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5月こそとりたいビタミンC

幅広い効果に注目

日経ヘルス編集長 藤井省吾の「健康時評」

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NIKKEI STYLE

おなじみの健康素材ビタミンCを、大量に使う健康・美容法が再注目されている。米国のライナス・ポーリング博士が、1960年代に1日10gを超えるビタミンCの摂取が「かぜなどに有効」と提唱したが、その後の研究で否定され、大量摂取の効果は疑問視されていた。

ところが、今、改めて美容医療やアンチエイジングなどの目的で"大量ビタミンC療法"の有効性が再評価されている。その理由は簡単で、「塗る」「浸透させる」「点滴する」などの方法で、ビタミンCを目的の部分に届ける技術が開発されたからだ。

しかも、いったん浸透させると、体内でフリーラジカルや活性酸素を消去する働きがあるほか、コラーゲンを作り出すことにも欠かせないなど、幅広い働きが確認されている。

5月は、皮膚の奥まで悪影響のある紫外線A波が1年の中でもピークに近づくとき。紫外線により皮膚でフリーラジカルや活性酸素が発生しやすい時期でもある。これまで以上にビタミンCを積極的に利用してみてはいかがだろうか。

肌に浸透させると、シミ・シワ改善、ニキビを治す効用も

まずは、「塗る」効用から。

ビタミンCというと、女性の多くが「美肌のビタミン」とイメージするが、単なるビタミンCを水溶液にした化粧品はほとんどない。すぐに酸化されて変性してしまうからだ。

まず、高濃度のビタミンCを塗って浸透させるために開発されたのが、ビタミンCを誘導体にしたり、ポリオールなどに溶かしこむ技術だ。この方法でビタミンCを2%から最大20%の濃度で化粧品に使えるようになった。「美白化粧品」や「アンチエイジング化粧品」のほとんどが、この技術を使っている。厚生労働省が認可した効果の範囲だけでも、「メラニンの生成を抑え、シミ、ソバカスを防ぐ」ことが可能。実際の効果はこれにとどまらない。紫外線が当たると肌には活性酸素が生じるが、これを消去することにより、紫外線による新しいシミやシワの発生を防ぐ。

また、ニキビに高濃度のビタミンCの誘導体入りの化粧品が有効という研究結果もある。「ニキビの炎症時には、アクネ菌という原因菌に対する炎症反応で大量の活性酸素が出て、ニキビをさらに悪くする。ここでビタミンCの誘導体を塗ると、活性酸素が消去されて、ニキビが減って肌質も整う」と、ビタミンCの効用に詳しい青山ヒフ科クリニックの亀山孝一郎院長。

一歩進んで、電流の働きでビタミンCを肌に浸透させる「イオン導入法」も効果が高い。皮膚に直流電流を通して、水溶液の中でイオン化したビタミンCの誘導体を電流の力で皮膚に送り込む方法だ。単に塗るよりも、数十倍の濃度のビタミンCが入るというデータもある。イオン導入法は、従来は皮膚科に併設されるメディカルエステなどで行われていたが、今では、1万円しない家庭用の美顔器でも採用されている。シミが薄くなり、美白できるだけでなく、肌にハリを感じる人が多い。

高濃度の点滴療法でアンチエイジング がん治療の補助的な効果も

誘導体を塗る、電流でイオン導入する――これらの方法でもビタミンCは浸透するが、もっと直接的に大量のビタミンCを体内に届ける方法もある。それが、医師の治療として1回数gから数10g程度のビタミンCを直接、静脈から体内に入れる「点滴療法」だ。

「飲んだビタミンCの吸収率にくらべると、点滴をすると血液中にはるかに効率よくビタミンCが届く。この方法で血液中の濃度を高めれば、ビタミンCが活性酸素やフリーラジカルを消去する作用により、アンチエイジング効果が期待できる。また、抗がん剤治療中のストレスからも体を守ることができる」と、元・杏林大学教授で点滴療法研究会の会長としてこの治療法を研究する柳澤厚生医師は語る。

さらに、抗がん作用も期待されつつあると言う。「ビタミンCが活性酸素を消去するときに過酸化水素が発生する。この過酸化水素を通常の細胞は消去できるが、がん細胞は消去できないので、がん細胞が選択的に死滅するというメカニズムも期待されている」と柳澤医師はいう。現在、治療法がほかになくなったときのがんへの選択肢の一つとして自費で高濃度ビタミンCの点滴療法を受ける人が増えているという。

ビタミンCは放射線に対して体を守るデータも

ビタミンCの効用
美肌
・シミを防ぐ、薄くする
・シワを防ぐ、改善する
・ニキビを改善する
疲れ
・活性酸素
・フリーラジカルを消去、
・疲れを防ぐ
アンチエイジング
・活性酸素・フリーラジカルを消去、
・エイジングを防ぐ
放射線対策
・活性酸素・フリーラジカルを消去、
・遺伝子への害を減らす

さらに、「ビタミンCをのむことで、放射線の害を減らせるというデータもある」と、柳澤医師は話す。

「そもそも放射線が遺伝子を傷つけるときも、その大部分はフリーラジカルによる」と、柳澤医師はいう。放射線が水などの分子に当たったときに、水などの分子が一部壊れて不対電子というものを持つフリーラジカルになり、これが周囲の分子も次から次へと連鎖するようフリーラジカルにして、遺伝子まで傷つける。

この性質を考慮して、米国ではX線やCTの検査を受ける前にあらかじめ飲むための抗酸化成分を配合したビタミンCなどのサプリメントも市販されている。また、人の細胞やマウスを使った試験でビタミンCやαリポ酸などの抗酸化成分をとると、放射線の害に強くなることもわかっている。

さて、飲む場合に腸から血液中へと吸収されにくいというビタミンC。どのくらいの量を、どのように飲めばいいのだろうか?

柳澤医師が、ビタミンCの放射線への防御効果を調べた論文や、点滴療法の研究から導きだしたところ、基本は1日にビタミンCを1.5g以上飲むことだという。そして、できるだけ3回に分けて飲む。しかも、食事と同時にとる方が、血液中への吸収が良くなり、血中濃度も維持されやすいという。さらに、ビタミンCのほか、αリポ酸やビタミンEなどを加えると、互いに補いあい抗酸化力が増すのでお薦めだという。

実際に、1gを超える多めの量でビタミンCを飲むと、日焼けが早くさめる、シミが定着しにくいなどの効果を実感する人は多い。一方、放射線については、「すぐには変化は感じられないので、ビタミンCの実際の効果は、20年後の発がん率までを検証しないとわからない可能性も高いが、人の血液を使った研究などから、害を減らす可能性は高い」と柳澤医師。

このことを理解した上で、すべての体内のフリーラジカルや活性酸素の対策としてビタミンCを上手に利用してみたいものだ。

藤井省吾(ふじい・しょうご)
日経ヘルス編集長。東京大学大学院(農学系)を修了。1991年に医師向けの専門雑誌『日経メディカル』の記者として取材をスタート、98年からの『日経ヘルス』記者生活でも、医学と科学をベースに取材・編集を担当。08年から現職。

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