」が定番だけど、あれもおいしいですよね。暑いときに冷えたものを食べるからおいしく感じるだけなのかなあ。

ご意見和歌山市出身ですが、焼きミカンは子供のころ、よく食べました。「甘くないミカン(酸味の多いもの)を焼くと甘くなる」と母や祖母が言っていたと記憶しております。(東京在住の稲垣さん)

冷たいから仕方なく焼いて温めるのではなく、甘味が増しておいしくなるから焼くのだという積極的な焼きミカン理論が出ました。そういえば、昔のミカンは酸っぱかった。今のミカンはどれも甘い。個人的には、あの酸っぱいミカンも好きでしたけどね。

野瀬は郷土料理としての焼きミカンが見つかるといいなと言っていたけれど、今のところメールではそうした報告はない。ただ、北国だけでなく、関西、九州などからも焼きミカン体験が寄せられているのが目を引く。「昔は」という条件付きなら、焼きミカンは全国区だったのだろうか。

三林京子さんが「ああ書けば、こう食う」で、「黒焼きの謎」と題して焼きミカンの話を書いている。ベトナムの民間療法のようだが、外国の焼きミカン事情となるとまだまだ奥が深そう。民間療法、宗教行事としては次のようなメールをいただいた。

ご意見 香川県出身です。「某県の神社」とは香川県の白鳥神社のことでしょう。とんど焼きの時に皮のまま棒に突き刺して焼いて食べると風邪を引かないと聞いたことがあります。私自身は食べたことがありません。おいしいのでしょうか。(takasさん)

ビタミンC補給のための古くからの知恵なのでしょう。前々回に野瀬が言及したのは別の神社らしいのですが、白鳥神社にも「おみかん焼」があるんですね。私も食べたことがないので、おいしいのかどうかはさっぱり分かりません。むしろ「あったかい果物」というのは、かなり苦手かも。例えば、酢豚に入っているパイナップルとか、ハンバーグの上にのっているパイナップルの輪切りとか。パイナップルそのものは好きですけどね。

VOTEの集計結果は次回発表する。今回はもう少しメールを紹介しよう。

ご意見 私の母は長崎出身ですが、ミカンの皮をむき、房を一つ一つにしてストーブで焼いていました。今はファンヒーターなのでやっていません。父の親戚が韓国で温州ミカンの栽培をやっていますが、4、5年前の冬に行った時は、焼きミカンは食べていませんでした。5、6年前、千葉に住んでいるとき、バヤリースオレンジを温めて飲むのがはやりました。私はいまいちでしたが(冷えていれば大好きです)、周りの人は「焼きミカンぽい」と言っていたのを覚えています。(栃木在住の吉川さん)

私も長崎出身ですが、皮をむいてミカンを焼くというのは知りませんでした。韓国など他の国ではどうなんでしょうか。ホットでオレンジジュースですか。私は遠慮しておきます。その「焼きミカンぽい」と表現した方は、千葉で焼きミカン体験をされたのでしょうかね。

東京の田中さんから、ご提案のメールをいただいた。企画のテーマがマニア向け過ぎるので、「全国の人が共通に関心を持てるテーマ」を設定した方がよろしいとのこと。おっしゃる通り、焼きミカンなどはまさにマニアックですね。

ただ、食文化に関しては既に多くの著書が出ているので、「新日本奇行」はそうした本とできるだけダブらないテーマでスタートしてみたわけでして。とはいえ、今後はもっとメジャーなモンダイにも挑戦していきたいと、野瀬も申しておりました。

久留米の「岩橋」さんからは野瀬あてに超ローカルなメールが……。

野瀬に確認したところ、「私は金丸小、諏訪中、明善高で、確かに『岩橋』さんと同じ小中学校の卒業です」とのことでした。奈良の明渡さんからは雑煮に関するメールもいただいた。サブテーマの「雑煮のもち」に関しては、次回、野瀬がまとめてくれるでしょう。

野瀬 久留米出身の「岩橋」さん。花畑は私が育ったところです。同名の八百屋さんは親戚ではありません(久留米ローカルなやり取りですいまっしぇん)。

チャンポン問題に関するご意見も引き続きよろしくどうぞ。そういえば、先日、東京の繁華街でチャンポンを食べたら、ラーメンの麺だった。まずくはなかったが、長崎出身者として「ちがーう」と心で叫んだ。隣に座った客は、そのチャンポンに紅ショウガを入れて食べていた。とほほ。

さてさて、このあたりで失礼します。

(文化部編集委員 吉田俊宏)

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

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