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ホントが知りたい 食の安全

水産資源の保護は家での魚さばきから ホントが知りたい食の安全 有路昌彦

2013/4/5

 ある食べ物が、今後は食べ続けられなくなるとしたら、それも1つの食品リスクです。

 魚をはじめとする水産物は、獲りすぎると枯渇します。そんなことは、子どもでもわかりそうな事実なのに、なぜ「獲りすぎ」が発生するのでしょうか。大きくわけて2つのメカニズムがあります。

 1つ目のメカニズムは、資源の管理ができていない状態で、買う人がたくさんいることで発生します。ウナギやマグロがその典型例。

 ウナギが減っている直接の原因は、生息している環境が、構造物などで破壊されていることです。しかし、それよりも大きな理由は、稚魚であるシラスウナギの獲りすぎです。

 「中国産ウナギ」をよく見かけませんか。これは、元々はヨーロッパにいる別種のウナギのシラス(稚魚)を漁獲し、空輸して中国で大きくしたものです。

 世界的にウナギ資源の枯渇はひどく、また厄介なことに、ウナギは資源の回復に時間がかかる魚種です。いったん減ると、30年以上は戻りません。だから、漁獲を規制してもその効果がなかなか出ないのです。

■密漁が後を絶たない

輸入量はごくわずかだが市場に出ているアメリカウナギ

 もちろん、過剰漁獲の規制はあります。しかし、1kgで200万円もする高価なシラスウナギは、密漁が後を絶たちません。結局、ヨーロッパウナギは絶滅寸前にまでなり、ワシントン条約で規制され、使われなくなったのです。

 しかし今度はアメリカにいるアメリカウナギにシラスウナギの調達先が変わっただけで、結局枯渇を生むメカニズムは変わっていません。現在、ヨーロッパウナギは資源の97%がすでになくなった状態で、アメリカウナギも、日本ウナギも残り10%という状況になっています。

 これは結局食べる人間がいることで発生するので、我々日本人が消費量をコントロールしなければなりません。例えばしっかり資源管理ができているところで漁獲されたシラスを使ったウナギにエコラベルを付けるとか、資源管理に必要なお金を「ウナギ税」として徴収するなどが方法として考えられます。

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