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印タタ自動車工場ルポ 「ナノ」に試乗してみた 編集委員 小林明

2014/7/11

インド最大財閥、タタ・グループのラタン・タタ名誉会長(右)が所有する世界最安車「ナノ」(ムンバイの自宅で)=一部画像処理しています

 昨年から今年にかけて、インド最大財閥、タタ・グループのラタン・タタ名誉会長に何度か会う機会に恵まれた。その過程で「10万ルピー(約17万円)の世界最安車」と報じられて話題になった「ナノ」の専門工場を視察することができた。

 「ナノ」の発売は2009年。以来、思うように売り上げが伸びず、現時点ではメディアがタタ自動車を取材するのはなかなか難しい状況が続いている。だが、名誉会長から特別に取材が認められ、工場内の視察のほか、テストコースで「ナノ」に実際に試乗できることになったのだ。

 そこで今回はインド西部グジャラート州サナンドにある「ナノ」の専門工場の現地ルポをお伝えする。

■10万ルピーは出荷段階、標準タイプで価格は15万ルピー強

「ナノ」の開発段階のスケッチ

 「ナノ」は4人乗り。排気量624ccの直列2気筒エンジンを搭載し、最高時速は105キロ。インドでは「ワンラック」が「10万」を意味するため、「ナノ」は「ワンラックカー」と呼ばれている。

 ただこれはあくまでも工場出荷段階での価格。諸経費などを加えると実際に客が支払う価格はもう少し高い。様々な条件によって異なるが、たとえばムンバイに住んでいる場合、標準タイプで15万6028ルピー(約26万円)という設定になっている。

■名誉会長自らが開発に参加

 「ナノ」はバイクしか買えない新中間層でも手が届く初の「国民車」として生産された。

 同プロジェクトはラタン・タタ名誉会長が自ら開発に参加し、既存の自動車の概念を根本から見直し、徹底したコスト削減に成功したことで知られる。

 「ナノ」専門工場の誘致は、当時のグジャラート州の首相で今年5月の総選挙で大勝してインドの首相に就任したナレンドラ・モディ氏が、ラタン・タタ氏に熱心に働き掛けて実現したとされる。

 それでは視察の様子を再現してみよう。

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