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社員の働く意識変えた 企業の震災ボランティア派遣

2011/7/27

 東日本大震災の被災地では今も多くの社会人ボランティアが汗を流す。企業が社員のボランティア参加を後押しする動きも広がっている。被災地で活動した社会人はどんなことに気づいたのか。企業が社員にボランティア活動をすすめる狙いとは何か。

6月17日、岩手県陸前高田市の線路で漂流物を拾うトヨタ自動車グループの社員

 洗濯半ばの衣類が入ったままの洗濯機、料理本が詰まった若い夫婦宅の本棚、結婚式のアルバム――。猛暑が続く6月下旬のある日、三菱商事の迫田一郎さん(48)は同僚10人と共に、仙台市で津波被害にあった半壊アパートから家財を運びだした。

汗を流し連帯感

 「取り壊す家をなぜきれいにするのか」「この作業がはたして効率的か」。夜は旅館で「復興支援とは何か」を巡り議論が沸騰した。最後には「被災者はあらゆる助けを必要としている」「人手のかかる地道な作業を積み重ねないと復興にたどり着かない」という結論に達したという。

 同社は今年4月からの1年間で1200人の社員をボランティアとして3泊4日で被災地に送る。交通費や宿泊費など経費は会社負担。「本業や基金を通じての支援のみならず社員みなで汗を流そう」と小林健社長が呼びかけて始まった。希望者は定員の2倍近く。ボランティア休暇を使い力仕事に汗を流す。

 被災状況を肌で感じた社員は「ひとりでできることは限られるが、支援を続けたい。まだまだやるべきことはたくさんある」(迫田さん)と気持ちにスイッチが入る。本業での貢献を模索する人も現れ、「農業再生の支援」といった社会的事業の提案も上がってきた。「社員がたくましさを増すと同時に、社員同士の連帯感が生まれた」と広田康人執行役員は語る。

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