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イワシは大衆魚か高級魚か 日本近海の水温が左右

2013/6/25

「レジーム・シフト」の理論では、マイワシは海の活力のバロメーターだ

 日経新聞朝刊のマーケット商品面に「生鮮クリック」という小ネタのコーナーがある。生鮮市場の担当記者が個人的な興味や嗜好、風物詩的な意味合いなどを考慮して季節の魚介類や青果物の動向を紹介している。先日、「今年はイワシが豊漁で安い」と書いたところ、読者から「しばらく前にはイワシが少なくて高級魚になっていると報道されていたが……」との指摘を受けた。イワシは大衆魚に戻ったのだろうか。

■7年前は1匹1200円も、現在は50~60円に

 「マイワシ」「高級魚」のキーワードで過去のデータベースを検索してみると多くの記事が出てくる。例えば日経ではこんな具合だ。

 「マイワシも高級魚!? 築地で1匹1200円前後に」(2006年5月23日夕刊)

 記事によると、当時はマイワシの不漁が続き、この日の東京・築地市場では最高値が1キロ5500円、1匹換算で1200円だった。1キロ5千円といえば上物のクロマグロ並み。「高級魚」の目安は2千円とされるから少なくとも価格帯ではバリバリの高級魚といっていい。

 それから7年。足元の築地相場は高値で1キロ千円程度、多くは200~300円で前年同月より4割ほど安い水準だ。「大衆魚」の目安は500円だから大衆魚のど真ん中だ。鮮魚店では5匹300円といったところ。06年とは様変わりしている。

 魚の値段はおいしいからといって高くなるわけではなく、まずいからといって安くなるわけでもない。少ないから高くなり、多いから安くなるのだ。例えば最近のウナギは、養殖に使う稚魚の不漁という少なくて高くなった代表例だ。

 一方、多くて安くなった典型が足元のマイワシだ。5月の全国主要港の水揚げ高は前年より6割多かった。梅雨時期のマイワシは「入梅イワシ」と呼ばれ、1年でもっとも脂が乗る。商品価値が最も高い時期に価格が下がっているのだから「まさに食べごろ」(築地の卸会社)だ。

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