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イチからわかる

すぐできる自由研究 牛乳パックで手作りカメラ 「おうちで理科」セレクト集(7)

 

2012/8/19

 身近な牛乳パックを使って、簡単なカメラをつくってみませんか。カメラを明るい場所に向けて、のぞき穴から見てみると、内側のスクリーンに景色がうつっているという簡単なものです。デジタル部品もフィルムもありませんので、見えたものをプリントすることはできませんが、カメラのしくみを学ぶのにはぴったりです。牛乳パックの中のスクリーンに景色がうつるのはなぜか、そのワケも考えてみましょう。

■どうして? 屈折した光

 身近な牛乳パックを使って、簡単なカメラをつくってみませんか。カメラを明るい場所に向けて、のぞき穴から見てみると、内側のスクリーンに景色がうつっているという簡単なものです。デジタル部品もフィルムもありませんので、見えたものをプリントすることはできませんが、カメラのしくみを学ぶのにはぴったりです。牛乳パックの中のスクリーンに景色がうつるのはなぜか、そのワケも考えてみましょう。

■どうして? 屈折した光で逆さまに

 カメラの内側のスクリーンに景色がうつるのはなぜでしょうか。明るいところにあるものはまわりからくる光をはねかえして、光を出しています。その光の一部がカメラのレンズに入ります。レンズに入った光は曲げられて1カ所に集まります。右の図は、鉛筆の先端Aから出た光が、レンズで屈折してA’に集まっているところを表しています。A’のところにスクリーンをもってくると、鉛筆の形がうつるのです。

 このとき、鉛筆の上下左右は逆転しています。私たちの目のつくりも、牛乳パックのカメラと同じで、目の一番奥にある網膜には上下左右が逆にうつっています。けれども脳でもう一度逆転されるため、元と同じ形として認識されているのです。

■生い立ちは? 原点は1000年前、「部屋」が語源

  • 18世紀にフランスで製作されたカメラ・オブスキュラ=日本カメラ博物館提供
 カメラの生い立ちは1000年も前にさかのぼります。文化の栄えていたアラビアに、イブン・アル・ハイサムという学者がいました。彼の本「視覚の書」には、日食のときに太陽を観察する方法が載っていました。それは、「閉めきった暗い部屋の壁に小さな穴をあけておくと、そこから入った光が反対側の壁に当たって太陽の形をうつし出す」というものでした。壁にうつるのは太陽だけではありません。外の明るい景色はみな、うつし出すことができます。この方法は、彼の本を読んだ西洋の学者たちに評判となりました。

 暗い部屋のことをラテン語で「カメラ・オブスキュラ」といいます。カメラは部屋、オブスキュラは暗いという意味です。私たちが使っているカメラという言葉はここからきています。カメラ・オブスキュラは、はじめは小さな穴だけでしたが、16世紀にイタリアの学者がレンズを取りつけて、明るい鮮明な像をうつし出すことに成功しました。17世紀にはドイツの学者が2つの箱を組み合わせてピントを合わせるカメラをつくりました。牛乳パックのカメラはこれらの方法を利用しているのです。

(宇都宮市公立小学校長 湯沢光男、実験協力=仮説社)

[日本経済新聞朝刊ニュースクール2012年8月18日付]

 土曜の日経朝刊ニュースクール面で隔週で連載中の「おうちで理科」から夏休みの自由研究に向く記事をセレクト。家庭にある身近な材料を使って、簡単ですぐできる実験や観察を8月13~19日に毎日1つずつ紹介します。

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