写真をネットに保存、誰とでも気軽に共有
ウェブアルバムを使おう(上)
ウェブアルバムとは、インターネット上に用意された自分専用のホームページに写真を保存するサービスのことです。自宅のパソコンからウェブアルバムに写真をアップロードすると、その写真はほかのパソコンやスマートフォン、携帯電話からインターネットを介して閲覧できるようになります。
家族や友人に写真を見せるときも簡単。ウェブアルバムのURLをメールなどで伝えるだけです。気に入った写真を各自でダウンロードしてもらうこともできます。同窓会や旅行など、みんなで撮った写真を見せたいときや配りたいときに便利です。
さらにウェブアルバムをバックアップとして使えば、万一自宅のパソコンが故障しても安心です。機能が充実した有料サービス、気軽に使える無料サービスなど種類も豊富。自分に合うサービスを見つけて使い始めましょう。
自分にぴったりなサービスを選ぶための三つのポイント
ウェブアルバムは、検索サイトやデジタルカメラメーカーなど、様々な企業が運営しています。サービスによって、内容や保存できる写真の容量、利用料などはバラバラ。自分の使い方に合ったサービスを選ぶことが大事です。
サービス選びのポイントは、三つあります。一つは利用料金の有無です。サービスの内容は、総じて有料サービスのほうが充実しています。一方で無料サービスは、出費を気にせず始められる手軽さが魅力です。
二つめは使える機器。パソコン、携帯電話、スマートフォンなど、自分が持つ機器で写真のアップロード、閲覧ができるかチェックしましょう。
三つめは使える付加サービスです。特に有料サービスには、便利でお得なサービスが付いています。それぞれのポイントについて、以下に詳しく見ていきましょう。
ポイント1:有料と無料はどちらがいいの?
有料サービスは、無料サービスに比べて保存できる写真の容量が大きいものが多いです。利用料は月額300円程度から。料金を上乗せすることで、保存容量を増やすことができます。また、独自の付加サービスを付けていることもあります(詳細は後述する「ポイント3」を参照)。
一方の無料サービスは手軽さが利点。保存できる容量が少ないものは、友人に見せたい写真だけをアップロードし、用が済んだら削除するといった使い方をお勧めします。後から料金を払うと容量を増やせるサービスなら、容量が足りなくなっても安心です。今回の記事では、前編・後編の2回に分けて有料と無料の合計6つのウェブアルバムを採り上げます(表1)。
ポイント2:どんな機器で使えるの?
「外出先でも写真を見たい」「携帯電話やスマートフォンで撮影した写真も保存したい」という人は、携帯電話やスマートフォンに対応したサービスを選びましょう。
スマートフォンが使えるサービスの多くは、写真のアップロードや閲覧ができるアプリ[注4]を用意しています(図3)。アプリマーケット[注5]などからインストールして使います。
アプリがない場合や携帯電話の場合は、メールに写真を添付して、ユーザーごとに割り当てられたアップロード用のアドレスに送信すると、写真を保存できます(図4)。保存した写真は携帯電話やスマートフォン向けのホームページで閲覧できます。
[注5] アプリを購入、ダウンロードするためのホームページのこと。iPhone(アイフォーン)は「App Store(アップストア)」、アンドロイドは「アンドロイドマーケット」などがある。
ポイント3:どんなサービスが利用できるの?
ウェブアルバムには、保存した写真を活用するための付加サービスがあります。例えば、富士フイルムの「マイフォトボックス」。1年間継続して有料サービスを使うと、1年間にアップロードした写真をDVDに記録して送付してくれるサービスを無料で利用できます。
多くのウェブアルバムが用意しているのが、ウェブアルバムに保存している写真から好きなものを選んで紙焼き写真やフォトブック(写真集)にできるサービス。料金は、紙焼き写真が1枚30円前後、フォトブックが1200円程度からです。自宅のプリンターで印刷するのとはひと味違う写真に仕上がります(図5)。
料金やサービスで選ぶ、注目のウェブアルバム [有料編]
月額300円程度の利用料で、10GBもの保存容量と充実した付加サービスを活用できる有料サービス。ここではデジカメも手がける国内企業が運営する二つを紹介します。
【マイフォトボックス】(富士フイルム)
大事な写真をDVDにも保存、お得なクーポンも届く
写真総合サイト「Fotonoma」(フォトノマ)」に登録すると、「マイフォトボックス」というサービスが使えます(図6)。お薦めは有料の「フォトプレミアムサービス」。月額390円で10GBまでの写真を保存できます。写真をアップロードする手順は簡単。公開用のURLを教えれば、写真を友人や家族に公開することもできます。
お得なのは、DVDでのバックアップサービスがあること。有料サービスを1年間利用すると、その1年間に保存した写真がDVDに記録されて届くサービスを利用できます(図7)。6カ月に1度、フォトブックを作成できるクーポンももらえます(図8)。
●保存できる容量:10GB
●容量の追加:月額200円ごとに5GB(最大100GBまで拡張可能)
●対応している機器:パソコン/スマートフォン(iPhone/アンドロイド)
【クオンプ】(リコー)
友人との共有機能が便利、写真以外も保存できる
リコーの「クオンプ」では月額300円で10GBまで、月額980円で100GBまでの写真を保存できます(図9)。
公開用のURLを教えることで、保存した写真を友人や家族に公開できます。さらに、フォルダー(「プレイス」と呼ぶ)を共有することも可能(図10)。自分がアップロードした写真を友人に一方的に見せるだけでなく、相手にも写真をアップロードしてもらえるのです。プリントサービスもありますから、友人から集めた写真をまとめてフォトブックにするといった使い方ができます(図11)。
ネットストレージ[注7]として、ワードやエクセルの文書やPDFなど、写真以外のファイルを保存、閲覧することもできます。
●保存できる容量:10GB
●容量の追加:月額980円で100GBのコースもあり
●対応している機器:パソコン/携帯電話/スマートフォン(iPhone)
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デジカメメーカーは独自のサービスを提供
一部のデジタルカメラメーカーの中には、自社製品を使っているユーザー向けにウェブアルバムを運営しているところがあります。キヤノンの「キヤノンイメージゲートウェイ」(図A)、ニコンの「マイピクチャータウン」、パナソニックの「ルミックスクラブピクメイト」などが代表的です。
これらのサービスの機能は有料サービスに比べると少ないですが、製品のユーザーだけが受けられる特典を用意している場合があります。カメラに付属のソフトと連携するなど、使い勝手も工夫されています。自分が持っているカメラのメーカーがウェブアルバムを運営しているか確認してみましょう。
[注7]インターネットに接続されているサーバー上のディスクスペース(データ保存用のスペース)をファイル保管用に利用すること。
(日経PCビギナーズ 平野亜矢)
[日経PCビギナーズ2012年3月号の記事を基に再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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