ビシッと決まる 3万円未満スーツ
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試着して「肩」で選ぼう
この時期、就職や新年度に向けてスーツの購入を考えている人も多いだろう。インテージ(東京都千代田区)の2010年の調査によると、20~40代の男性会社員が購入するスーツの価格は2万円台が最も多く、約3割を占めた。ビジネスパーソン向けに、3万円未満で買えるおすすめのスーツを専門家に聞いたところ、男女とも品質とファッション性を兼ね備えたブランドが上位に入った。
00年前後からスーツを2種類の価格に設定する「ツープライス」、または3種類の「スリープライス」の店舗が増えている。男性1位のザ・スーツカンパニーや2位のスーツセレクト、3位のザ・スーパースーツストア、4位のオリヒカはこの業態。ヨーロッパ製や伸縮性に優れたストレッチ素材の生地もあり、自社で製造して価格を抑えている点などが支持を集めた。
こうした店舗の売り場では身長、体形別にスーツを陳列している。いくら良いスーツでもサイズが合っていなければ台無し。「スーツは"肩で着る"もの。たくさん試着し、肩幅にぴったり合うものを探すのがいい」(選者の末広徳司さん)
最近の流行はウエストや腕を細く絞ったスリムなデザイン。だがオシャレを求め過ぎると、ビジネスの場にふさわしくない格好になることも。末広さんは「スーツの基本を押さえ、職場で浮いてしまわないものを選ぶのが大切だ」と話す。
女性向けでは1位のナチュラルビューティーベーシックなどアパレルブランドへの評価が高かった。ジャケットとスカート、またはパンツなどが別々に売られ、上下を組み合わせて購入する。女性は仕事着の選択の幅が広く、男性のスーツよりも制約は少ない。久野梨沙さんは「フワフワした服よりも、襟付きなど直線的な服を意識するとフォーマルに見える。ビジネスの場に合わせて服選びを楽しんでみては」とアドバイスする。
帰宅後、ブラッシング 2日連続着用は×
スーツは手入れをすることで、できるだけ長く大切に使いたい。帰宅後、ブラッシングをして、繊維に詰まったホコリを落とし、ジャケットとパンツを別々にハンガーにつるす。その際、ジャケットのハンガーは針金など薄いものではなく、厚みのあるものがいい。形崩れを防ぐことができる。ポケットの中身はすべて取り出し、パンツのベルトも抜いておく。
2日続けてスーツを着るのは避け、中1日は空けて湿気を抜くようにしたい。クリーニングに出し過ぎると傷みの原因にもなるため、季節に1回程度が目安。ビニール袋に包まれていると通気性が悪いので、引き取った後、すぐに袋から出しておくのがよい。
調査の方法 専門家の意見や企業への聞き取りなどで3万円未満のスーツを取り扱うブランドを選出(1社1つ)。男性13、女性12の中から、服飾に詳しい専門家に実際に店舗に行ってもらうなどしてスーツをチェックし、上位5位を選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)
池田保行(ファッションライター)▽井上志津佳(日本パーソナルコーディネーター協会)▽岸本洋美(雑誌「日経WOMAN」編集)▽末広徳司(ワールドリテイリング)▽羽城麻子(雑誌「Gainer」編集部)▽春貴政享(スーツスタイリスト)▽久野梨沙(パーソナルスタイリスト)▽福田ゆかり(スタイリスト)▽堀川博之(雑誌「メンズクラブ」副編集長)▽山田美帆(カラーコンサルタントRosa代表)
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