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「電池持ち」対決 頂点に立ったスマホは?

 

2012/10/4

 今年のスマートフォン(スマホ)夏モデルは、最新のAndroid(アンドロイド)OS(アンドロイド4.0)に対応し、機能や使い勝手が大幅に向上しており、今こそ、買いの好機といえる。

 多くの機種が従来の3G(第3世代携帯電話)を大幅に上回る高速通信サービスに対応。下りの速度は、NTTドコモの「Xi(クロッシィ)」が最大75Mbps(メガ・ビット/秒)、auの「WiMAX(ワイマックス)」が最大40M

  • 写真1 スマートフォン利用者が不満としてよく挙げるのが電池持ちの悪さ。それに対し、夏モデルはバッテリーの大容量化が進んだのが特徴だ。処理能力の高いCPUの搭載や大画面化など、機能も大幅にアップしている
 今年のスマートフォン(スマホ)夏モデルは、最新のAndroid(アンドロイド)OS(アンドロイド4.0)に対応し、機能や使い勝手が大幅に向上しており、今こそ、買いの好機といえる。

 多くの機種が従来の3G(第3世代携帯電話)を大幅に上回る高速通信サービスに対応。下りの速度は、NTTドコモの「Xi(クロッシィ)」が最大75Mbps(メガ・ビット/秒)、auの「WiMAX(ワイマックス)」が最大40Mbps、ソフトバンクモバイルの「ウルトラスピード」が最大42Mbpsに達する。

 CPUはデュアルコアが主流になった。また、「おサイフケータイ」や「ワンセグ」、「赤外線通信」といった、ガラケー(ガラパゴスケータイ=日本独自の機能を多数装備した従来型の携帯電話)でおなじみの機能への対応も当たり前になった。

■機種によって差が大きい電池の持ち

  • 写真2 NTTドコモのGALAXY S IIIは、バッテリーの容量が2100mAhと非常に大きい。他モデルも大容量化が進む
 アンドロイドスマホの機能やスペックが成熟してきたなかでも、機種によって特に差が付くのがバッテリーの持ちだ。ユーザーの不満点として挙げられることが多く、各社は強化を進めている。例えば、ドコモの「GALAXY S III SC-06D」(韓国サムスン電子製)は、バッテリー容量が従来モデルから1割以上アップし、2100mAh(ミリアンペア時)になった。夏モデルでは1800mAh以上の端末も多い[注1]

 そこで今回は、ドコモ、au、ソフトバンクの夏モデルのなかでも、バッテリー容量が大きく、マルチコアCPUを採用した高機能モデルを選抜。ウィルコムのPHS回線も使えるアンドロイドスマホ1機種を合わせた計16製品に関し、“電池持ち”を中心に性能をテストしてみた。

[注1]NTTドコモは8月28日に、2012年秋モデルとしてアンドロイドスマホ3機種を発表。バッテリー容量は「AQUOS PHONE si SH-01E」(シャープ製)が1660mAh、「Ascend HW-01E」(中国ファーウェイ・テクノロジーズ製)が1800mAh、「Optimus G L-01E」(韓国LGエレクトロニクス製)は2210mAh。この3機種は今回のテストの対象外。

 電池持ちテストは、画面を常時点灯にし、ストリーミングラジオを聴き続ける方法で行った。具体的には、ラジオアプリ「TuneIn Radio」を使い、画面輝度50%・常時点灯でストリーミングし続けて電池切れまでの時間を計測。XiやWiMAXの対応端末ではいずれも、3G通信ではなく高速通信を使用。通信が必要になるウィジェットや省電力機能はオフにした。テストは2回行い、その平均値をグラフにまとめた[注2][注3]

■唯一、5時間を超えた「HTC J」

 画面を点灯しながら通信を行うという過酷な条件ながら、全16機種が2時間30分以上連続で再生できた。なお、省電力モードがある端末でも機能をオフにしてテストしたため、同モードをオンにすれば再生時間はさらに延びるだろう。

  • 図1 ラジオアプリのストリーミング再生によるバッテリー耐久テスト(単位:分)  テスト条件は本文を参照。

 16機種の中で圧巻の電池持ちだったのが、auの「HTC J ISW13HT」(台湾HTC製)。WiMAXの高速通信を使いながらという電池を消耗しやすい条件だったにもかかわらず、連続再生時間は5時間を超えた。バッテリー容量は1810mAhと平均的だが、画面が約4.3型と比較的小さいうえ、消費電力が少ないとされる有機ELディスプレイのメリットが出たと思われる。

 HTC Jに次ぐのが、同じく有機ELディスプレイを採用したドコモのGALAXY S III。約4.8型の大画面、Xi対応ながら、2100mAhという大容量バッテリーを搭載していることが功を奏したといえる。

[注2]ラジオアプリのストリーミング再生によるバッテリーチェックの内容は、あくまでも日経トレンディ誌の実験によるもの。端末の状態や電波状況、使用条件などにより変わる可能性がある。
[注3]本記事に登場する社名のうち、ソニーは「ソニーモバイルコミュニケーションズ」、パナソニックは「パナソニック モバイルコミュニケーションズ」、NECカシオは「NECカシオモバイルコミュニケーションズ」の略。

■ドコモの全部入りスマホで“長持ち”するのは

 ガラケーからアンドロイドスマホへの乗り換えを考えるなら、電池持ちだけでなく、おサイフケータイやワンセグ、赤外線通信への対応度が気になる。以下では、電池持ちと機能のバランスを考え、キャリア(携帯電話事業者)ごとにベストの1台を選び出した。

 ドコモの場合、電池持ちはGALAXY S IIIがトップ。Xiで高速通信ができるうえに、画面が大きく、動作も非常に軽快だった。ただ、おサイフケータイとワンセグには対応するが、赤外線通信は使えない。日本独自のこれら主要3機能に対応した“全部入り”スマホが欲しい人は要注意だ。

  • 図2 NTTドコモの主な夏モデルを「電池の持ち」と「ガラケー機能対応度」の2軸で比較  今回のテストによる電池持ちのランキング結果に対し、機能の充実度を組み合わせて図示した。今回取り上げた機種の中で電池持ちが最も良かったのはGALAXY S IIIだが、赤外線通信には非対応だ。一方、REGZA Phoneは、電池持ちこそGALAXYに譲ったが、全部入りなのが魅力。図中の10機種のうちELUGA V以外は、Xiの高速通信に対応している。

 全部入りスマホの中で最も電池持ちが良かったのが、「REGZA Phone T-02D」(富士通製)。ドコモではGALAXY S IIIに次いで再生時間が長かった。Xiや防水に対応しているのも魅力だ。

 ドコモの夏モデルで唯一クアッドコアCPUを採用する「ARROWS X F-10D」(富士通製)は、ゲームや作業を同時進行する際に処理能力の高さを感じられたが、電池持ちでは振るわなかった。

  • 図3 今回テストしたドコモ製品10機種の仕様  夏モデルのなかで、バッテリー容量が大きく、マルチコアCPUを搭載した高機能モデルを主に選んだ。

  • 図4 今回テストしたドコモ製品の中では、電池持ちを第一に考えるならGALAXY S III、機能重視ならREGZA Phone。最も薄いMEDIAS Xも、ドコモ製品の中では電池持ちで6位と健闘[注4]

■同じ「ARROWS」でもキャリアによって差

 auは取り上げた3モデルすべてがWiMAXに対応するが、なかでもHTC Jが買いの一番手。前述のように、電池持ちは他キャリアの端末を含めた結果でも首位になった。防水ではないことを除けば、ガラケー機能をフル装備するなど機能も充実する。

 防水も含めた全部入りなら、「AQUOS PHONE SERIE ISW16SH」(シャープ製)が薦められる。auの夏モデルの中ではHTC Jに次いで電池持ちが良く、画面は約4.6型とHTC Jに比べて大きいのも魅力だ。

 「ARROWS Z ISW13F」(富士通製)とドコモのARROWS X F-10Dは、クアッドコアCPUを採用するなど仕様がほぼ同じ。au版は、auの中では電池持ちが最も悪くなったものの、ドコモ版よりは再生時間が長かった。au版はWiMAX、ドコモ版はXiに対応しており、通信方式の違いが影響した可能性も考えられる。

[注4]スマートフォンの実質価格は、2年間の継続利用を前提に新規契約・一括払い時の端末価格から各キャリアの割引施策による毎月の割引分(24カ月分)の合計額を差し引いたもの。内容はすべて2012年8月中旬時点の情報(日経トレンディ誌調べ)。

  • 図5 今回テストしたau製品3機種の仕様  夏モデルのなかで、バッテリー容量が大きく、マルチコアCPUを搭載した高機能モデルを主に選んだ。

  • 図6 今回テストしたau製品の中では、長時間駆動なら「HTC J」、防水が必須なら「AQUOS PHONE SERIE」がお勧め。これに対して「ARROWS Z」は、電池持ちで他の2モデルに譲るが、auで唯一クアッドコアCPUを搭載し、高負荷の処理も快適だった[注4]

 ソフトバンクの2機種では「ARROWS A 101F」(富士通)が電池持ちで優勢。全部入りでウルトラスピードにも対応する。

  • 図7 今回テストしたソフトバンクモバイル製品2機種とウィルコム製品1機種  ソフトバンクの主な高機能モデルの他、ウィルコムの夏モデル1機種を選んだ。

  • 図8 今回テストしたソフトバンクモバイル製品の中では、電池持ちを最優先するなら「ARROWS A」、大画面なら「AQUOS PHONE Xx」が選択肢となる[注4]

■REGZAやAQUOS、GALAXYも健闘

 今回のテスト結果から判断するなら、キャリアを問わずに夏モデルから選ぶ場合、電池持ち重視なら、auのHTC Jが最有力。同機種は主要なガラケー機能も網羅する。

 一方、防水まで含めた“全部入り”なら、ドコモのREGZA PhoneやauのAQUOS PHONE SERIE、大画面が必須ならドコモのGALAXY S IIIが電池持ちと機能のバランスに優れるといえるだろう。

(日経トレンディ 森岡大地)

[日経トレンディ2012年10月号の記事を基に再構成]

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