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女性有識者を結集 イー・ウーマン新事業のもくろみ 佐々木かをり社長に聞く

2013/8/22

ファーストステップとして女性から

 活動の原点は、ダイバーシティ(多様性)を推し進めることにある、と佐々木社長は言う。「多様性は日本経済や社会が成長するために絶対的に重要。なぜか。そのほうが安全だからです。経営者にとっても嫌う理由はない。市場も労働も投資も全部、国境がなくなった。すると、いろんな価値観の人が社会に参画した方が、お客も増えるし、投資家のためにもなる」

 佐々木社長は続ける。「多様性は、年齢や社歴や学歴、ハンディ、性的嗜好までさまざま。でも日本社会で一番大きな分かりやすいマイノリティーが女性。なので、ファーストステップとして女性からやる。女性がいても意見が出ないかもしれないし、男性ばかりでも多様な意見が出ることもあるかもしれない。でも、それは次のステップ。女性がいた方が、よりアイデアが出るだろうという想定のもと、とりあえずスタートしましょうということです」

 佐々木社長は、民間でもニッセンと日本電気の社外取締役、東京海上日動火災の社外監査役など多数の肩書を持つ。スピーカーズギルドと同時に、社外役員の紹介に特化した「女性社外役員ギルド(仮称)」も立ち上げる考えだ。

 「スピーカーズギルドも社外役員ギルドも、意図しているのは、いろいろな視点の声を聞こうよ、ということ。日本の上場企業では女性の社外役員はたった70人しかいない。まずは社外役員でもいいから、違う立場の人に経営に参画してもらいましょう、という試みです」

 「もしも私が男性で、古い会社を経営していたとして、社歴40年の男性だけで相談していたら、怖い。ほかの立場の人にも聞いてみたいと思う。『安全』『尊敬される』『リスクがない』『メッセージが伝わる』『売れる』……そういう会社にするためには、なるべく多くのタイプの人がいた方がいい」

男性に言い訳させないために

 単なる「女性推し」ではなく、ダイバーシティを進める活動だと強調する佐々木社長。今回の新事業の立ち上げには、実はもう一つ大きな動機があったと明かす。

 「今日までの日本社会は、大卒後5年も経つと男性が女性の上に立っている。『大学まで優秀といわれていた女性が、もっと社会に残っているようにしなければいけないと思いませんか?』と男性のリーダーにお話しすると、『いや佐々木さん、うちだって女性の取締役がほしいんだよ。でも、いないんだよ』って返ってくる」

 「社内講演会や研修もそう。ある大企業の幹部だけが集まる『何とか会』で講演したとき、『50年の歴史で佐々木さんが初めての女性ゲスト。なかなか(呼びたい)女性がいないんだよね』と言われました。私からすれば、いっぱいいる。だから、『いない』という言い訳をなくしたくてギルドを作ったんです。相談してくれれば、ちゃんと見つけてアレンジしますよ。教育だろうが昆虫だろうが星だろうが、どんな分野でも紹介しますから言ってよ、と」

 新事業は、まず女性からダイバーシティを社会に根付かせ、男性に言い訳させないよう、プラットフォームをつくるためのもの。だが、もちろんビジネスとしても成立させていく。イー・ウーマンは、講演料、あるいは年俸の約3割をマネジメント料として紹介先の企業から得る。ただし、政府の委員会など行政組織に関しては、無償で紹介するという。

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