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発症リスクは25倍「遺伝性乳がん」を知る検査 日本の現状 乳がんの最適治療(2)

2013/6/14

 米女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが検査を受け、乳房の切除・再建手術を受けたことで注目されている乳がんの遺伝子検査。確かに、同じ家系で乳がんや卵巣がんになった人が複数いる場合は、家族性・遺伝性乳がんの可能性は否めません。発症リスクが25倍にも跳ね上がるとされる遺伝子の研究が進められ、カウンセリングも始まっています。日本での事情を紹介しましょう。

■乳がん患者全体の5~10%が遺伝性

 乳がん患者の約8割は家族歴に関係なく発症しています。しかし血縁者に乳がん、卵巣がんの患者が複数いる場合、乳がんになりやすい体質を受け継いでいることがあります。これを「家族性」乳がんと呼びます。また、遺伝子の変異が判明している乳がんを、「遺伝性」乳がんといいます。

 「米国の統計では、乳がん患者全体の5~10%が遺伝性とされています。日本でも近年の研究で、米国と同等の割合で存在するというデータが出ています」と話すのは、聖路加国際病院(東京都中央区)ブレストセンター長の山内英子さん。遺伝性乳がんとされる患者のほとんどが、BRCA1とBRCA2という2種類の遺伝子のどちらかに変異を持つことも分かっています。

スマイルサロンで患者の相談を受ける乳がん経験者(聖路加国際病院ブレストケアセンターhttp://luke-bc.net/)
聖路加国際病院ブレストセンター待合室内に開設された「スマイルサロン」。乳がん経験者のボランティアが相談に乗る

 欧米のデータでは遺伝性の場合、50歳までに乳がんを発症するリスクは変異を持たない場合に比べ16~25倍。「若年で発症しやすい、両側に発症しやすいといった特徴も」(山内さん)。関係する遺伝子は卵巣がんの発症にもかかわります。

 科学的に調べる手段としては血液を用いての「遺伝子検査」がありますが、現在保険適用はなく、20万~30万円程度の費用がかかります。また、自分の遺伝情報を知るという考え方が日本にはまだなじみがなく、遺伝性と分かったときの対策も含め社会的な環境が十分に整っていないのが現状。「ただ、もしかして自分も…と心配な場合は、検査を行う医療機関に相談(遺伝カウンセリング)をしてみると、不安や疑問解消の糸口になるはず」と山内さん。費用は聖路加国際病院の場合、1時間3000円です。

あなたは「乳がんハイリスク」? チェック
□ 40歳未満で乳がんを発症した血縁者がいる
□ 年齢を問わず、卵巣がんになった血縁者がいる
□ 年齢を問わず、血縁者に原発乳がんを2個以上発症した人がいる
□ 血縁者に男性乳がんになった人がいる
□ 乳がんになった血縁者が自分を含め3人以上いる
□ BRCAという遺伝性乳がんの遺伝子変異が確認された血縁者がいる
□ 抗がん薬、分子標的薬、ホルモン療法薬のいずれもの治療が難しい(トリプルネガティブ)といわれた乳がんの血縁者がいる

 上のリストで一つでも該当する人は、家族性・遺伝性乳がんの可能性が。一度乳腺の専門家に相談するといい。

■遺伝子変異があるとリスクは跳ね上がる

 欧米の研究では、BRCA遺伝子(1、2のいずれか)に変異がある場合の乳がんの発症リスクは、そうでない場合と比べ、50歳までで16~25倍、70歳までで8~12倍になるというデータが。両乳房の発症や再発率が高いことも分かっている。(データ:NEJM;357,2,:154-62,2007)

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