AKB48 2011年最も注目された活動&メンバーは?
日経エンタテインメント!
2011年、エンタ界の話題の中心にいたAKB48。CDはミリオンヒットを連発、ゴールデンタイムに冠番組が始まるなどテレビでも引っ張りだこ、CMでは大島優子が18社に起用され女性タレントNo.1(ニホンモニター調べ)など、その勢いはとどまる気配がない。最近は派生ユニットやメンバーのソロ活動も活発化。活躍の範囲は広がるばかりだ。
では、見る側はAKB48のどこに関心を持っているのか。彼女たちの活動を報じた2011年のスポーツ紙の記事から、大きな話題となったトピックスと、注目されたメンバーのランキングを作成してみた。
注目度No.1は「選抜総選挙」
下表はAKB48に関連し、大きく報じられた活動のトップ30。2011年1月1日から、11月4日までにスポーツ紙5紙に書かれた記事で、文中に「AKB48」の文字が登場するのは2345件。さらに、関連グループやユニットに関する記事もピックアップし、同じトピックスを報じた記事の「文字数」を合計して、ランキング化している。
◆AKB48関連トピックス 記事サイズランキングTOP10
1位になったのは「第3回選抜総選挙」。2011年3月末に開催を発表。投票スタートや速報結果をはさみながら、6月9日の開票まで約2カ月半も紙面をにぎわす国民的なイベントとなった。開票翌日は、前田敦子の1位返り咲き、柏木由紀のトップ3入りなどを各紙が大きく報じている。
2位は、9月に開催された「第2回じゃんけん大会」。トータルの文字数では及ばなかったものの、実はイベント翌日の記事に限れば、「総選挙」約5万字に対して、「じゃんけん大会」は約6万3000字とこれを上回る。篠田麻里子が優勝して初めてのセンターを勝ち取る一方、前田敦子が初の選抜落ち、大島、柏木ら総選挙を沸かせたメンバーも次々敗退と、予想がつかないからこそ、その結果への注目度が上がったようだ。
文字数を見ると、この2つの「選抜イベント」が3位以下のトピックスを大きく引き離す。メンバー同士を公然と競わせる、過去のアイドルグループではあり得なかったこのスタイルが、AKB48への関心を呼ぶ最大のポイントといえそうだ。
続く3位は、東日本大震災後のチャリティー活動に関する記事。震災発生の3日後には義援金プロジェクトを立ち上げ、5億円の寄付を決定した。さらに日本各地でのイベントに参加し、日本赤十字社の公式メッセンジャーとして募金を呼びかけ、支援活動は今も継続中。フレンチ・キスも3rdシングル収録曲の配信収益の一部を寄付するなど(16位)、グループ全体で取り組んだ。
2011年最大のサプライズだったのは、4位の「江口愛実」だろう。6月の総選挙直後、前田や大島を差し置き「アイスの実」CMでいきなりセンターを飾った第12.5期生の謎の美少女に、多くのファンは驚愕した。翌日にはCG疑惑が持ち上がり、1週間後には6人の顔のパーツを組み合わせたと公式発表されて話題は沈静化するも、7月の西武ドーム公演で"本人"が登場し、観客を沸かせた。
5位は初日に自己最高の94万枚を売り上げ、初週にシングル史上最高の133.4万枚を記録した5月発売の『Everyday、カチューシャ』。2011年に発売されたシングルはすべてミリオンヒットとなるなど、CDセールスはAKB48の勢いを象徴する。だが、『Everyday、カチューシャ』の後リリースされた『フライングゲット』『風は吹いている』は、初日の売り上げをさらに更新したものの、記事の扱いは縮小(26位、27位)。いまや、ミリオンヒットになったというだけでは驚かれない「高み」にAKB48は達しているといえそうだ。
◆AKB48関連トピックス 記事サイズランキング11~30位
6位以下を見ると、HKT48(7位)とNMB48誕生(8位)、Not yetシングル発売(12位)、「チーム4」初公演(17位)、公式ライバルの乃木坂46の出現(20位)など、2011年は相次いで登場した姉妹グループや派生ユニットへの注目度が高かったことが分かる。一方で、以前から活動している渡り廊下走り隊7(23位)や、SDN48(30位)などの記事は相対的に小さく、ノースリーブスやSKE48に至っては、トップ30に入る話題がなかった。今後も新たなグループの結成が続くのであれば、既存のユニットはいかにして存在感を示すのかが課題となりそうだ。
また、2011年はベトナムの音楽祭に出演(9位)、上海に公式ショップ開店(22位)、海外での初姉妹グループJKT48のスタート(28位)など、海外進出が本格化した年でもある。台湾を拠点とするTPE48結成なども予定しており、この流れは今後も続きそうだ。
個人別記事は前田敦子が首位
さらに、今回は各メンバーごとの記事数ランキングも作成した(右表参照)。
1位は総選挙で首位に返り咲いた前田敦子。映画『もしドラ』、ドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』で主演、さらにシングル『Flower』でソロデビューも果たした。
2位の大島優子は10月クールの"月9"ドラマで準主役を演じたほか、指原莉乃らとの4人組ユニットNot yetでデビュー。3位の篠田麻里子も1月期の月9ドラマや映画3本に出演。さらにNHKで冠番組がスタートしている。
トップ3が象徴するように、メンバーの記事件数ランキング=個人別の注目度は、おおむね選抜総選挙の順位に近い。そのなかで、新たな個人活動に乗り出した人ほど多くの記事を書かれている。
板野友美はファッションブランド「サマンサタバサ」のイメージキャラクターを務め、1月にはグループ初のソロデビューを飾ったことなどが報じられ、5位に。東京マラソンを完走、ダンスユニットDiVAとしてデビューした8位の秋元才加、1月にスタートしたNMB48のセンターを務める山本彩なども、総選挙の順位を超える結果となった。
逆に、関連トピックスのランキング同様、以前から活動する渡り廊下走り隊の渡辺麻友(10位)、SKE48の松井玲奈(14位)、松井珠理奈(16位)らは、記事数では総選挙の順位よりも下になった。
各メンバーごとの記事数ランキングの表にはAKB48劇場への出演回数も記載したが、総選挙上位メンバーなどは多忙でなかなか出演できないようだ。なかでも、篠田麻里子(5回)、小嶋陽菜(7回)、前田敦子(7回)の3人は1ケタにとどまっている。
(ライター 田口俊輔)
[日経エンタテイメント!2012年1月号の記事を基に再構成]
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