マネー研究所

日経マネー 特集セレクト

資産は年収の7倍以上 「お金がたまる家」の秘密

2012/1/18

 お金がたまる家と、貯金ができない家では、いったい何が違うのでしょうか。月刊日経マネー編集部は「お金がたまる家」が家計管理や資産形成で何を重視しているのかを密着取材しました。今回、事例として取り上げる3家族は、年収の7倍以上の資産を作り上げています。これらの家族の手法を参考にして、足腰の強い家計をつくりましょう。

 住宅ローンの支払いや子供の教育費など、貯蓄が増えない要因を挙げればきりがない。しかし、同じような負担を抱えながらも、しっかりと資産を増やしている家庭もある。どんな運用や家計管理をすればいいのか、「お金がたまる家」の取り組みを紹介しよう。

 

【事例1】子供3人を育てたスゴ腕母さんの目的別貯蓄術

山本恵美さん(仮名、55歳女性)
年収と資産:年収500万円、資産総額は6150万円
家族:本人は岡山県在住の会社員。夫とは離婚し、子供は3人(30歳、28歳、26歳)
収支:手取り月収は38万円。毎月の平均支出は23万円で、毎月の貯蓄率は39%
資産:金融資産は2100万円。住宅は1700万円で購入。ローンは完済した

 「子供は負債。だから資産を殖やすには子供を作ってはいけない」──。そう思うような弱気な若者がいたら、この人をご覧なさいと言いたくなるような「スゴ腕母さん」がいる。山本恵美さん(仮名、55歳)だ。山本さんは3人の子供を育て上げ、住宅ローンを完済。しかも夫と5年前に離婚し、現在は末子の大学院費用を出しながら、日本株や不動産投資で積極的に資産運用をしている。資産総額は6150万円で年収比12倍以上。子育てをしながら一体どうやってここまでためたのか。まずは支出管理の方針を聞いてみた。

 山本さんは現在は実家が営む会社で働くが、22歳から51歳まで教師をしており、年収は500万~800万円ほどあった。一方、離婚するまで夫が家に入れるおカネは、月に15万~20万円のみだったという。「夫の収入は少なかったですが、それでも世帯年収は安定していて、何もしなくてもどんどんたまるという感じでした」。

山本さんは、購入した家電すべてに購入日を記入したラベルシールを貼る。写真はハンディ掃除機。「1993年3月に購入したから、かれこれ20年近く使ってるわね。これなら購入価格分はしっかり使ったかな。これを見て買い替えのタイミングを考えます」

 そして山本さんは25歳になったときから2年ごとに3人の子供を出産。ここで気をつけたことは「先に借金を作ったらいけん!」ということ。例えば学費。入学金などで一度に大金を使うことがあるときでも、手元の生活費を取り崩して支払いしてしまうのは、「先に借金を作ると同じこと」。そうではなく、「前もって何年後にいくら必要か」という教育費計画表を作り、必要な時期までに必要資金をためていった。具体的には子供が小学生のときから大学卒業までの20年間の支出を予測し、収入の3割以上は貯蓄していった。このようにして母がせっせとためた教育費を子供たちもありがたく思い、3人とも国立大学に入学してくれたそうだ。

■買いたいものは目的貯蓄をして1年後に買う

 山本さんは教育費だけでなく、住宅ローンや家電、旅行などの出費に関してもすべて「目的別貯金ノート」を作って資産管理をしている。例えば自動食器洗い器。子育てが大変になってきた20年前、当時は8万円もした食洗器を購入しようと決意。ここですぐに貯金に手を出すのではなく、「1年後に買うために、毎日節約して貯金しよう」と考えた。8万円を365日で割ると219円。そう計算して、コツコツと1年間ためて買った。「友達はキラキラする宝石ばかり買ってたけれど、私の欲しかったものはこれじゃが! ワーキングマザーの証じゃが!」と本当にうれしかったという。

 この目的別貯蓄は、資産を守る技になると山本さんは言う。「私が一番嫌いなのは、ローン金利や手数料、税金や口座管理費など無駄なコスト。こういったものをカットするために、できるだけ一括払いをしてコストを減らした上で、割引価格で購入するようにしています」(山本さん)。

左の写真は、山本さんが毎週1回付けている家計簿。収入と支出をしっかり記録している。さらに山本さんは、教育費や家電購入など、出費予定があるものは「目的貯蓄ノート」(右)を作る。できるだけ一括支払いして無駄な手数料を払わず、割引を徹底的に活用する

マネー研究所新着記事