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買うならどっち 「国産ウナギ」と「ニホンウナギ」

2013/8/20

■カツオ節の原産地は「ゆでた場所」か「いぶした場所」か

いぶす工程が終わったところ。カツオとカツオ節の境界は業界でも見解が分かれる(静岡県焼津市のカツオ節加工場)

 曖昧な加工原料表示はウナギに限ったことではない。日本の食文化を支えるカツオ節では「原産地」の定義について業界内でも意見が分かれる。

 論点は「原料のカツオがどの時点で加工品のカツオ節になるのか」。

 「原料のカツオを切って煮熟(しゃじゅく、ゆでること)をした場所」を主張する人がいる一方、「焙乾(ばいかん、煙でいぶすこと)をした場所」という人がいる。焙乾派によれば、海外でゆでた原料を輸入していぶした製品は「国産品」だし、煮熟派にとっては同じものが「輸入品」ということになる。

 日本農林規格(JAS)法の定義によると、削り節の原料としてのカツオ節とは、煮熟によってたん白質を凝固させた後冷却し、水分が26%以下になるようにくん乾(焙乾と同義)したもの。カツオがカツオ節になる境目を焙乾としていることから「焙乾派」に軍配を上げているが、「中には26%スレスレまで海外で焙乾し、最後の一手間だけを日本でかけて国産にする業者もある」(鹿児島県のカツオ節生産者)といい、やはり不透明感が残る。

 さらに複雑なのは、カビをつけてうまみを引き出した「本枯れ節」で、削らずに1本で売る場合、最後のカビ付けだけを国内でしても「国産品」と表示できる。何をもって「国産」とするかは業者の判断次第なのだ。

■カツオ節の良さは産地よりも生産方法

 外食店やつゆメーカーに、インドネシアやフィリピンで全工程を手がけた「輸入節」を販売している大手業者によると「大切なのは国内か海外かではなく、各社ごとの生産手法」。国産品を扱う大手メーカーの仕入れ担当者も「安い人件費の海外で丁寧な仕事をした商品の方が質がいいことは多い」と認める。削り節を国産品から輸入品に切り替えたところ、客の評判が上がったというタコ焼き店もある。単純な国産信仰は薄れつつあるようだ。

 話をウナギに戻そう。

 海外種を使う企業が品種を明記しない理由の多くは、表示義務がないことに加え、「消費者から産地は聞かれても種別は聞かれないから」だという。「このウナギの品種は?」。分かりやすい原料表示への近道は、店頭での消費者のこんな質問かもしれない。(商品部 吉野浩一郎)

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