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震災ボランティア 20代が汗を流す3つの理由 編集委員 石鍋仁美

2011/6/13

 東日本大震災の被災地で、多くの若者がボランティア活動に汗を流している。時間に余裕のある学生。仕事を休んで参加する社会人。なぜ若い人々が「人助け」に魅力を感じるのか。彼らが育った環境、手本とする人物像の転換、情報環境の変化という3つの要因が指摘できる。

民家の倉庫にたまった泥をかき出す、県外からきたボランティア(2011年5月3日、宮城県七ケ浜町)

 東京に本拠を置く、ある特定非営利活動法人(NPO法人)が、ホームページで被災地でのボランティア活動を写真付きで詳しく報告している。本来は途上国での教育支援を目的とする団体だが、震災を受け被災地にキャンプを張り、広くボランティア希望者を受け入れ、活動場所を提供している。

■大震災前からの現象

 5月の連休中は毎日200人、今でも100人前後が日々、活動に参加している。建設機器を使える人が、倒れた塀などを解体している。女性が水路の泥やヘドロをスコップでかき出している。飲食店勤務の経験者が居酒屋の再開を手伝う。

 泥だらけになっての田植え。仮設住宅への引っ越し。そんな生き生きした若者たちが頼もしく、まぶしい。「自分の今までの経験を生かせる。今、動く時だと感じた」。沖縄県から参加したレジャー・宿泊施設で働く若者の言葉だ。

 これは大震災という大きな事件ゆえの特別な現象ではない。

 1995年の阪神大震災でも若者たちが被災地に駆けつけ、ボランティア元年といわれた。その後もさまざまな社会貢献活動への熱意は冷めないばかりか、内閣府の調査では2007年ごろを境に4割台から6割台へと上昇している。街なかでゴミ拾いをするサークルを各地の学生や若手社会人が作るなど、日常の中での活動も活発だ。

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