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10年の眠りから覚めた秘伝タレ 幻のウナギ老舗復活 周五郎や瞳も愛した名店

2013/8/2

国産のウナギを使った「八十八」のうな重と肝吸い、自家製の漬物

 8月3日は「土用の丑(うし)」の日。7月22日に続く「二の丑」になる。街中に漂うかば焼きの香りに心動かされる人も多いことだろう。しかしウナギ好きにとっては相変わらず値段の厳しい逆境が続いている。食べる側だけではない。専門店の方も稚魚代の高騰を転嫁できず廃業を余儀なくされるケースが相次いでいる。しかしこの状況下にあっても逆に、閉店していた老舗が約10年ぶりに横浜で復活していた。作家の山本周五郎、山口瞳らが愛好した幻の名店「八十八」だ。(文中敬称略)

辛口で評判に

調理場では次々とウナギが焼き上がる

 八十八は1910年(明治43年)の創業。キリッとした口当たりのタレが特徴で評判を取り、地元ではもう1つの名店である「わかな」と共に「甘口のわかな、辛口の八十八」と並び称されていたという。

 地元経済人や政治家らもよく利用しており、旧神奈川1区選出の小此木彦三郎元通産相らもヒイキにしていたそうだ。小此木元通産相は現在の菅義偉官房長官が秘書として10年以上仕えたかつての自民党大物。八十八は専門店の枠を超え、横浜を代表する高級和食店の1つとして名が知られるようになった。全盛期には横浜駅ビルにも出店していたという。しかし1990年代の不況などで客足が減少、2代目の体調不良もあって2001年に閉店した。

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