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携帯番号の謎、なぜ11ケタ? 070追加のワケ

編集委員 小林明

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NIKKEI STYLE

今年11月から携帯電話の番号に「070」が追加されたのをご存じだろうか?

携帯電話の番号といえばこれまで「090」や「080」で、「070」はPHSの番号だった。だが、「070」に携帯電話とPHSが相乗りすることになったのだ。

なぜ「070」が携帯電話の番号として開放されたのか?

なぜそもそも携帯電話の番号は11ケタなのか?

これまで「0△0」の番号体系はどんな変遷をたどってきたのか?

取材を進めていくと、意外な事実や興味深い秘話が浮き上がってきた。そこで、今回は身近な存在であるケータイ番号のウンチクについて紹介する。

まず「0△0」タイプの番号体系について確認しておこう。

「030」「040」「060」などが空き番号

現状では左表のようになっている。

「010」は国際電話、「020」はポケベル、「030」と「040」は未利用、「050」はインターネット技術を活用したIP電話、「060」は携帯通信と固定通信を融合したFMCサービス(未指定)、「070」はPHSと携帯電話の相乗り、「080」と「090」は携帯電話――といった具合だ。

「030」「040」は将来の新たな需要のために温存されており、「060」も用途は定められているものの、実際には使われていない。つまり、「030」「040」「060」は「空き番号」になっている。

では、なぜ「070」を携帯電話に開放することにしたのだろうか?

携帯電話とPHSの番号の変遷を簡単にさかのぼってみよう。

「070」の未使用番号をケータイに

番号体系が10ケタから現在の11ケタに増えたのが1999年1月のこと。

元日の午前2時を境に、国内一斉に切り替えられたので、記憶に残っている方も多いだろう。それまでは「050」「060」をPHS、それ以外の「010」「020」「030」「040」「080」「090」を携帯電話の番号として使ってきたが、ついに携帯電話の急速な増加に追い付かなくなり、11ケタに増やすことにしたのだ。

新たに「070」で始まる11ケタの番号をPHSに、「090」で始まる11ケタの番号を携帯電話に統一した。これに伴い、携帯電話の番号容量はそれまでの6000万から9000万に拡大。さらに2002年3月には「080」も追加され、携帯電話の番号容量は1億8000万にまで膨らんだ。

しかし、携帯電話の台数は、この措置でも追い付かなくなるほど急速に増え続けた。そこで今回、「070」の中でもPHSが使っている「070-5」と「070-6」を除いたすべての番号を携帯電話に開放することにしたのだ。

これが大まかな歴史である。

2014年初頭には枯渇の懸念も

次に携帯電話、PHSの国内契約件数の推移をみてみよう。

PHSは400万~500万件でほぼ横ばいなのに、携帯電話は急ピッチで増え続けているのが分かる。08年には1億件を突破し、最近では年間約700万件のペースで拡大。すでに「国民1人あたり1台」の普及率を大きく上回っているわけだ。

これに伴い、携帯電話に指定できる番号の残数は年間約700万件のペースで減り続け、「このままでは14年初頭までに不足する恐れが出てきた」(総務省電気通信技術システム課)。そこで今年11月に「070」の空き番号を新たな携帯電話として追加することを決めたのだ。

新たに使えることになった携帯電話の新規番号は約7000万。今回の措置でひとまず「10年分の余裕」が生まれた計算になる。

需要急増させた「M2M」の普及

なぜ携帯電話の台数が急速に伸びているのだろうか? 総務省電気通信技術システム課の瀬島千恵子課長補佐によると、(1)固定電話には加入せず、携帯電話だけを利用する客が増えている(2)1人で2台持ちしている利用者が増えている(3)子どもやお年寄りへの普及も進んでいる――などの背景があるという。

さらに大きく影響しているのが「M2M」というサービスの需要増加。

「M2M]とは人を介さない、機器同士の相互通信のこと。

電子書籍やカーナビ、ゲーム機、遠隔計測などに携帯電話回線が使われるため、近年、携帯電話の番号需要が急増している。これにより電気、ガス、水道の遠隔検針、自動販売機の在庫管理、カーナビへのリアルタイムの情報提供、ワイヤレスによる電子マネーやクレジットカードの決済などが可能になっているのだ。

今後も「M2M」の番号需要は膨らみ続けるとみられており、「将来の需要として数億~数十億に達するのでは」という試算もあるほど。PHSの番号需要は今のところ横ばいなので、ひとまず緊急措置として携帯電話の番号に「070」を追加し、急場をしのごうという方針だ。

12ケタ化は見送り、需要動向を注視

もちろん、「番号体系を12ケタに増やす」という案も政府や業界の間で議論された。

だが(1)「M2M」が今後、どの程度増えるかが不確定な部分が多く、しばらくは推移を慎重に見極めるべきだ (2)ケタ数の変更は国民生活に甚大な影響を及ぼすうえ、業者にも新規投資増を強いる――などの理由で見送られたという。

「070」は、携帯電話の番号として使われている「080」「090」と連番なので「類推がしやすく、混乱を抑えやすい」(瀬島さん)という事情もあったようだ。「空き番号」である「030」と「040」を開放したらどうかという声もあったが、今後の番号需要の急増に備えて温存した方がよいと判断した。

こうして現在の番号体系が形成された。

主要国のケータイ電話は10~11ケタ

外国の携帯電話ではどんな番号体系をとっているのだろうか?

各国の状況をまとめたのが表である。

多くの主要国が10~11ケタに集中しているのが分かる。10億以上の人口を抱える中国は12ケタ、インドは11ケタ。ちなみに人口が少ないシンガポールは8ケタにとどまっている。日本の携帯電話の番号が11ケタなのは「国際的に見ても標準」と言えそうだ。

ただ、今後の動向次第では12ケタ化に移行する公算がまったくなくなったわけではない。

12ケタになった場合、たとえば「空き番号」の「030」と「040」だけで、20億の番号が新たに確保できる。

今後、市場にどんなサービスが生まれ、それが消費者にどのように使われていくか次第で、携帯電話の番号体系は柔軟に姿を変えていくことになりそうだ。

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