ライフコラム

生きものがたり

意外と活動的なマンボウ 肝臓の油は傷に効く

2013/5/25

水槽を泳ぐマンボウ =東海大学海洋科学博物館提供

 マンボウの形は魚らしくない。最近はやりのゆるキャラみたいで、見る人は癒やされるようだ。

 魚なのに遊泳の原動力となる尾びれがなく、代わりに背びれとしりびれの一部が上下から伸びてつながり、舵(かじ)びれという特有のひれになっている。しかし、ここで推進力を生み出すのは無理で、もっぱら体のバランスをとるのに使っているようだ。

 泳ぐ時には体の上下についている大きな背びれとしりびれを左右に倒すように振って進む。これが意外と速い。からだ全体が板のように硬くてほとんど曲がらず、方向転換は苦手だ。これでも大海原で生活するには問題ないが、水槽に入れるとまっすぐに泳ごうとして、ガラスや壁に突き当たるので飼育が難しい。

春先には幼魚が捕獲されることが多い=東海大学海洋科学博物館提供

■新種 頭の大きい「ウシマンボウ」

 日本近海にすむマンボウは長い間、1種類だと考えられてきた。しかし、東日本で捕れる巨大なマンボウの中に、たまに頭が特別に大きな個体が見つかっていた。最近、これら2タイプのミトコンドリアDNAが調べられ、その結果、別の種類とすることになった。

 頭の大きいタイプは新たに「ウシマンボウ」と名付けられ、もう一方は従来のまま「マンボウ」と呼ばれる。「マンボウ」は舵びれの後縁に波形のへこみがあるが、「ウシマンボウ」にはそのへこみがなく弓形。ここが両種の見分けの重要なポイントになっている。

■傷や胃潰瘍に効く 肝臓の油

 マンボウは背びれと尻びれを動かす筋肉が発達している。この筋肉は白くて強い筋のような束で、食べるとカニとイカを合わせたような味だ。地域によっては高額で取引される。

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