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ランチで知る世界の素顔 学びと楽しさを両立 女子力起業(8) 編集委員 石鍋仁美

2013/12/16

 いろいろな国の料理を食べながら、その国の人たちと交流したり、生きた文化やビジネス事情、社会問題を学んだり。20代の女性たちが始めた有料イベント「ランチトリップ」の参加者が年を追って拡大している。地球にはさまざまな人が住み、それぞれの文化を持って暮らしている。そう肌で理解する人が増えれば、世界はもっと良くなるだろう。そんな願いが出発点にある。

「ランチトリップ」を主宰する松沢亜美さん

 通常の催しは、こんな具合だ。場所は日本国内のレストランや大使館など。昼の2時間半をその国への旅に見立て、運営者を「クルー」、参加者を「パッセンジャー」、講師役を「ガイド」と呼ぶ。

 企画・運営する松沢亜美さん(代表)、畠田那穂さん、長谷川恭子さんは、航空会社の客室乗務員を思わせる服に身を包み、会を仕切る。冒頭のあいさつも添乗員風で、会場が和む。旅先で、一期一会のふれあいを楽しみましょう。まじめだけど、堅苦しくはない。そんなコンセプトが、参加者にも自然に伝わっていく。

■居ながらにして“世界”を体験

 まず「ガイド」が母国や自分の詳しい国について語り、参加者同士が問題を共有し、解決策などを話し合うワークショップへと続く。その間においしい食事が入る。日本に留学中の学生やその国に住む日本人を講師役に招くなど、外国語ができない人でも参加できるよう工夫している点も魅力の一つだ。

 記者が参加した「旅」は、都内のカンボジア料理店で開かれた12月8日の回。カンボジアで児童買春をなくすために活動するNPO法人「かものはしプロジェクト」の共同代表、村田早耶香さんがガイドを務めた。少女たちの現状、かものはしが取り組む活動内容が紹介され、現在直面する課題の解決策をグループごとに話し合う。

開催直前、会場となったレストランのスタッフと打ち合わせをする松沢さん(中央)

 もともとカンボジアを旅したことのある人も目立つ。「旅先」気分が生む気安さも手伝い、初対面同士でも率直なアイデア交換が弾む。1人でも手持ちぶさたにならず、通り一遍の名所案内ではない外国の現状を知ることができ、しかも課題があることで会話がスムーズに成り立ち、共通の関心を持つ知り合いが増えていく。

 魅力を感じてリピーターになる人も多い。さらに、最初は参加者だった人が、企画を立てて持ち込んだり、「ガイド」候補を紹介したり、自分自身がガイドになったり。そうして会を広げる側に回った例も少なくないという。

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