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恋はなくても平気 増える女性の「恋愛離れ」

 

2013/8/30

 シングル女子の「彼ナシ率」が上がる一方、なかなか恋に夢中になれない…という人も増えています。その背景にはいったいなにがあるのか? 働く女性の恋愛「低温化」の理由について専門家の意見を聞きました。

■自分から恋愛を遠ざけている可能性も?

 「周りに好きになれる男性がいない」「年齢を重ねるにつれ、恋に消極的になってしまった」…。様々な理由で恋愛から遠ざかっている低体温恋愛女子も少なくない。月刊誌「日経W

 シングル女子の「彼ナシ率」が上がる一方、なかなか恋に夢中になれない…という人も増えています。その背景にはいったいなにがあるのか? 働く女性の恋愛「低温化」の理由について専門家の意見を聞きました。

■自分から恋愛を遠ざけている可能性も?

 「周りに好きになれる男性がいない」「年齢を重ねるにつれ、恋に消極的になってしまった」…。様々な理由で恋愛から遠ざかっている低体温恋愛女子も少なくない。月刊誌「日経WOMAN」が実施した読者アンケートによると、「あなたの恋愛観は?」という質問に対し、「恋愛がなくてもやっていける」を選んだ人が3割を超えた。

 その理由を、マーケティングライターの牛窪恵さんは、「恋愛で傷つくのはしんどいと思うあまり、異性とも距離を置いたり、深くコミュニケーションをとることを避けたりしてしまう人が増えている」と分析する。

 また、「働く女性は、仕事や人間関係で強いストレスを感じていることも多い。恋愛よりも、心身を休めたり、自分を癒やしたりすることのほうが大切になっている人も少なくない」と社会学者の山田昌弘さん。

 「でも、本当に恋愛したくないと考えている女性は少数派では?」と指摘するのは精神科医の名越康文さん。「感情や欲求を無意識に抑え、結婚につながる合理的な出会いだけを求めるあまり、気持ちを大切にする恋から遠ざかっている女性も少なくない気がします」

 以下では、専門家3人による働き女子の恋愛離れに関する見解を紹介。パートナーがいる人もいない人も、自分の恋愛観を見つめ直すヒントにしてみてはどうだろうか。

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恋愛は趣味同然… 「あってもなくてもOK」層が増加

中央大学文学部教授 山田昌弘さん

 20年ほど前は、恋愛の延長線上に結婚があり、収入や生活レベルの高い男性との結婚によって、女性は「生まれ変わり」や「上昇」を経験できました。しかし、今は、それをかなえられる男性を望むのは難しい時代になっています。冷静に損得を考えると、男性にときめくメリットも感じなくなっているのです。

 そうなると、恋愛はあってもなくてもいい「趣味」のような存在。ときめく恋愛と結婚とはもはや別物。男性を見てドキドキしたいなら、バーチャルでも十分満足できる。そこで気が済んでしまう人もいます。

 また現代の女性が仕事に力を注ぐなか、結婚には、癒やしや安定感を求めるようになりました。多少地味でも優しく尽くしてくれる男性のほうがいい。自分を理解し、安心感を与えてくれる男性を必要としているのです。

 専門は家族社会学。「パラサイト・シングル」「格差社会」「婚活」などの言葉を世に浸透させたことでも知られる。『絶食系男子となでしこ姫』(共著、東洋経済新報社)、『婚活症候群』(共著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数

恋愛リスクを減らすため情報収集&分析で即断即決

マーケティングライター 牛窪恵さん

 恋愛スリープモードの女子が増えていると感じています。出産年齢などを意識して結婚を真剣に考えるまでは、恋愛スイッチをオフにしているのです。仕事は生きるために必要ですが、恋愛は、傷ついたり、翻弄(ほんろう)されたりするなどのリスクを考えると、避けて過ごしたほうがラク、と考える人も少なくありません。最近は恋に積極的な男性も減っていますから、さらに縁遠くなりがちなのです。

 また、気になる男性の情報もSNSなどで得られるため、それを見て“圏外か圏内か”を即断する傾向にあります。デジタル社会のなかで、情報の収集方法と処理の仕方も変わってきました。必要な情報だけを集めて、要・不要を即断し、必要のないものは視野に入れない。男性との関係も、感情が動く前に冷静にフィルターにかけ、理想に合わない部分があると、候補から外す傾向が見られます。これではなかなか恋に発展しません。

 1968年生まれ。大学卒業後、大手出版社勤務ののち独立。01年にマーケティング会社「インフィニティ」を設立。『女の決めどき』(大和書房)ほか著書多数。近著は『アラフォー独女あるある!図鑑』(扶桑社)

 

社会環境に適応するため、欲求を抑えて恋愛を合理化

精神科医 名越康文さん

 「恋愛・結婚・出産・子育て」をセットにしてタスクと捉え、合理的に達成したいという傾向が顕著になっているようですね。心を揺さぶられる恋愛よりも、タスクを優先してしまう。

 でも、これは決して自分たちが主体的に選んでいる生き方ではない。本当に恋愛したくないという人は少数派です。多くの女性が長く働くようになるなど、様々な社会的環境に適応し、無意識的に欲求や欲望を抑えた結果、感情よりもタスクを優先せざるを得なくなってしまったのだと思います。特に女性は、愛情やプライドを持って仕事をしている人が多い。仕事にエネルギーの95%を使った結果、残りの5%で恋愛をするとしたら、合理的にやっていくしかない。

 ただ、その場合、心のなかには、満たされない欲求が残ってしまう可能性がある。それが、将来どんな形で表に出てくるのか…まだ僕にも分かりません。

 1960年生まれ。専門は思春期精神医学、精神療法。精神科医の視点から、テレビ、雑誌、映画・音楽評論など幅広く活躍。相愛大学、京都精華大学客員教授。『自分を支える心の技法』(医学書院)、『質問です。』(飛鳥新社)など著書多数。

(日経ウーマン 福島哉香)

[日経WOMAN2013年9月号の記事を基に再構成]

[参考]日経WOMAN2013年9月号「働く女性の『正しい恋愛』大研究」特集では、働く女性のリアル恋愛事情、恋愛マインドを磨く11の習慣、既婚読者が語る結婚につながる恋愛&男性選びのリアル、「『「女性は愛されるほうが幸せ」説を検証、などを掲載している。

日経 WOMAN (ウーマン) 2013年9月号 [雑誌]


発行:日経BP社
価格:550円(税込み)

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