くらし&ハウス

暮らしの知恵

やっぱり「結婚」 震災で強まる絆志向

2011/5/19

 非常時に最も頼りになって、安心感を与えてくれるのはやっぱり一緒に暮らすパートナー――。東日本大震災はシングルの結婚観にも影響を与えたようだ。震災後、結婚に踏み切ったり、結婚相手を真剣に探し始めた女性が増えている。一方で、非常時だからこそ見えた交際相手の姿に失望して別れを選ぶ人も。シングルが絆を求めて動き始めた。

震災を機に家族の絆を求め始めたカップルも(東京都内)

 3月11日、地震発生直後の都内にある金融機関のオフィス。周囲の同僚が恋人や家族に安否確認の電話をかけ続けるなか、H美さん(32)は鳴らない自分の携帯電話を見つめていた。結局、異性からの連絡は震災3日後に届いた昔の恋人からのメールだけだった。

 恋人と別れて4年。30歳を境に合コンの誘いはパタリとやんだ。「最近、いい話ある?」と聞いてくる友人とはついつい疎遠になりがち。週末は「一日中パジャマのまま過ごせる」生活を楽しんでいた。

 しかし、遠距離恋愛をしていた親友が震災後に結婚を決めたことがダメ押しした。「このままでは取り残される」という思いが強まり、以前知り合った男性と会ってみることにした。人づてにH美さんのことを心配していると聞いたからだ。「前に会った時は印象に残らなかったけど、私のことを気遣ってくれる人が身近にいるということが何よりもうれしい」とH美さんは感じている。

 結婚情報サービスのオーネット(東京都品川区)によると、入会資料の請求件数が4月は前年比約1割増、5月は約3割増で推移しているという。特に「関東地方の伸びが突出している」(同社)。

 ワタベウェディングではスタジオで撮影する結婚写真サービスの4月の売り上げが前年より2割増えた。結婚式は「ジミ婚」にしたとしても、ちゃんと写真を撮って2人の思い出を刻んでおきたいというカップルが増えている。

 シングル生活を謳歌していた男女にとって、震災はモラトリアムに踏ん切りをつけるきっかけにもなったようだ。

くらし&ハウス