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日本のカレーはなぜジャガイモを入れるのか

2013/3/15

社員食堂のカレーにもジャガイモが入っていた

 友人の家で論争になった。「カレーにジャガイモは必要か」。入れる派は「昔から入っていた」「とろみがついておいしい」と主張。入れない派は「ジャガイモとご飯は合わない」「溶けた食感がイヤ」と応戦する。そういえばレストランのカレーはジャガイモがないことが多い。家庭のカレーはなぜ、ジャガイモが定番なのか。

■ジャガイモは「カレー三種の神器」

 ホクレン農業協同組合連合会などが2012年に立ち上げた「じゃがい問題研究所」。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏が所長を務める研究所が1000人の男女に尋ねたところ、95%が「カレーにジャガイモが入っていてほしい」と答えた。カレー専門店「カレーハウスCoCo壱番屋」でも、ジャガイモの入った「やさいカレー」は「毎月5位以内に入る人気メニュー」だという。

 カレー研究の第一人者、カレー総合研究所の井上岳久所長によると、ジャガイモはタマネギ、ニンジンと並んで「カレー三種の神器」の1つ。明治時代から定番食材となっていたらしい。なぜ、ジャガイモが選ばれたのか。

 カレーが日本に伝わったのは明治初期。英国から上陸したといわれている。実は、当初はカレーにジャガイモは使われていなかった。「英国のカレーはもともと肉を食べるためのソースだった」(井上所長)からだ。

 ちなみに、最初にカレーを食べた日本人といわれるのが山川健次郎。後に東京帝国大学の総長となる人物だ。福島県会津地方出身で、兄は会津藩の軍事総督を務めた山川大蔵(おおくら、後の浩)、妹は日本人初の女子留学生、山川捨松だ。現在放映中のNHK大河ドラマ「八重の桜」にも登場している。

「カレーハウスCoCo壱番屋」の「やさいカレー」は、毎月5位以内に入る人気メニュー(壱番屋提供)

 1871年(明治4年)、国費留学生として米国に旅立った山川健次郎は船の中でカレーに出合う。井上宏生著「日本人はカレーライスがなぜ好きなのか」(平凡社)によると、当時16歳の健次郎少年は、カレーの下のご飯だけを食べていたという。

 カレーの歴史について書かれた本を調べてみると、ジャガイモがカレーの食材として登場したのは1900年前後からのようだ。

 小菅桂子著「カレーライスの誕生」(講談社)によると、1896年(明治29年)、カレーの材料として「芋」が登場する。1903年(明治36年)には雑誌に作り方が出ており、「わさびおろしですりおろす」とある。レシピには小麦粉はなく、ジャガイモでとろみを付けていたようだ。

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