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保険の新常識

保険は“99%が外れる宝くじ” 保険コンサルタント 後田亨

2011/7/22

 「保険は、当たりたくない『宝くじ』や競馬の『馬券』のようなもの、宝くじや馬券を買い込んで『きっと当たるから、何があっても安心』とする人がいたら問題でしょう?」

 セミナー等で、こんな発言をするとお客様には「わかりやすい!」と言ってもらえます。その代わり(?)同業者には嫌われます。

 しかし、私はウケ狙いの発言をしているのではありません。保険の契約に絡む様々な思いをいったん横に置いて、虚心にお金の流れを見ると、やはり宝くじや競馬に似ていると思わずにいられないのです。

 それは、端的に言うと「賭けに負ける人たち」が支える仕組みです。

 たとえば、30歳の男性が毎月1300円強の料金を支払うことで、向こう10年間、万が一の際に1000万円の保障を確保できる保険があります。契約から1カ月後に、お客様がお亡くなりになると、ご遺族にはお客様が負担した料金の7600倍を超えるお金が届けられます。

 預貯金にはできないことです。株式投資ではあり得るかもしれませんが、1000万円が1300円になる可能性と背中合わせです。保険の存在価値を感じます。とはいえ、保険にこんなことができるのは、保険金を受け取らない加入者が多数を占めているからです。まさに、宝くじの賞金が、くじにはずれる大多数の人のお金から出ているのと同じだと感じます。

 厚生労働省が公表している「第20回生命表」によると、30歳の男性が40歳までに亡くなる確率は1%です。健康状態が問われる保険加入者の場合、死亡率は1%未満でしょう。

 ということは、30歳の男性がこの保険に加入することは「99%以上の確率ではずれるクジ」を買う行為だとも言えます。そういう仕組みだからこそ、月々1300円が、ある日突然、1000万円になったりするのです。

 仮に100%当たるクジが発売されるとしたら、賞金の額に胴元の取り分が上乗せされるので、賞金額を超える価格設定になるはずです。利用する価値はないでしょう。

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