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ベストセラー『聞く力』はなぜ売れた? 阿川佐和子に直撃

日経エンタテインメント!

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 2012年1月に発売以来、現在も売れ続けるロングセラーの新書『聞く力』。新書のジャンルは時事問題や基礎的な教養、ノウハウなどを提供するものが多いため、中心読者は中年男性といわれる。だが『聞く力』はエッセーに近い内容であることもあり、30~50代の女性に多く読まれている。このヒット作はどうやって生まれたのか。

 1993年から続く「週刊文春」の対談連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」をはじめ、数多くインタビューを手がけてきた阿川佐和子。そんな彼女が"聞く"をテーマに自身の経験をまとめた新書『聞く力』が発行部数45万部超(2012年7月時点)のベストセラーとなっている。本人は「インタビューが得意と思ったことはないし、聞き上手ではない」と強調する。そんな彼女の『聞く力』がなぜ多くの人の心を捉えているのだろう。

阿川本の依頼があったのは2011年春。ちょうどその時期、NHKの『課外授業 ようこそ先輩』[注1]という番組で、小学6年生を相手に「人に話を聞く」をテーマに教えていたんです。聞くことに焦点を当て、友達や先生、親兄弟とどうすればうまく会話できるか、何かヒントになることを伝えられるといいなと思い引き受けたんです。

小学校では、私がダメなインタビュアー役となってゲスト役の生徒に質問したり、生徒同士がペアになってインタビューし合ったり、実践を交えて教えました。「相づちはとても大事」とか、「質問項目に縛られず、相手の話に集中したほうが次の質問が浮かんでうまくいくよ」とか、その都度アドバイスもして。私自身、どうすれば聞くってことを子どもたちにうまく伝えられるか、子どもたちの反応を見ながら、いろいろ試しながらやっていました。

私は話し好きの聞き下手

そんな時にこの本の話があって。普通なら「嫌だ」と断りかねないところを、やってみようと思えたんです。子どもに教えるため、あれこれ考えるうちに、頭の中が整理されたのもよかった。「~ようこそ先輩」の経験がなかったら、この本は出なかったかもしれません。

[注1]様々なジャンルで活躍する著名人が母校で後輩たちのため、2日間の授業を行うNHKのドキュメンタリー番組。

刊行することは決めたものの、私はインタビューのエキスパートではありません。ノウハウ本にするのは、とても無理です。どうしようかと考えた結果、今までインタビューしたなかで、うまくいったり、落ち込んだり、失敗から学んで次はこうしようと思い至ったことなど、人との具体的なエピソードをたくさん積み重ねていくことならできるかなって。だから、聞くことをテーマにした「エッセー」と思ってもらえると、私自身もしっくりきます。

話を聞くことが上手になりたいと思って、阿川が書いた本を読んでその通りにしたけど、「うまくいかなかった」と言われても責任は負えないので逃げ道の意味でも(笑)。

『聞く力』に関するテレビ取材を受けたとき、友人の檀ふみがコメントをくれたんですね。「阿川さんが聞き上手かと聞かれたら私は同意できません。むしろ阿川さんは、話し上手、話し好き、話し過ぎ!」って(笑)。ホントにその通りで、私は話し過ぎで話し下手でもある。話し出すと本題までが長すぎて、「早く結論を言え!」とよく怒られます。ですから、プライベートでは決して黙って人の話を聞くタイプではないんです。

聞くのが苦手だからこそ試行錯誤を重ね、具体的に書けた

聞き下手なのに、聞く仕事をしなければいけなくなったから失敗も多くて。「いかんいかん、これじゃ干されてしまう…」との思いから、聞くためのいろんな知恵を必死で身につけようとしたんだなと、今振り返ると思います。

長嶋茂雄さんが監督時代、「ホームランを打つにはどうしたらいいですか?」と聞かれて、「球が来たら打てばいい」と言ったという有名なエピソードがあるじゃないですか。もし私が聞き上手だったら、「どうすればうまく聞けますか?」と問われたら、長嶋監督同様、「聞いてみればいいんじゃない?」って答えると思うんですよ。でも聞き下手の私は、苦手でできない人の気持ちが痛いほど分かる。だからこそ、うまくできなくて反省したり、試行錯誤したりしながら経てきた20年の経験を、なるべく具体的に書くことができたんじゃないかなと思います。

インタビューは毎回必死で、うまくできたのか、自分では客観的な判断ができません。けど、昔も今も、「この人に話したい。語って楽しかった」と思ってもらえる聞き手になりたいとは思っています。私のようにインタビューを生業にしていなくても、「聞く」ことは、誰しも自然に行っていますよね。友達の恋の悩みを聞くのも、上司と意見を交わすのも同じ。これを読んだ人が何かのヒントを見つけて、周囲の人たちとよりよい関係を築いてもらえたらうれしいです。

(ライター 平山ゆりの)

[日経エンタテインメント!2012年8月号の記事を基に再構成]

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