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パソコンの怪現象 よくある「困った」を解決

 

2013/1/2

 パソコンの使い勝手や見栄えなどが、いつの間にか変わったという「怪現象」に遭遇したことはないだろうか。パソコンの調子が悪いのか、それとも誰かのいたずらか――。その場は何となく解決したつもりになっていても、再発するかも知れず、心にもやもやは残ったまま。でも、不可思議に見える怪現象にも必ず理由はある。パソコンユーザーが遭遇することの多い怪現象を、「Windows編」と「インターネット編」に分けて解明す

 パソコンの使い勝手や見栄えなどが、いつの間にか変わったという「怪現象」に遭遇したことはないだろうか。パソコンの調子が悪いのか、それとも誰かのいたずらか――。その場は何となく解決したつもりになっていても、再発するかも知れず、心にもやもやは残ったまま。でも、不可思議に見える怪現象にも必ず理由はある。パソコンユーザーが遭遇することの多い怪現象を、「Windows編」と「インターネット編」に分けて解明する。

【Windows】 勝手な設定変更やウイルスの混入に注意

■事例1: 覚えのないソフトがいつの間にか入っている

  • 図1 知らずにインストールされる可能性があるソフトの例。WebブラウザーのChromeがインストールされて、通常使うブラウザーに設定されていることがある(左)。既にインストールされているInternet Explorer(IE)にアドオン(ツールバー)が追加されていることもある(右)
 覚えのないソフトが、勝手にインストールされているといった怪現象が後を絶たない。例えば最近では、Webブラウザーの「Chrome」が、いつの間にかインストールされたという事例がある(図1)。Internet Explorer(IE)など、既にインストールされているWebブラウザーに、覚えのないアドオン(ツールバー)がインストールされることもある。

 覚えのないソフトは、別のソフトにバンドル(同こん)されていた可能性がある。例えば「Adobe Reader」や「Flash Player」などをインストールすると、バンドルソフトとしてChromeやGoogleツールバーがインストールされることがあるのだ(図2)。

 Adobe Readerなどのダウンロードページでは、Chromeなどをインストールするかどうかを尋ねるチェックボックスに、あらかじめチェックが入っている。このため、ユーザーが自分でチェックを外さなければ、自動的にインストールされる。

 この例に限らず、「あるソフトをインストールしたら、知らないソフトもインストールされていた」といった場合には、そのソフトにバンドルされていたと考えられる。

 不要なソフトがインストールされてしまった場合には、慌てずにアンインストールすればよい。Windowsの「コントロールパネル」から簡単にアンインストールできる(図3)。インストールされたのがアドオンなら、Webブラウザーから一時的に無効にすることも可能だ。

  • 図2 Adobe Readerのダウンロード画面例。初期設定では、Chromeが通常使うWebブラウザーとしてインストールされるとともに、IE用Googleツールバーもインストールされる。チェックを外せば、インストールされない
  • 図3 Windows 7のアンインストール画面例。一般のソフトおよびアドオンは、Windowsの「コントロールパネル」→「プログラムのアンインストール」の画面からアンインストールできる(右)。IE 9のアドオン管理画面例。アドオンを一時的に無効にしたい場合には、「設定」ボタン→「アドオンの管理」で表示される画面で行う

■事例2: アダルト画像が表示されて消えない

  • 図4 デスクトップ上に表示される料金請求画面の例。右上の「×」ボタンを押して消しても、すぐに再度表示される。ボタンを押して消えない場合も多い
 ここ数年、国内で相次いでいるのが、デスクトップ画面に「謎の料金請求画面」が表示される怪現象だ(図4)。通常のウインドウ画面と同様に、右上には「×」の閉じるボタンがあるものの、押しても画面が消えない。消えた場合でも、すぐに復活するという厄介なものだ。

 しかも画面には、料金を請求する文章や、女性の裸の写真などが掲載されている。職場のパソコンや家族で利用しているパソコンでこのような事態になれば、怪現象とは別の意味でも「恐怖」だ。

  • 図5 動画などに見せかけてウイルスを配布しているWebサイトの例。だまされてウイルスを実行したために、図4のような請求画面が表示された可能性が高い
 料金請求画面が表示される原因はウイルスだ。パソコンがウイルスに感染したためにWindowsなどの設定が変更されて、料金請求画面が表示され続ける。請求画面を表示させるウイルスは、動画ファイルなどに見せかけて実行させようとする(図5)。動画を閲覧するつもりでウイルスファイルを開いてしまうと感染し、請求画面が表示されてしまう。

 ウイルスの一種なので、ウイルス対策ソフト(セキュリティソフト)で検出・駆除できる場合があるが、過信は禁物。新たなウイルスが次々と作成されているので、検出できないことが多い。

  • 図6 Windows 7が備える「システムの復元」の利用例。「すべてのプログラム」→「アクセス」→「システムツール」→「システムの復元」を選択(左)。画面の指示に従って操作し、料金請求画面が表示され始めた日時よりも前の状況(復元ポイント)を選択すれば(右)、料金請求画面が消える場合がある
 請求画面が表示されないようにするには、怪しいファイルを実行しないことが第一。提供元が明らかではないファイルは、決して開いてはいけない。万一、料金請求画面が表示された場合は、「システムの復元」を利用して対処する(図6)。請求画面が表示されるよりも前の時点にシステムの状態を戻せば、請求画面が消えることがある。

 ただし、いったんこのウイルスに感染すると必ず元に戻せるとは限らない。パソコンを初期化しなければならない場合もある。ウイルスに感染しないことが何よりも重要。情報処理推進機構(IPA)セキュリティセンター(http://www.ipa.go.jp/security/)に相談するのも手だ。

■事例3: いつもと違うソフトが勝手に起動してしまう

 画像ファイルや音楽ファイルなどがいつの間にか見慣れないアイコンになり、ダブルクリックしたらいつもと異なるソフトが起動した経験はないだろうか。その場合は、ファイルの「関連付け」の設定が変更された可能性が高い。

 関連付けとは、ファイルの種類(ファイルの拡張子)と、そのファイルを開くためのソフトを対応付ける機能のこと。ファイルをダブルクリックするだけで、関連付けられたソフトが自動的に起動し、そのファイルを読み込む。

  • 図7 ファイルの関連付けを変更する手順例。関連付けを変更したい形式のファイルを、どれでもよいので右クリックして「プロパティ」を選択。「全般」タブ→「変更」ボタンで表示される選択画面で、関連付けたいソフトを選んで「OK」ボタンを押す
 関連付けは簡単に変更でき、通常は、ソフトのセットアッププログラム(インストーラー)が自動的に設定する。あるソフトに関連付けられている拡張子であっても、同じ拡張子を扱う別のソフトをインストールすると、関連付けが変更されることがある。これが怪現象の正体だ。

 元の状態に戻したいのなら、関連付けを手動で変更すればよい。関連付けを変更したい拡張子のファイルを右クリックして表示される「プロパティ」から変更できる(図7)。

■事例4: 夜中にパソコンが突然動き出す

  • 図8  「タイムスケジューラ」の設定画面例。まずは、スタートメニューの「アクセサリ」→「システムツール」→「タイムスケジューラ」から「タイムスケジューラライブラリ」を選ぶ(右)。「トリガー」が夜中になっているタスクを選択し、ダブルクリックして「プロパティ」を表示させる。「条件」タブで「タスクを実行するためにスリープを解除する」のチェックが入っていたら外す(左)
 休止させたはずのパソコンの画面が、暗闇の中で怪しく光り出す――。原因は「タスクスケジューラ」だ。タスクスケジューラとは、決められたスケジュールに従って特定の処理(タスク)を実行するWindowsの機能。問題の現象は、ソフトのインストール時などに、自動的に設定されたスケジュールが原因だと考えられる。

 この怪現象の解決策は、設定を変更すること(図8)。スリープ状態のときには、タスクを実行しないようにする。タスクスケジューラの設定画面を開き、タスクの「条件」をそれぞれ確認。「タスクを実行するためにスリープを解除する」のチェックを外せばよい。

【インターネット】 あなたは追跡されている?

■事例5: Webブラウザーの「戻る」で戻れない

  • 図9 Webブラウザーで「戻る」ボタンを押しても戻れない場合のイメージ図。「戻る」ボタンを何度押しても、移動前のページに戻れず、現在のページが表示され続けることがある
 Webブラウザーの「戻る」ボタンをクリックしても、前のページに戻れないことがある(図9)。原因は、移動前のページと移動後のページとの間に置かれた「リダイレクトページ」だ。

 ここでいうリダイレクトとは、あるWebページにアクセスしたユーザーを、別のWebページに誘導すること。リダイレクトページとは、そのために作成されたWebページ。例えば、運営者がWebページのURLを変更した場合、それまでのWebページ「B'」のURLで表示させようとしたユーザーに対して、新しいWebページ「B」を表示させるための仕組みだ(図10)。

  • 図10 「戻る」ボタンを押してもWebページBからAに戻れないのは、リダイレクト用のWebページB'が間にあるため。WebページB'では、アクセスしたユーザー(ブラウザー)を、METAタグなどを使ってページBに強制的に移動させる
 リダイレクトの方法は複数ある。よく使われている方法の一つは、「META(メタ)タグ」と呼ばれる仕様を使うもの。METAタグはWebページの一部として記述してあり、Webページに関する情報をWebブラウザーなどに知らせるために利用される。

 METAタグの情報は、Webページの画面には表示されない。通常は、Webページのキーワードや制作者に関する情報を埋め込むといった用途に利用される。

 リダイレクトに利用する場合には、METAタグに特定の命令を記述しておく。すると、このWebページを読み込んだWebブラウザーがそれを解釈し、記述されているURLに移動する。移動は瞬時に行われるので、ユーザーはリダイレクトページの存在にほとんど気付かない。

  • 図11 IE9で前のWebページに戻る方法の例。「戻る」ボタンを長押しすると、履歴一覧が表示される。そこから戻りたいページを選べば、リダイレクトページを経由せずに、以前表示させたページに戻れる。FirefoxやChromeなど別のWebブラウザーでも同様
 戻るボタンを素早く連打することで、移動前のページに戻れることもあるが、確実に戻るには、Webブラウザーの「履歴」機能を使う(図11)。戻るボタンは直前のWebページに戻ろうとするが、履歴機能を使えば、2つ以上前の任意のWebページに直接移動できる。

 なお、IE9やFirefoxといった主要ブラウザーでは、戻るボタンを長押しすると履歴機能を利用できる。IE8などでは、戻るボタンの横に、履歴を表示させるボタンがある。

■事例6: 自分関連の同じ広告がどこのサイトでも表示される

  • 図12 同じような広告が表示される例。異なるWebサイトにアクセスしても、同じ内容の広告が表示されることがある。表示される広告は、自分の趣味や居住地、職業などに関連した内容であることが多い
 別のWebサイトにアクセスしているのに、同じような広告ばかりが表示されることがある(図12)。

 しかも、広告の内容は、自分の趣味や職業などに関連していることが多い。自分が住んでいる地域のマンション情報が表示されることさえある。

  • 図13 ユーザーに合わせた広告配信の概略図。異なるWebサイトで同じ広告が表示されるのは、Cookieという仕組みでWebアクセスをトラッキングしているから。アクセスしているサイトの種類から、そのユーザーの属性を判断することがある
 このような怪現象が起こるのは、ユーザーの行動が追跡されているためだ。ただ、とても簡易な追跡であり、自分の個人情報を取得されているようなことはないので、過度の心配は無用だ。

 ユーザーの追跡に使われているのは、「Cookie(クッキー)」と呼ばれる仕組み(図13)。ユーザーがWebサイトにアクセスすると、パソコンに保存されているCookieが、広告を配信するWebサイトに送信される。

 Cookieには、ユーザーがアクセスしているWebページの種類や、ユーザーを識別するためのIDなどが含まれているので、ユーザーに合わせた広告を配信できる。

 例えば、ある地域に関連したWebサイトへのアクセスが多いユーザーは、その地域に住んでいる可能性が高いとして、その地域にあるマンションの広告が表示される。

  • 図14 IE9における閲覧の履歴の削除画面例。「設定」ボタン→「セーフティ」→「閲覧の履歴の削除」で表示できる。この画面で「Cookie」にチェックを入れて「削除」ボタンを押せば、それまでの追跡がリセットされ、今まで表示されていたような広告が表示されなくなる。ただし、保存されていたログイン情報なども失われる
 このような追跡を断ち切るには、Cookieを削除すればよい(図14)。どのWebブラウザーにも、Cookieを削除する機能はある。ただし、Cookieを削除すると、会員制サイトのログイン情報なども消去されるので要注意。削除後にアクセスした際には、ユーザーIDなどを再度入力する必要がある。

■事例7: ダウンロードしたファイルが行方不明

 Webサイトからダウンロードしたファイルを見失ったことはないだろうか。この怪現象の原因はWebブラウザーの仕様にある。Webブラウザーによっては、「保存」ボタンをクリックするとバックグラウンドでダウンロードが終了し、保存した場所を通知しないことがあるためだ。

  • 図15 Chromeを使ったファイルのダウンロード例。Webブラウザーでファイルをダウンロードした際、そのダウンロード先が分からなくなることがある。その場合には、Webブラウザーからダウンロード先のフォルダーを開けばよい。また、ダウンロード時に「名前を付けて保存」を選べば、自分が指定した場所にファイルをダウンロードできる
 ほとんどのWebブラウザーの初期設定では、ユーザーフォルダーの下の「ダウンロード」フォルダーに保存されるが、そのフォルダーをわざわざ探すのも面倒だ。お勧めは、Webブラウザーに表示される「フォルダを開く」といったメニューを選択すること。そうすれば、ダウンロードしたファイルのあるフォルダーが一発で表示される(図15)。

 ダウンロード先のフォルダーが表示されれば、そこから該当のファイルを、使いやすいフォルダーに移動させればよい。ファイルを保存する際に、「名前を付けて保存」を選べば、自分が指定した場所に、自分が入力したファイル名で保存できる。ダウンロードフォルダー以外に保存することが多いユーザーは、いつも「名前を付けて保存」を選ぶようにすればよいだろう。

■事例8: 誤入力したIDが繰り返し現れる

 会員制サイトのログインページでは、WebブラウザーはユーザーIDやパスワードを記憶してくれる。便利な機能ではあるが、誤ったIDやパスワードを入力してログインに失敗した場合でも、それらを記憶して、毎回自動で表示するようになる。

  • 図16 IE9において、誤ったユーザーIDが表示される例。Webブラウザーによっては、以前に誤入力した文字列が、ユーザーIDの候補として毎回表示される。これを解消するには、保存されている文字列を削除すればよい。IEでは、削除したい候補を選んで[Delete]キーを押す
 この煩わしい現象を解消するには、Webブラウザーの記憶から、誤ったIDやパスワードを削除すればよい。例えばIEでは、プルダウンメニューに候補が表示されたところで、誤入力した文字列を選び[Delete]キーで削除する(図16)。

 ほかのWebブラウザーにも同様の機能がある。例えばFirefoxでは、「オプション」→「セキュリティ」タブで「保存されているパスワード」をクリックすると表示されるユーザーIDとパスワードの一覧から、誤入力した文字列を削除する。

 Chromeでは「設定」→「詳細設定を表示」を選び、「パスワードとフォーム」項目中の「保存したパスワードの管理」をクリックすれば、誤入力したIDなどを削除できる。

(日経パソコン 勝村幸博)

[日経パソコン2012年12月10日号の記事を基に再構成]

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