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女性有識者を結集 イー・ウーマン新事業のもくろみ

佐々木かをり社長に聞く

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NIKKEI STYLE

 社会で活躍する女性たちが続々と集まっている。場所は女性向けサイトの草分けで老舗のイー・ウーマン。同社は女性の有識者や経営者らを集め、講演者や委員、社外役員などを求める企業や行政組織に紹介する事業を今秋、本格化させる。社会で女性への追い風が吹く中、事業は、男性中心の言論への対抗軸とも映りそうだが、真意はどこにあるのか。イー・ウーマンの創業者、佐々木かをり社長に狙いや動機を聞いた。

安倍政権が「女性活用」を積極的に打ち出し、米フェイスブック最高執行責任者(COO)のシェリル・サンドバーグ氏やディー・エヌ・エー創業者の南場智子氏が著した「女性本」はベストセラーに。フジテレビ系列の「27時間テレビ」もメーンパーソナリティーに初めて女性を起用した。女性の勢いがにわかに増す中、「働く女性のためのサイト」をコンセプトとした創業14年目となるイー・ウーマンも大きな動きを見せる。

同社は9月にも、新たな人材のマッチングサービス「スピーカーズギルド」を本格的に始める。「日本初、女性の講演者・専門家のネットワーク」という触れ込みだ。様々な分野の専門性を持つ女性をとりそろえ、企業のイベントや講演、研修、あるいは行政組織の委員会などに紹介し、女性のマネジメントまでを手がける。

「公共機関の要職歴任者から海洋、宇宙物理、地震などの専門家、ファンドマネジャーや経済評論家といった金融系出身者、広告などマーケティング関連のプロフェッショナルまで、どんな要望にも応えられるメンバーが既にそろっている」と佐々木社長は胸を張る。

1000人くらいあっという間に集まる

東京大学医学部客員研究員の石井苗子氏、元厚生労働大臣の小宮山洋子氏、経済協力開発機構(OECD)東京センター所長の中谷好江氏……。今年4月にオープンしたプレサイトには、既にスピーカーズギルドに登録された一部の女性のプロフィルが載っている。ネットイヤーグループの石黒不二代社長やニューズ・ツー・ユーの神原弥奈子社長など経営者も多い。

現時点での登録者はイー・ウーマンが選んだ約100人程度だが、9月のサイト本格オープンと同時に一般からの登録も受け付け、ネットワークを全国に広げていくという。「チャンスをみんなに与えたい。1000人くらいはあっという間に集まるんじゃないでしょうか」(佐々木社長)

佐々木社長自身、これまで1000件以上もの講演をこなしてきた。法務省や総務省、経済産業省などの審議会委員も務める。佐々木社長は「OECDでも世界経済フォーラムでも国際通貨基金(IMF)でも、どこのデータをとっても、日本は世界各国と比較して女性の社会進出で圧倒的に後れをとっている」と指摘する。相も変わらぬ男性中心の社会に業を煮やし、活躍する女性の筆頭格としての蜂起なのか。

だが佐々木社長は断言する。「男女平等、エイエイオー。それは嫌。女性なら何でもいいというつもりはまったくないし、私はウーマンリブでもない。むしろ女性に厳しいほうです」

ファーストステップとして女性から

活動の原点は、ダイバーシティ(多様性)を推し進めることにある、と佐々木社長は言う。「多様性は日本経済や社会が成長するために絶対的に重要。なぜか。そのほうが安全だからです。経営者にとっても嫌う理由はない。市場も労働も投資も全部、国境がなくなった。すると、いろんな価値観の人が社会に参画した方が、お客も増えるし、投資家のためにもなる」

佐々木社長は続ける。「多様性は、年齢や社歴や学歴、ハンディ、性的嗜好までさまざま。でも日本社会で一番大きな分かりやすいマイノリティーが女性。なので、ファーストステップとして女性からやる。女性がいても意見が出ないかもしれないし、男性ばかりでも多様な意見が出ることもあるかもしれない。でも、それは次のステップ。女性がいた方が、よりアイデアが出るだろうという想定のもと、とりあえずスタートしましょうということです」

佐々木社長は、民間でもニッセンと日本電気の社外取締役、東京海上日動火災の社外監査役など多数の肩書を持つ。スピーカーズギルドと同時に、社外役員の紹介に特化した「女性社外役員ギルド(仮称)」も立ち上げる考えだ。

「スピーカーズギルドも社外役員ギルドも、意図しているのは、いろいろな視点の声を聞こうよ、ということ。日本の上場企業では女性の社外役員はたった70人しかいない。まずは社外役員でもいいから、違う立場の人に経営に参画してもらいましょう、という試みです」

「もしも私が男性で、古い会社を経営していたとして、社歴40年の男性だけで相談していたら、怖い。ほかの立場の人にも聞いてみたいと思う。『安全』『尊敬される』『リスクがない』『メッセージが伝わる』『売れる』……そういう会社にするためには、なるべく多くのタイプの人がいた方がいい」

男性に言い訳させないために

単なる「女性推し」ではなく、ダイバーシティを進める活動だと強調する佐々木社長。今回の新事業の立ち上げには、実はもう一つ大きな動機があったと明かす。

「今日までの日本社会は、大卒後5年も経つと男性が女性の上に立っている。『大学まで優秀といわれていた女性が、もっと社会に残っているようにしなければいけないと思いませんか?』と男性のリーダーにお話しすると、『いや佐々木さん、うちだって女性の取締役がほしいんだよ。でも、いないんだよ』って返ってくる」

「社内講演会や研修もそう。ある大企業の幹部だけが集まる『何とか会』で講演したとき、『50年の歴史で佐々木さんが初めての女性ゲスト。なかなか(呼びたい)女性がいないんだよね』と言われました。私からすれば、いっぱいいる。だから、『いない』という言い訳をなくしたくてギルドを作ったんです。相談してくれれば、ちゃんと見つけてアレンジしますよ。教育だろうが昆虫だろうが星だろうが、どんな分野でも紹介しますから言ってよ、と」

新事業は、まず女性からダイバーシティを社会に根付かせ、男性に言い訳させないよう、プラットフォームをつくるためのもの。だが、もちろんビジネスとしても成立させていく。イー・ウーマンは、講演料、あるいは年俸の約3割をマネジメント料として紹介先の企業から得る。ただし、政府の委員会など行政組織に関しては、無償で紹介するという。

女性は「ガラスの天井」にぶつかる

1986年の男女雇用機会均等法の施行から27年。佐々木社長は「日本もずいぶん変わった」としながらも、「決定権者の数はあまり変わっていない」と指摘する。「社会に出た女性は、昇進を阻む見えない障壁『ガラスの天井』にぶつかる。27年前は、ほとんどの女性が25歳前後でこれにぶつかり、昇進せぬまま結婚退職するケースが多かった。現在でも、課長くらいまでは比較的スムーズに昇進できても、役員になる手前には分厚いガラスの天井がある」

18年前、佐々木社長は働く女性の声を社会に届けようと、年1回の「国際女性ビジネス会議」を始めた。「当時、日本にはそういうイベントがなかった。女性が学び合って、刺激する場が必要だと思い、10年くらい続けて辞めようと思っていた。10年も経てばそういうものが必要なくなる社会になると思っていた。でも、そうはならなかった」

そんな佐々木社長だが、ここにきて風向きが変わり始めたとも感じている。佐々木社長の活動を応援するメールが昨年あたりから自身やイー・ウーマンに立て続けに届くようになった上、政府もトップダウンで女性の活用に本腰を入れ始めた。自民党は「社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上とする」という公約を掲げた。

ブームを上手に活用したい

8月上旬に開催した今年の国際女性ビジネス会議では、安倍晋三首相からメッセージが寄せられた。「女性の活躍は、私の成長戦略の中核。今、求められているのは、男性の視点とは異なる、女性ならではのリーダーシップ」「意欲あるすべての女性が輝く日本を、私は、皆さんと一緒に、つくっていきたいと考えています」――。会議の歴史で、首相からメッセージをもらったのは初めてだ。

佐々木社長は言う。「(女性活用で)期待していた民主党の政権が終わって、もうダメかしらと思っていたら、安倍政権がそれ以上に積極的になってくれた。日経新聞も長い歴史の中で初めて新ページ『女性面』を設けた。自民党や日経までもが動き出した2013年は画期的。その動きやブームを上手に活用したい」

(電子報道部 井上理)

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