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上がりやすく下がりにくい 「血糖値」のヒミツ

働きもののカラダの仕組み 北村昌陽

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NIKKEI STYLE

 ダイエットをするときは、まず甘いものを減らそう。そんなふうに考える人も多いでしょう。確かに糖分の摂りすぎは問題。でも逆に、摂らなさ過ぎるのも、問題なのです。大切なのはバランス。だから体は、血糖値のバランスをとるために、日夜働いています。

あなたの周りに、こんな人はいないだろうか。お腹が空いてくる時間帯に大事な会議があるようなとき、「さあ血糖値を上げておこう」なんていいながら、甘いものを口に入れる人。

今回のテーマは「血糖値」。血液中のブドウ糖濃度だ。血糖値は糖分を摂ると上がり、お腹が空くと下がる。だから下がったときに甘いものを補うのは、理屈としては合っている。

でも実際は、健康な人が普通の生活をしていれば、補わなければいけないほど血糖値が下がることは、まずないという。「体は、血糖値を厳密にコントロールしています。上がったときには下げる作用、下がったときには上げる作用が働くので、極端な変動はしません」。千葉大学大学院医学研究院教授の三木隆司さんはこう話す。ただ、現代人の生活の中には、微細な調節メカニズムを惑わせる厄介な状況もあるという。そのあたりを聞いてみよう。

血糖値を上げるホルモンは5種類もある

まず下の図1、図2から。血糖値を下げるホルモンは1つしかないのに対して、上げるホルモンは5種類もある。ずいぶんアンバランスに見えますが? 「体にとって、血糖値が下がってしまうのは生命の危機。それだけは避けたいから、備えも厳重なのです」

体の中で、ブドウ糖を最も必要とする臓器は、脳。ほかの器官はエネルギー源として脂肪も利用できるが、脳は基本的にブドウ糖に依存している。脳の働きを保つには、血糖値を下げないことが非常に大事なのだ。

一方、血糖値が高くなっても、いきなり命が危なくなることはない。それで下げる側はインスリンだけで十分、というわけ。

「ただ現代では、下げるしくみの脆弱さが問題になるのです」

人体は、長い進化の中で作られた。その間、常に食料不足にさらされてきたため、空腹(=血糖値低下)をしのぐしくみは厳重だが、「食べ過ぎ」対策は手薄だという。

現代の飽食の生活は、その手薄な部分にフル稼働を強いる。そうやって膵臓(すいぞう)のインスリン分泌能が疲れ果て、破綻すると、行き着く先は糖尿病だ。「特に、血糖値を急激に上げる清涼飲料水などが問題です」

健康な人でも、ブドウ糖入り清涼飲料水を一気に飲むと、尿に糖分が漏れてくるといった糖尿病的な症状が現れることがあるという。「インスリン作用が追いつかないほど急激に血糖値が上がるのでしょう。そんな積み重ねが体をむしばんでいくことは、十分にあり得ます」(図3)。

なるほど。それなら、最近話題の「低糖質ダイエット」はどうだろう。食事中の糖分を制限してやせるという、人気のダイエット法だ。これならインスリン分泌の負担が少なくていいように思えるけれど?

下げすぎるのも問題「低糖質ダイエット」

「"甘いものの食べ過ぎに注意する"というレベルならいいでしょう。でも、極端な制限をするのは、やはり問題なのです」

糖分をほとんど含まない食事を続けると、5重の防御システムも力及ばず、やがて常に血糖値が低い状態になる。このとき脳は"非常食"として、ケトン体という脂肪分解物を栄養源として使い始める。飢餓をなんとか生き延びるための最終手段だ。低糖質ダイエットブームの影響で、実際にそんな状態の人がいると三木さんはいう。「そういう栄養状態が健康的とはいえないでしょう。現時点で、安全性の保証はありません」

つまりこういうことだ。体は、血糖値を一定の範囲におさめようと努力している。その範囲を逸脱させるような生活は、血糖値を上げるにせよ下げるにせよ、どこかアンバランスで問題を起こす可能性が高い、と。

やはり何事もバランスが肝心。平凡だけど、これが王道なのです。

北村昌陽(きたむら・まさひ)
 生命科学ジャーナリスト。医療専門誌や健康情報誌の編集部に計17年在籍したのち独立。主に生命科学と医療・健康に関わる分野で取材・執筆活動を続けている。著書『カラダの声をきく健康学』(岩波書店)。

[日経ヘルス2012年11月号の記事を基に再構成]

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