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車中泊、ブームの陰で苦情続出 騒音・ゴミ放置…

2012/8/15

 道の駅やサービスエリアなどの駐車場に車を止めて寝泊まりする「車中泊」について、ゴミの放置や場所の占有といったマナーを問題視する声が上がり始めている。夏休みで車での旅行が増えるこのシーズン。車中泊をするにはどんなことに気を付ければよいのだろうか。

道の駅から離れた別の駐車場に移るなどマナーを守る人もいるが…(8月11日、群馬県草津町)

 8月11日の午後8時過ぎ。群馬県草津町・草津温泉の「道の駅・草津運動茶屋公園」の駐車場は、乗用車やキャンプ用の車で埋め尽くされ、路上にも車があふれていた。いずれも車の中で寝泊まりする車中泊の旅行者だ。子ども連れの家族や中高年の夫婦など世代は様々。駐車場内でバーベキューをしている人の姿もみえる。

■火気厳禁のルール破る人も

 家族3人でやってきた神奈川県の会社員男性(44)は昨年から車中泊旅行を始めた。今年も長野の実家に帰省する前に草津温泉で1泊の予定。「旅館やホテルに泊まれば3万円近くかかる。車中泊で経済的な温泉旅行が楽しめる」と喜ぶ。

 ただ道の駅やサービスエリアは本来、旅行者がトイレに立ち寄ったり一時的に休憩したりするための場所。道の駅側は「一部の人だが、火気厳禁のルールを破ってバーベキューをしたり、電源を勝手に利用したりと常識では考えられない行動をする」と困惑する。目に余る利用者が増えたことで、昨年から駐車場の一部を夜間は閉鎖し、郊外の駐車場に移動するよう呼びかけているが、応じる車は少ない。

 職員の誘導を受け別の駐車場で車中泊をしていた高崎市の会社経営の男性(60)は、車中泊の経験が30年以上のベテランキャンパー。マナーの低下を「ただ節約のためだけで、車中泊を楽しんでいない旅行者が増えた。本来はゆとりを持って楽しむのが車中泊の魅力なのに」とため息をつく。

 夫婦2人で20年近く前から車中泊旅行をしている東京都練馬区の男性(73)も「一部のマナーが悪い人たちのせいで昔のように車中泊を受け入れてくれる場所が激減している。どこも車中泊が禁止され不便になった」と嘆く。

 ここ数年、車中泊をする人が目立つ。車中泊専門の雑誌「カーネル」編集長の稲葉豊さんは「圧倒的に多いのは定年を迎えた団塊世代の人たちが自由に旅を楽しむケース。節約旅行を意識する30代後半から40代後半までのファミリー層も増えている」と分析する。広い駐車場がある道の駅が増えたことや雑誌やインターネットで紹介されて話題になったことも背景にある。

 車用品店でも車中泊に使うグッズが多数販売され「長距離移動の車の中で仮眠する際に使う車用の網戸、カーテンなどの売れ行きが好調」(オートバックスセブン)という。

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