料理が楽しくなる高級鍋
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ホーロー、失敗少なく
料理が楽しくなり、レパートリーが増えるお薦めの"ブランド鍋"はどれか。決して安くはないので、買って後悔はしたくない。鋳物ホーロー鍋、圧力鍋、ステンレス鍋、保温調理器、タジン鍋など複数のタイプの鍋から、料理の初心者でも使いやすい鍋を料理研究家に選んでもらった。
1位の「ストウブ」、2位の「ル・クルーゼ」の鍋は、いずれもフランスのメーカーの鋳物ホーロー鍋。製造工程はまず、砂の型に高熱で溶かした鉄を流し込み、鉄が冷めたら砂型を割って鋳物を取り出す。その上にガラス質を焼き付けて耐久性や保温性を高める。ストウブもル・クルーゼも似た工法で仕上げている。
ホーロー鍋は圧力鍋のような操作を理解する必要はなく、初心者でも料理の失敗が少ない点が評価された。1位と2位はわずかな差だが、ストウブは、鍋の内側が濃い色で焦げ目が目立たない点が注目された。ただ、「ホーロー鍋は重さがあるのでシニア世代が使い続けるのは難しい」という意見も。自分で買う時は実際に手で持って重さを確かめたい。
3位の「クリステル」、5位の「ビタクラフト」、8位の「ジオ・プロダクト」の鍋は、ステンレスとアルミニウムを重ねた多層構造になっている。サビに強く保温性があるステンレス。そこに熱伝導性が高いアルミを組み合わせることによって、2つの金属のメリットを引き出している。3位のクリステルは、大きさの違うシリーズの鍋を重ねて収納できることが評価された。
4位の「フィスラー」、10位の「ルミナスプラス」の製品は圧力鍋。ともに料理によって圧力の強さを変えられる。圧力鍋は通常の鍋でじっくり煮るよりも短時間で済む点が大きなメリット。マメな手入れが大切で、洗うパーツが少ないほど使い勝手が良い。初めて使う時は取扱説明書をしっかり読もう。
部分交換、保証もチェック
今回選ばれた鍋は丈夫で長持ちすることも評価された。ただ、ある程度の劣化は避けられない。例えば、プラスチックの持ち手に火が当たり、取っ手が溶け出すこともある。「劣化しやすい部分の取り換えができるかどうかも、商品選びのポイントになる」と、三越伊勢丹のキッチン雑貨バイヤーの杉原正規さんは指摘する。
購入時には保証内容もチェックしたい。4位のフィスラーの圧力鍋「プレミアム」は10年の保証付き。ゴムパッキンなど消耗品以外で、ふたが締まらなくなるなどの問題が生じた場合には対処してくれる。
調査の方法 4人家族の食事に適したサイズで5000円以上の鍋を対象に、百貨店やネット販売の売れ筋や料理研究家の推薦をもとに24品目を選出。料理研究家10人が実際に鍋を見て、初心者でも使い勝手が良いか、和食から洋食まで幅広く料理のレパートリーが増えるか、手入れがしやすく長く使えるかなどの観点から順位付けした。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)
▽池上正子▽今別府靖子▽木田マリ▽阪下千恵▽沢田けんじ▽滝村雅晴▽林幸子▽フルタニマサエ▽町田えり子▽安井レイコ
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