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理想の上司像、17年間でこんなに変わった 編集委員 小林明

2014/5/16

 産業能率大学が毎年発表している新入社員に聞いた「理想の上司」。比較できる1998年度から最新の2014年度まで17年間の変遷を追い掛けてみると、興味深い傾向が浮かび上がる。トップ10の顔ぶれが大きく様変わりしており、各時代を反映した経済事情や世相が読み取れるのだ。そこで今回は「理想の上司像」にみる時代の移り変わりを紹介する。

 まずは14年度の「理想の男性上司」と「理想の女性上司」のトップ10を見ておこう。

■筋曲げない“バブル入社組”エース=半沢直樹

 同調査は今年3月26日~4月10日に産業能率大の新入社員研修を受けた受講者を対象に実施し、442人(男性288人、女性154人)から有効回答を得た。

 男性上司の1位はテレビドラマ「半沢直樹」の主役を演じた俳優の堺雅人さん。

 「やられたらやり返す、倍返しだ」――。こんな決めぜりふで人気を博した。原作は池井戸潤氏の小説「オレたちバブル入行組」。ドラマの中で半沢直樹は70年に金沢市で生まれ、慶応大学経済学部を卒業。92年に産業中央銀行に入行した“バブル入社組”という設定になっている。

 バブル入社組は同期が多く、出世競争が激しいが、半沢直樹は「頭取を目指す」と公言するエース行員。筋を曲げない性格から上司との摩擦は絶えないが、部下からの信頼は厚い。そんな上司像に新入社員からの大きな支持が集まったようだ。堺さんを選んだ理由としては「CMやドラマでのイメージ」が最も多かった。

 ランキングではこの後、池上彰さん、イチローさん、長谷部誠さん、水谷豊さんら常連組が続くが、特に目を引くのはお笑いタレントの有吉弘行さんが前年度の55位から7位にランク入りしたこと。今やレギュラー番組を数多く掛け持ちする売れっ子だが「鋭い指摘や的確なアドバイスをしてくれる頼もしさ」(産業能率大)が評価されたようだ。

■部下を引っ張る力強さ=天海祐希

 一方、女性上司の首位は宝塚歌劇団の元男役スター、天海祐希さん。

 5年連続で首位を走り続け、“天海時代”を築いた格好。男っぽいサバサバした姉御肌が人気でドラマやCMに引っ張りだこ。「部下を引っ張る力強さが幅広い支持を集めた」(産業能率大)。天海さんを選んだ理由としては「態度や姿勢が手本になりそうだから」が最も多かった。

 ランキングではこの後、江角マキコさん、篠原涼子さん、澤穂希さん、仲間由紀恵さんら常連組が続くが、目立つのはお笑いタレントの大久保佳代子さんが前年度の圏外から10位に食い込んだこと。大久保さんを選んだ理由としては「人柄がよく親しみやすそう」が最も多かった。

 次に17年間のランキングの変遷を一覧表で見てみよう。世相の移り変わりが読み取れて興味深い。

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