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職場の知恵

増える「年の差婚」、メリットと不安

 

2012/6/13

 ここ数年、年の大きく離れた芸能人の結婚が相次ぐ。一般の人たちの間でも「年の差婚」に対する抵抗感は薄れ、積極的に年の離れた相手を求める動きもある。なぜ今、年の差婚が注目されるのか。そのメリット、デメリットは。

■もてなし力強い40~50代

 福岡県に住む男性Aさん(44)は、登録する結婚相談所ツヴァイの紹介で、14歳年下のB子さん(30)との結婚を決めた。これまで仕事一筋で来たが、気づけば四十路。子ど

 ここ数年、年の大きく離れた芸能人の結婚が相次ぐ。一般の人たちの間でも「年の差婚」に対する抵抗感は薄れ、積極的に年の離れた相手を求める動きもある。なぜ今、年の差婚が注目されるのか。そのメリット、デメリットは。

■もてなし力強い40~50代

 福岡県に住む男性Aさん(44)は、登録する結婚相談所ツヴァイの紹介で、14歳年下のB子さん(30)との結婚を決めた。これまで仕事一筋で来たが、気づけば四十路。子どもはぜひとも欲しいので、30代前半の相手を求めていた。

 一方、看護師のB子さんは「そろそろ結婚を」という母親の声に押されて登録。最初に紹介されたのがAさんだった。会ってみると14歳差を感じさせない。電話やメールなど望んだときに返してくれる心遣い。優しいし、仕事も熱心、家事もできる。何でも知っているから甘えられる。すでにマンションを持っている点も安心できたという。Aさんの希望は子ども3人。そのための蓄えも入念だ。

 結婚相手の年齢差について、今年2月、ツヴァイが独身者1000人に調査したところ、男性が相手に許容できる年齢差は全世代平均で上限13.2歳、下限15.3歳。女性は上限12.2歳、下限10.4歳だった。

 一方、結婚相談所のオーネットによれば、成婚したカップルのうち11歳以上の年の差の割合は、2000年の2.1%から、11年1~6月は5%に増えた。30歳の女性会員は「見た目が若々しければ50代でもOK。同世代よりも圧倒的に頼りがいがあるので、年の離れた人が希望」と言う。

 厚生労働省の人口動態統計で、初婚同士の年齢差を見ると、年上妻と同い年夫婦、加えて7歳以上の年上夫の比率が増加している。年上妻の中でも「4歳以上」の伸びが目立つ。ここでも、年の差婚の傾向が見てとれる。

 若い世代がなぜ年の差婚に引かれるのか。「30代前半より下の世代は男女とも承認欲求が強い」と言うのは電通総研の主任研究員、大屋洋子さんだ。不況の時代に育ち、自己肯定感を持ちづらいこの世代は特に「守られたい」「認められたい」といった気持ちが強い。それに対し「アッシー」「メッシー」「貢くん」などと呼ばれながらデートの段取りを付けてきたバブル経験者の40~50代は「もてなし力」にたけているというのだ。「しかも、頑張れば何とかなるというポジティブさがあるので、20~30代にはたくましく見える」

 再婚同士の年の差婚もある。C子さん(45)は女手一つで娘を育ててきたが、いずれ巣立つ娘のことを考え、Dさん(60)と新たな道を歩み出した。すでに子どもが自立し、韓国企業に請われて現地で要職を務めるDさん。自分の意思をきちんと持ち、優しく、尊敬できる点が多々あった。

■健康・介護が不安材料

  • 新天地の韓国で「夢のような日々」というC子さん。どこへ行くにも夫と手をつないでという仲の良さ
 「専業主婦に憧れていたので、夫にはとても感謝している。娘の大学費用の心配もなくなった」。互いを尊重する生活で、けんかはほとんどない。人生経験が長い分、夫からは様々なことを教えてもらえる。「もし夫に介護が必要になっても、介護福祉士の資格があるので不安はない」。日本で暮らす両親と娘ももろ手を挙げて喜んでいる。

 年の差婚だと相手がそれなりの収入や蓄えを持つ場合が多いので、「今」は安心だが、不安材料は健康・介護の問題。ファイナンシャルプランナー(FP)の浅田里花さんは「不安なので民間介護保険に加入する人も多いが、80代前半で要介護認定を受ける人は2割程度。それに保険をかけるより、その分を貯蓄に回し、公的介護保険を使い切る方が合理的」と指摘する。

 年の差婚だと専業主婦の道も選びやすいが、子どもに最も教育費がかかる大学進学時に年金生活ということにもなりかねない。「先を見据えれば仕事は続けた方がいい」と浅田さん。また「子どものいる再婚だと相続でのもめごとも起きがちなので、早めに遺言のことを意識しておいてもらうことも重要」と助言する。

 年の差婚の場合には、より計画性が求められるといえそうだ。

◇   ◇

■年金の“扶養手当”支給期間長めに

 年の差婚は年金にも影響する。厚生年金に20年以上加入した人が特別支給の老齢厚生年金の定額部分を支給される時点で、65歳未満の配偶者または18歳未満の子どもがいる場合、一人一人に加給年金が支給され、配偶者には特別加算が加わる。年金の扶養手当のようなものだ。配偶者が65歳になるまで支給される特別加算込みの加給年金は年齢によって異なるが、年間約39万円(12年度)。

 配偶者が20年以上厚生年金に加入していると支給されないが、年収制限は850万円未満。配偶者が若いほど、65歳までの“扶養手当”の支給額は多くなるわけだ。

 もっとも、夫が年金生活に入って妻が専業主婦(3号被保険者)を外れると、自分で国民年金の保険料を払わなくてはならない。FPの浅田さんは「差し引きすれば、公的年金の面では年の差婚の損得はそう大きくないのでは」とみる。

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