マネー研究所

男の家計改善

実質利回りは4分の1 個人年金は予定利率で選ぶな

2014/8/18

日経マネー

 枝葉の節約もいいが、男なら太い幹の「構造」を知り、改善を考えるべし――。労働組合シンクタンクの生活経済研究所長野の事務局長を務める塚原哲氏が、アッパーミドル層の男性を対象に「骨太」の家計改善法を伝授する。3回目は、個人年金の実質利回りが予定利率の4分の1程度になってしまうカラクリを解き明かす。

 個人年金保険とは、自分で積み立てたお金を老後に分割して受け取れる一種の貯蓄商品だ。加入者の関心事はまずは予定利率(契約時に約束される運用利率)だろう。三井住友海上あいおい生命は0.75%、アフラックと第一生命は1.15%、ソニー生命(平準払い)と全労済が1.50%だ。

 これを「銀行のスーパー定期より高い!」と思った読者は要注意。実質利回りは想像以上に低いからだ。

 例えば30歳男性が60歳まで月1万円、総額360万円を積み立てて60歳時に一括で受け取る場合、アフラックの受取総額は372万1773円(返戻率103.3%)。逆算すると実質利回りは約0.22%で、予定利率の5分の1以下だ。東京スター銀行の「スターワン5年定期預金」の金利は0.25%だから、銀行定期に逆転され得るレベルに過ぎないのだ。

 三井住友海上あいおい生命も同様で、荒っぽく言うなら予定利率は4分の1程度となる。なぜ、実質利回りがこれほど低くなってしまうのだろうか。

■全額が運用に回るのではない

 理由は簡単、掛け金から保険会社の事業経費などが差し引かれ、その残りしか運用に回らないからだ。

 先のアフラックで逆算すると、月1万円のうち、予定利率1.15%で運用されるのは月8700円程度。差額の月1300円程度は運用以外の用に消えている計算だ。「個人年金保険料控除が適用されて税金が安くなる」という営業トークも聞こえてくるが、実は月額0~914円に過ぎない。例えば勤労者の場合、所得税・住民税を合わせて年1万968円(月額914円)以下にとどまる。

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