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景気と女性アイドル、浮き沈みに意外な法則

2014/2/20

 多様化で市場がニッチになる中で、アイドルのファンへのアピールの仕方も変化しています。AKB48の総選挙に代表されるように、参加型でアイドルを盛り上げる「経験価値マーケティング」の手法でファンに訴求しようとしています。

三井 「As you like」で(あなたの好みに合う形で)アイドルを応援できるようにしているのですね。

たなか・ひでとみ 上武大学ビジネス情報学部教授。1961年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。積極的な金融緩和でデフレ脱却を主張するリフレ派経済学者。主な著書に『デフレ不況 日本銀行の大罪』『AKB48の経済学』『日本経済復活が引き起こすAKB48の終焉』などがある

田中 僕らアイドル評論家の間では「DD」と呼んでいます。「Daredemo Dokodemo(誰でもどこでも)」の略。参加型でいえば、AKB48が2013年6月に披露した「恋するフォーチュンクッキー」は、ファンが自由にプロモーション映像(PV)を制作できるようにした画期的な仕掛けでした。

上野 典型的な経験価値マーケティングですね。

田中 はい。アイドルの変遷に話を戻しますと、新しい時代を切り開いたおニャン子について意外と知られていないのが短命に終わっていること。1987年9月に解散しています。当時はバブル景気に沸いていた時期でした。

 バブルの余波は90年代半ばまで続き、その間はアイドル冬の時代です。それが1997年ごろから深刻化してきた金融危機を境に、モー娘。やSPEEDがヒット曲を飛ばすようになりました。

 しかし、金融危機が沈静化し、景気対策が効き始めるとモー娘。の人気にもかげりが出てき始めました。AKB48は2005年にデビューしていますが、その頃は小泉政権時代の景気回復期。すぐには花が開かず、彼女たちの曲が初ヒットを飛ばしたのはリーマン・ショックが起きた2008年です。

三井 確かに景気が良くないときに、有名なアイドルが登場していますね。なぜ景気が悪くなると人気アイドルが出てくるのですか。

田中 アイドル評論家兼経済学者として分析しますと、景気が悪いとお小遣いや所得が減り、リアルな彼女や物事にお金をかけられなくなるからです。70年代や80年代は高校生などが気軽にできるアルバイトも少なかったので、親の所得の減少がお小遣いに直接跳ね返る。でもドーナツ盤のレコードは600円程度だったから、お小遣いが減ってもどうにか手が届いた。またアイドルは現実の彼女とは違って、簡単に乗り換えられるのも大きいのです。

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