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進まぬ女性登用、男性の「思い込み」が影響

シカゴ大学教授・山口一男氏

Wの未来 会社が変わる

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NIKKEI STYLE

安倍晋三首相は成長戦略に女性の活躍推進を掲げた。だが日本企業は管理職・役員に占める女性比率が先進諸国と比べて極めて低い。なぜなのか。米国を拠点に女性活躍推進やダイバーシティー(人材の多様性)経営を研究する山口一男・シカゴ大学教授に聞いた。

――日本企業の女性管理職比率(2011年度雇用均等基本調査)は部長4.5%、課長5.5%。働く女性が増えたというものの、幹部層に女性が少ないです。

「経済協力開発機構(OECD)諸国の中で最下層レベルです。従業員数が100人を超えるとさらに低い。主な理由は多くの企業が総合職・一般職の区別などコース制を用いて最初から多くの女性を管理職候補から外していることと、育児などを契機に女性が仕事の将来性に見切りをつけて離職するからです」

――企業調査などをみると、女性の登用が進まない理由として「昇進・昇格への意欲が乏しい」「難しい課題を出すと敬遠されやすい」「出産などで辞めてしまう」など女性の意識の問題がまず上がってきます。

「そう嘆く男性経営者や管理職の声をよく聞きます。確かにそんな女性もいると思いますが、男性でも出世意欲が乏しかったり、難題を敬遠したりする人は同様にいるはずです。むしろ日本企業における深刻な問題は男性側のこうした思い込みが女性の意識に影響し、負のスパイラルを起こしていることです」

「女性は『どうせ辞める』『意欲に乏しい』と考える上司は責任ある仕事を男性に任せます。すると難題に挑んだ経験を通じて男性部下は伸びますが、女性は成長の機会を逸します。こんなことが繰り返されるとチャンスをもらえない女性は仕事への意欲を失い、多くが辞めていきます。それを見て男性上司は『ほら、やっぱり女性はダメだ』と自分の思い込みをさらに確信し、ますます女性に機会を与えなくなります」

「自分自身の行動から生じた結果なのに、あたかも自然に起きたと錯覚してしまうのです。こうした現象は『予言の自己成就』と知られ、社会の中でよく起きています。男女雇用機会均等法の施行から日本企業は四半世紀も女性の活躍推進に取り組んできました。なのに女性の登用が遅々として進まないのは男性経営者・管理職が『予言の自己成就』に陥っているからです」

――女性役員・管理職の登用目標を掲げる企業も出ています。はじめに目標ありきの登用は男性に対する差別ではありませんか。

「企業関係者から『女性を登用して生産性は上がるのか』とよく聞かれます。これは全くの愚問です。人口の半分は女性で、潜在的な生産性に男女差などありえません。すると現状は女性を活用しないことで約半数のポジションで相対的に生産性の低い男性を女性の代わりに用いていることになります。そのポジションに有能な女性が就けば今より生産性が上がるのは自明のことです」

――どうすれば状況を変えられますか。

「経営トップのコミットメントが必要です。長年根付いた企業風土や男性の意識を変えるのは簡単ではありません。性別によらず人材活用するという断固たる意思をトップが社員に示し実行しなければなりません。こうした話を経営者にすると、『分かっているけど難しいんだよね』という答えが返ってきます。しかし、日本で最も活用されていない資源が女性人材で、だからこそ日本企業は競争力向上の大きな可能性がそこにあるのです」

「高度成長期は成功モデルが見えていました。製造業などでは欧米の成功事例に技術的に追い付き、安価で製造できるように工夫すれば業績が伸びました。こうした状況では社員の多様性はさほど重要ではありません。結束力を高め、適切な方向に人材を集中すれば利益を生み出しました。でも今はどんな技術革新や商品・サービスが成功するのか分かりません。将来が予測できない状況では柔軟な適応力が企業の競争力維持に欠かせません。役員が男性ばかりといった同質的な集団から柔軟な発想は生まれません。多様な消費者のニーズや市場への対応を経営に反映するには女性をはじめ様々な知識・経験を持つ人の力が必要なのです」

(聞き手は編集委員 石塚由紀夫)

 山口一男氏(やまぐち・かずお) 1971年東京大卒。総理府勤務を経て、81年に米シカゴ大学で社会学博士号取得。91年シカゴ大学教授。2003年から経済産業研究所客員研究員。編著に「論争 日本のワーク・ライフ・バランス」(日本経済新聞出版社)など。

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