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ホントが知りたい 食の安全

絶滅寸前ウナギに代わるのは、ナマズのかば焼き ホントが知りたい食の安全 有路昌彦

2013/7/26

■ウナギに代わる魚を食べて、消費から変えよう

 ではどうすればよいかというと、「消費を変える」というのが答えです。つまり先に書いた「代替不可能性」が本当なのか、というところに行きつきます。

 ウナギのあの味は川魚特有の生臭さがないと演出できません。また濃厚な脂が必要ですし、うまみもいります。そして鱗のない皮も重要です。

 ウナギと全く引けを取らない、むしろおいしい淡水魚なんているのでしょうか。実は「ナマズ」が該当します。

 ナマズはウナギと覇を争って負けた存在ですが、実はウナギよりも当たり前に食べられてきました。なぜナマズが泥臭いというイメージかというと、それは「アンチマーケティング」の結果といえるかもしれません。

琵琶湖で子どもと一緒にとったナマズ

 ナマズもウナギも同様に泥臭いものです。泥臭さは泥ぬきと呼ばれるプロセスや焼き方の工夫(遠火でじっくり白焼きする)ということでむしろ香ばしさに変わります。ナマズも小ぶりのものは脂もなくさっぱりしていますが、大型のものは脂の塊のようなジューシーなものです。

 養殖も容易にでき、人工的に種苗も増産でき、資源的にも問題がないこの魚が市場を失ったのは、希少性がないためであり、ブランド化に適していなかったという側面もあります。

■ウナギより、世界でポピュラーなナマズを見直して

 将来もウナギが食べられるようになるためにも、ナマズを食べるというのはいかがでしょうか? 私たち消費者側からできる、資源保護のための大切な行動です。

 ナマズは世界では大変ポピュラー。アジアの内水面養殖魚生産量145万トン中30万トンはナマズです。

有路昌彦
 近畿大学農学部准教授。京都大学農学部卒業。同大学院農学研究科博士課程修了(京都大学博士:生物資源経済学)。UFJ総合研究所、民間企業役員などを経て現職。(株)自然産業研究所取締役を兼務。水産業などの食品産業が、グローバル化の中で持続可能になる方法を、経済学と経営学の手法を用いて研究。経営再生や事業化支援を実践している。著書論文多数。近著に『無添加はかえって危ない』(日経BP社)、『水産業者のための会計・経営技術』(緑書房)など。

[ecomomサイト2012年7月17日付記事を基に再構成]

[参考] 家族と自然にやさしい暮らしがテーマの季刊誌『ecomom(エコマム)』。2013年夏号では「自然の恵みを感じる住まい」「知っておきたいわが家の『省エネ』ウソ?ホント?」「家族で楽しむ、夏のお出かけ」などを掲載。公式サイトで登録すると、無料で雑誌が届く。

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