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お豆さん・天神さん…関西人はなぜ「さん」付けが好き?

2013/1/19

 「お豆さん」「お日さん」「おはようさん」。関西では食べ物や自然、果てはあいさつまで幅広く、まるで人を呼ぶかのように「さん」を付けて丁寧に呼ぶ。温かみのあるやさしい言葉だが、どんな歴史や背景があるのだろうか。
パンフレットや商品名も、親しみを感じる「さん」付けで表記

 関西に限らず全国のスーパーでよく見かけるパック入り総菜「おまめさん」。神戸市に本社を置くフジッコが1976年に発売した人気商品だ。広報担当者によると、当初は関西限定の商品だったという。「広く親しまれるよう『さん』を付けました。関西弁という認識です」

 関西では神仏や社寺も「さん」付け。「神さん」「仏さん」「住吉(すみよ)っさん(住吉大社)」「天神さん(各地の天満宮)」と、フレンドリーな呼び方だ。

古い文献では「えびすさま」としていたが…(西宮市内の酒造会社が販売する純米酒)

 毎年1月に催される「十日えびす」が約100万人の参拝客でにぎわう西宮神社(兵庫県西宮市)。祭っているのは福の神「えべっさん(えびす大神)」だ。同神社文化課の田辺竹雄さん(62)に聞くと「古い文献は『えびすさま』と記しています。いつからさん付けで呼ばれるようになったかは分かりません」とのこと。「神様は別世界の存在ではなく、自分たちの先祖につながる近しい存在という意識の表れでは」と話す。

◇            ◇

 関西弁を研究する北海道大学の山下好孝教授(56、日本語教育学)に聞くと「『御所ことば』を基に上方の女性らが新しい丁寧語を創ったのが始まり、との説が有力」と教えてくれた。

 御所ことばとは宮中や公家に仕えた女官や侍女(女房)らが用いた言葉。「女房ことば」ともいう。「お○○」という丁寧語も、御所ことばが由来とされる。出入りの商人らが「宮中ではこんな言葉を使う」と話題にし、市中に広まったようだ。

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