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女性だけの問題でない 多様性認める働き方の実現 早稲田大学大学院教授・川本裕子氏 Wの未来 会社が変わる

2013/6/29

 終身雇用が大前提だった日本の企業社会で、軽やかにキャリアアップやキャリアチェンジを図る女性が目立つ。銀行員から留学を経て経営コンサルタントとなり、再び銀行で取締役に就く川本裕子・早稲田大学大学院教授に働く女性と企業の関係を聞いた。

早稲田大学大学院教授、川本裕子氏

 ――三菱UFJフィナンシャル・グループの前身である東京銀行に新卒で入行しましたが、今回取締役に就任した経緯は。

 「先進国の中で、大きな銀行に女性の取締役がいないのは日本だけという指摘があります。自分が所属していた組織が保守的だと言われ続けて残念に思っていました。今回依頼をいただき光栄に感じましたし、改革に協力したいと思いました」

 ――英国留学後、米経営コンサルティング会社「マッキンゼー・アンド・カンパニー」に転職しましたが、外資系企業を選んだ決め手は。

 「業務内容が面白そうというのは当然ありますが、やはり日本の職場、日本の環境、英国での経験を通じて、自分の力が生かされると感じたからです。外国の企業は多様性への許容度が全く違います。マッキンゼーのようなグローバル企業では、性別だけでなく民族、宗教などいろいろな多様性を前提に組織が運営されています」

 ――実際、マッキンゼーで働く中でも日本企業との違いは感じましたか。

 「日本の女性たちが経験したという女性の扱いについての大変さを味わうことはなかったように思います。もちろんクライアントの中には『女性のチームはダメだ』という方もいましたが、『一番専門性が高い人物ですから』とクライアントを説得するような会社でした。もちろん誰でも同じ基盤で評価される厳しさはありますが、その苦労の方が気持ちは良いですよね」

 「それが2002年に道路公団の民営化委員になった時に『女性委員』と言われて、すごくビックリしました。『金融の専門』とは言われても『女性コンサルタント』とは言われたことがなかったからです。中身の議論を女性がするというのが珍しいともよく言われ、これもびっくりしました」

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