ライフコラム

生きものがたり

「デデーポッポー」は求愛のさえずり ハトの習性

2013/8/10

 暑い時、鳥たちはどうしているのだろう。スズメやハシブトガラス、ヒヨドリはよく口を開けている。先日はメジロでも見かけた。東京のスズメはおおむね32度を超えると口を開けるようだが、苫小牧(北海道)には26度で口を開けるスズメがいたので、地域によっても違うと思われる。

キジバト(成鳥)。首のしま模様が幼鳥は不明瞭だ=写真 石田光史

■繁殖期に雌を呼ぶ声

 鳥たちが暑さのためでなく、普通に口を開けるのは鳴く時だが、キジバトは閉じたまま、低くこもった声でデデーポッポーと歌う。

 虫がいなくても子育てできるという点でも変わっている。スズメでさえ、ひなは虫を与えないと育たないのに、食べた植物の種子を元に体内で栄養価の高いミルク状の液体、ピジョンミルクをつくることができるキジバトは夏を過ぎて秋冬になっても繁殖する。

 鳥の雄は繁殖期に「雌を呼ぶ」「縄張りを宣言する」という意味で歌うが、デデーポッポーがいつでも聞かれるのはそのためだ。英語で「a pair of Turtle Dove」(一組のキジバト)が「おしどり夫婦」を意味するのは、年中ペアが見られるためだろう。

キジバトの日光浴。鳥の水浴びや日光浴はダニやハジラミ対策でもあるらしい=写真 林山雅子

 もしキジバトが3羽でいたら、親子の可能性がある。巣立ち後の子は小さくないので、首のしま模様がないか、薄いことで見分けるとよい。3羽ともしま模様が明瞭なら、三角関係ということもあるかもしれないが……。

 駅や公園に多いカワラバト(家きん化されたハトが野生化したもので、ドバトとも呼ばれる)はキジバトより群れる習性が強い。やはりピジョンミルクで1年中繁殖しており、雄が膨らませた首を上下する求愛行動や、ペアで相互に羽繕いする行動がいつでも見られる。親子は群れに交じっているが、子はくちばしの上にある白い鼻こぶが、あまり白くないことで見分けることができる。

■下を向いて水が飲めるハト、鳥のなかでは例外的

 これらハト類は下を向いたまま水を飲めることも鳥類では例外だ。スズメもカラスも水を吸い込むことはできず、いったん上を向いて流し込むようにしているはずだ。メジロなどが「花の蜜を吸う」と言われるが、正確には吸っていない。メジロの舌先はブラシのようになっていて蜜を絡めやすい。舌に絡めて奥に運んでいるのだ。私たちが吸えるのは、私たちはおっぱいを吸って育つ哺乳類だからである。

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