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ホントが知りたい 食の安全

絶滅寸前ウナギに代わるのは、ナマズのかば焼き ホントが知りたい食の安全 有路昌彦

2013/7/26

 土用の丑もあり、ウナギのかば焼きが食べたくなるシーズンです。

 しかし、実は今ウナギの資源は絶滅寸前。一番多かったときの10%を切る状態です。

 消費者側から見ると、値段は上がったけれど、外食でもスーパーでもウナギは売っているので「本当になくなるの?」と思うかもしれません。

 ウナギはもともと、滋養強壮のためだけに食べるものでした。ウナギがここまで当たり前に食べられるようになったのは、稚魚のシラスウナギからの養殖の確立に加え、マーケティングに成功したという側面があります。

 丑の日だから「う」がついて精力のつくもの、ということでウナギなのですが、バレンタインデーのチョコレートのように記念日に関連づけたのがマーケティング成功の1つのカギです。もう1つは、蒲焼きのあの味を、作るのは難しいことが理由に挙げられます。

■世界のウナギが乱獲、10年はウナギを禁漁にすべき

 日本ではなくてはならない存在になってしまったうなぎですが、日本以外ではウナギはポピュラーな食べ物ではありません。実は世界のウナギの7~8割は日本人が消費しています。

 つまり、世界のウナギが乱獲された先は日本人の胃袋だったわけです。これがウナギが絶滅寸前に至った大きな理由の1つです。

 2つ目の原因は、親となるウナギの生息環境が奪われたことにあります。ウナギは河川、湖沼、海を頻繁に行き来する魚なので、途中に堤防などの構造物があると生息域は一気に狭まります。川や用水路の石や岩の隙間にいるので、ここが三面ばりコンクリート側溝になると、住めなくなってしまうわけです。

 3つ目の原因は海流変化です。エルニーニョやラニーニャという現象によって海流が変わり、シラスが日本にたどり着けず死んでしまうケースが増えてしまったのです。

 成魚ウナギの完全養殖は成功しているので、コストの壁を突き破って実用化してほしいと期待しています。しかし、実用化までにはまだ10年くらい時間がかかるでしょう。

 だからこそ、この10年間は本質的には成魚もシラスも禁漁にすべきではないかというのが、資源分野の研究者としての見解です。しかし、禁漁しても密漁は後を絶ちません。なぜならば少なくなれば、少なくなるほどその値段は上がるため、密漁する人のインセンティブ(やろうとする意欲)は高まってしまうからです。

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