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激化するアジアのアート競争 日本がとるべき戦略は

2014/5/30

 欧米中心だった世界の美術市場で存在感を増すアジア諸国。各国が文化力を競い合う中、日本はどうすれば勝ち残れるか。現代アートの学校を主宰する塩見有子氏を司会役に、アジアのアート事情に詳しい小山登美夫氏、金島隆弘氏、綿江彰禅氏がアジア市場の特徴と日本の文化戦略の課題を語った。(以下、敬称略)
クリスティーズ香港で昨年5月に開かれたオークション CHRISTIE'S IMAGES LTD. 2014

塩見 美術市場を調査する欧州美術財団(TEFAF)の統計によれば、世界における美術品の総売上高は2013年度で約6.7兆円といいます。

 国別の1位は38%を占める米国、2位は24%の中国、その次はイギリス。20世紀末以降、経済成長やグローバル化を背景に、欧米主導だった美術市場にアジアが台頭してきました。小山さんは、現代アートにおけるアジア市場の特徴をどう見ますか。

■個展の前に競売デビュー

小山 欧米では、アーティストは美術館などで個展を開いて作品の評価を受け、知名度や値段を徐々に上げていくもの。一方、アジア、特に中国では2000年代以降、美術館や教育機関のインフラが整う前に、美術コレクターが急増しました。

クリスティーズ香港で昨年5月に開かれたオークション CHRISTIE'S IMAGES LTD. 2014

 ブームを支えたのはオークション会社のクリスティーズ香港。04年ごろから、それまで発表の機会が少なかったアジア現代アートに焦点を当て、オークションを開くようになりました。無名の新人でもそこに出品できた、というのが欧米との大きな違いでしょう。

金島 私は04~08年まで北京で働いていました。まさにアートブームの幕開けという時期で、オークション会社が核となり、アジア現代アートの価値を世界に打ち出そうとしていましたね。中国でギャラリーよりオークションを通じて美術品を買う人が増えたのは、特色の異なる地域ごとに細やかに顧客対応した結果だといわれています。

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