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ホントが知りたい 食の安全

本当に怖いのは? 食品リスクの「大きさ」の考え方 ホントが知りたい食の安全 有路昌彦

2013/1/11

 ますます気になる食の安全。私たちの生活と健康に直接関係するだけでなく、ちょっとした誤解から風評被害が発生、何千億円規模の損失が出ることも珍しくありません。多くの人が幸せに暮らすには、バランス良い世の中であることが大切。そのためには風評被害のようなダメージが発生しないようにすることが必要です。この連載では、食と環境をテーマに、バランスよく持続可能になるにはどうすればよいかを専門に研究している筆者が、毎日の生活から浮かび上がってくる「食の安全」の疑問を解決します。

 今回の話は、「食品リスクの大きさランキング」についてです。

 食品リスクとは、飲んだり食べたりしたことで健康をどの程度害するかを平均した値のこと。大きいものから小さいものまで様々です。

 漠然と「これはリスクがある」、「あれはリスクがない」といったように、「ある」「なし」で判断できるものではありません。

 リスクの大きさを、交通事故と自動車保険を例に考えてみましょう。

 免許をとったばかりで血の気の多い(?)20歳代前半の方々の保険料はとても高額です。なぜなら、それだけ交通事故を起こすリスクが大きいからです。

 35歳以上の人と20歳代前半の人では圧倒的に20歳代前半の人の事故率が高く、その分保険料は高くなります。逆に、長く運転して無事故無違反の人は保険料がどんどん安くなっていきます。これは安全運転の人は、結果として事故を起こすリスクが小さいからなのです。

 自動車を買ったとき、スポーツカーだと保険料が高いのも同じ理由です。どうしてもスピードを出したくなってしまうことが、統計的にはっきりしているのです。

■圧倒的に大きい食中毒のリスク

 食べ物の場合、どんな食べ物を、どれだけの量食べたのかでリスクは基本的に決まります。

 食品リスクの中で圧倒的に大きいのは、不衛生による「食中毒」です。腸管出血性大腸菌、ノロウィルス、腸炎ビブリオ、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌など様々あり、どれも不衛生な状況で作られた食べ物によって発生します。

 私自身も、時々食中毒になっています。こう言うと驚かれることでしょう。かつては、自分が食中毒になった時に、なんか体調が悪い、くらいにしか思っていませんでした。

 しかし今は「下痢のうえに、嘔吐(おうと)と立ちくらみ。トイレに行くのもやっとの、この症状は黄色ブドウ球菌!」といったようにわかるようになっています(何の自慢にもなりませんが)。

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